話を聴ける子どもに育てるため、今できること①(キラッと見つけ作戦など)

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作成者: 滋賀のタカブーさん

【授業とは、子どもと教師が、信頼関係を構築する場】

「教室がざわざわした時の、魔法の言葉は?」

「ワアワアなった時、静かにできる武器(手段)は?」

「授業が脱線した時、立て直す方法は?」

「授業中、注目させる手法は?」

これらの、学生たち(教育実習に行く3回生)からの質問に対して、私(滋賀のタカブー)は明快に答えてあげることができませんでした。
そういうマニュアルとか、ノウハウは、存在しないことを伝えたかったのですが・・。

現場の若い教師たちの間でも、そういうスキルを求める傾向が、近年増えてきました。

それらを、ありきたりですが「指導力」と言うならば、教師の指導力(授業の指導力)とは、決してカリスマ的なものでもないし、特別なオーラを放つというものでもないし、ましてや、力技と大声(怒鳴り声)で静かにさせ、強引に話を聞かせることでもありません。
技術で授業が持つのは、せいぜい10分間だけです。
授業を45分間持たせるのは、教師と子どもの「相互作用」です。

むしろ、穏やかな表情と、ゆったりとした口調で、子どもの目を見て受け答えをする・・そんな担任の先生の、しなやかな姿勢が、柔らかな教室(授業)の空気を醸し出していると言ったほうがいいでしょう。

ここ2年間、注目していた6校(小中高2校ずつ)の全クラス公開授業を、愛知県・三重県・滋賀県で参観する中で、そういう教室(教師と子どもたち)を、たくさん観ることができました。

その6校の教師たちに共通していた「形として見えない働き」を、みんなもイメージしてみましょう。

教師は子どもの発言をつなぐコーディネーター

まず、子どもの顔を見ながら発言を聴く、子どものつぶやきや表情の変化を見逃さない、子どもの発言をコーディネイト(子どもと子どもをつなぐ役割を)していく、といった教師自身の「聴き方」に対する包容力・集中力でした。

そして、その子の気持ちをまずは共感的に受けとめる、スモールステップを与えて子どもの気づきをほめることをいとわない、子どもの気づきを待とうとする、子どもたち以上にその学習内容を楽しんでいる、先にも述べた、子どもの目を見てゆったりと穏やかに語りかける、指導案どおりにいかなくても笑顔でどっしりとかまえている、といった「ふところの深さ」でした。

先生方の年令・性別もさまざまでしたが、子どもたちとの向き合い方には、どの先生も豊かな人間性(それまでの生き方で培われる)と、それぞれ魅力的な人柄(個性)がにじみ出ていました。

ですから、子どもたちも、そんな先生の話だから聴きたい、クラスの仲間の意見も聴きたい、先生やクラスの仲間にも意見を聴いてほしい、お互いの違いも認め合える、といった学び合うことに対する意欲に満ちあふれている教室の雰囲気(クラスの空気)でした。

こういった、参観者である私の目に形として見えるクラスの姿(ペア学習、グループ学習、机のコの字型などなど)の裏側では、教師は子ども1人ひとりとの信頼関係を太くする努力を絶えずしておられ、常に子ども同士が尊重し合えるように心を配っておられるのでしょう。

具体的には、共に遊び、共に掃除をし、共に給食を食べ、どの子にも声をかけ、日記の返事を書き、子どもが「ボク・私の気持ちはわかってくれる先生」だと心を開いてくれるためにできる、あらゆることを地道に実践されている姿が目に浮かびます。

しかも、「あわてず、さわがず、度量のある態度は一貫して、ぶれない」ので、子どもたちにも安心感を与えるのでしょうね。

日々、これら「形として見えないこと」の積み重ねがあって、初めて、授業(聴き合う学び)が成り立つのでしょう。

それを、あえて「ひと言」で表すなら、「信頼関係の構築で生まれる『相互作用』」ということになるのでしょうか。

それでも、子どもが本題から離れそうになったら、教科書を音読することを何度も入れたりして、教材に戻ることを大事にしておられる先生方でした。

以上、マニュアル・ノウハウ・スキルなんかじゃないし、手法・手立てでもない、子ども1人ひとりへの、お世話じゃない「ケアの心」「心の寄せ方」を、片時も忘れない先生方(6校30クラス)の紹介でした。

明日からできる「キラッと見つけ」

私たちが、学校ぐるみでしていたのは、「キラッと見つけ」でした。(「よかったさがし」「セディとセーラ見つけ」とも言います)
担任以外の者が、そのクラスの子らの、「キラッと輝く姿」を見かけたら、「キラッとメモ」(職員室のあちこちに置いてある紙)に書いて、担任の机上に置いておく(風で飛ばぬようセロテープも)だけです。

例えば、トイレ掃除の子らが、担任以外の先生にほめられ、帰りの会で、「キラッとメモ」を持つ担任にもほめてもらえるダブル効果があります。ねらいは、知らないはずの担任がほめることで、その子との信頼関係のパイプを太くする材料を増やすことです

どのクラスでも、担任は、教室の後ろの掲示板に、そのメモをどんどん貼っていきました。

そのためには、学級担任以外の先生たち、校長・教頭・教務・養護教諭などが、集団登校・給食・昼休み・掃除の時間などに、忙しいでしょうけど、率先して取り組むことが大事です。

担任以外の教職員が、「キラッと見つけ」を書く取り組みの、お手本を見せて、職員室全体に取り組もうとする「空気感」をつくります。

これは、学校の「組織力」が問われている、と言えるでしょう。

担任が連絡帳や、学級通信や、電話で家庭にも伝えたら、しかられることの多い子だって、家でもほめられる「トリプル効果」になるからでもあります。
必要なのは、全教師の団結力だけです。

(次回②は、より具体的な「言葉がけ」をお伝えします)

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