学年通信(4~3月)【子育てワンポイント・アドバイス①】77文例集(前半1~39)

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目次

1 はじめに

学年通信(4~3月)【子育てワンポイントアドバイス】77文例集、ということで、今まで学級通信・学年通信・学校だより・教育相談だより・PTA子どもの幸せを考える会だよりなどで使ったり、ブログ記事に載せたりしたものを、ざっと集めてみました。内容が重なっているところも、あちこちあります。使えそうな文がありましたら、お好きなように手直しして、学年通信などで保護者のみなさんへ発信することに、活用していただけたら幸いです。まずは、前半1~39文例を紹介します。みなさんが活用しやすいように、段落なしにしました。

おうちの方へ 1

おうちでも、
「おはよう」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰り」
「いただきます」「ごちそうさま」「おやすみ」「ありがとう」などの、
親子の心と心の【きずなを確認しあうためのあいさつ】は、毎日できそうなことだけでも、できる範囲で、ぜひとも声かけを続けてあげてください。子どもは、親とあいさつを交わすことが、本来うれしいはずなのです。こういった、おうちでの経験の積み重ねの、ある・なしが、学校で、その子の自信として、はっきりと差が出てしまうのです。家で、親に言えない子が、学校という、たくさんの人数の中で、言えるはずないのですから。さあ、気づいた時がスタートです。子どもに言わせるのではなく、まず親が言ってあげましょう。

おうちの方へ 2

スタートの時期、おうちの方は、あせらないでください。そして、わが子を、せかさないでください。じれったいでしょうけど、どうか、待ってあげてほしいと思います。それは、わが子を、一歩ずつ【自立へといざなう】ためです。ゆったりと、わが子の、がんばりも、頼りなさも、けなげさも、いい加減さも、丸ごと見守りながら、毎日、一つはほめてあげましょう。キーワードは2種類です。
「えらいねぇ」「すごいやん」「すごくがんばっているんやなぁ」と。
「ありがとうね」「助かったわぁ」「とってもうれしいなぁ」と。

おうちの方へ 3

お願いしたいのは、わが子をよりよく成長させたいと願うなら、担任の悪口を、わが子には絶対聞かさないということです。疑問に感じることがあれば、どうか直接ご連絡ください。直接しゃべったおかげで、お互いに心を開いて語り合えるようになり、誤解だったとわかり合えることも、少なくありません。もちろん100%保証できるというわけではありません。直接言いにくければ、校長先生がいます。子どもに悪口を聞かせて、子どもによい影響を与えることは0%だと、思ってください。担任の悪口を親から聞かされた子は、たいてい担任の指示を聞かなくなります。その指示が大切なことであってもです。その結果、その子が【本来持っている伸びる力】を発揮しにくくなってしまいます。

おうちの方へ 4

わが子が家を出る時、朝ご飯を食べる時、朝、布団から起きてくる時、おうちの方が、わが子がいつもと同じか、ちがうか、気をつけて見てあげられる時が、3回はあるのです。ただし、【監視カメラ目線】にならないでくださいね。子どもの心が萎縮(いしゅく)して、ちぢこまってしまいます。子どもにとって、親の目は、あったかいのが一番です。ぜひぜひ、あったかい【共感カメラ目線】で見てあげてほしいものです。
「おはよう、早く起きたねー」
「朝ご飯、ほとんど食べたねー」
「気をつけてなぁ、待ってるからねー」と。

おうちの方へ 5

おうちの方の言葉(自分が子どもにしゃべりかける言葉)は、次のうち、どのタイプに近いなあと、思われますか?気分のいいリラックスしている時に、自分をふり返ってみましょう。
命令・指示型?
理屈・説得型?
質問・先取り型?
相づち・共感型?
無視・放任型?
のうち、どれに近いでしょう?
命令・指示型、理屈・説得型、質問・先取り型だと、子どもは「指示待ち」タイプになり、自立への心が育ちません。親から「監視カメラ目線」で見張られている感覚の中で、子どもは口(本音)を閉ざします。無視・放任型だと、子どもの心に【あきらめと怒り】が芽生えます。泣くことまでやめてしまうという、究極の「怒り」の表現をしてしまいます。無視はしないでください。相づち・共感型で、親の目がニコッとして、相手をしてあげていると、子どもは【あったかい安心感】につつまれて、失敗しながら自立への心が徐々に育っていきます。

おうちの方へ 6

おうちの方も、わが子が、
「遊んでくれる先生やで」
だと、言えば
「よかったねぇ」
といっしょに喜んでやってください。
「先生、遊んでくれへん」
と、わが子が言ったら、
「忙しいのかなぁ」
とでも言って、
「それじゃ、お母さん(お父さん)と遊ぼっか」
そして、【抱っこ・くすぐりっこ・押しずもう・じゃれあいっこ】など、今すぐ、できそうなことでいいから、してあげましょう。子どもが本当に遊んでほしい相手は誰でしょうか?それは、やっぱり自分の親なのです。

おうちの方へ 7

お手伝いは、家でも、ぜひ、いろんな形でやってみてください。わが子が、お手伝いをしてくれたら、ほんまに助かります。しかも、お世話してもらうだけの半人前の家族から、【一人前の家族の一員】へ成長できる、絶好のチャンスです。これを、のがす手はありません。わが子をほめるチャンスを、どしどし作れるのですから。親子で一緒にお菓子を数える、洗濯物をたたむ、食事の準備・配膳をする、食事の後かたづけ・食器ふきをする、風呂・トイレ・洗面台、掃除機などの掃除をする、ゴミの分別をしてゴミ出しをする、これらのことは、実は、わが子が将来、大人になって自立する時のために、子どものうちから親が一緒にやりながら、ほめて、仕事を覚えさせる貴重な経験になるのです。これって、子どもの生活力のスキルアップ体験そのものでもあります。子どもも
「自分も家族の役に立てたんやぁ」
「あんなに喜んでくれはるんやぁ」
「自分もええとこ、あるんやぁ」
と思える機会もふえるわけです。親にとっても、子どものよさを発見する場になり、一石二鳥です。

おうちの方へ 8

親の『ひと言』こそ、わが子にとって、先生のひと言以上に、すっごく大切な【心の水やり】です。子どもをへこます言葉を半分に減らせると、子どもが生き生きしてきます。
「がんばってね」「がんばるんやで」
は、花の種を植えて芽が出てこれから大きくなろうとする時に、親の手で花の芽を無理矢理ひっぱっているような『ひと言』だと、子どもには聞こえてしまいます。
「がんばってるやん」「がんばったんやねぇ」
は、花の苗が日光をあびて水をやってもらって、すくすく伸びるように、子どもの心の中に次のやる気が満ちあふれていく親の『ひと言』=『心の水やり』とでも例えればよいでしょうか。わかりやすいところでは、親自身が自分の親に言われたくない言葉(あの時、親からあんなふうに言われて傷ついたと覚えている言葉)を、言わないようにしてあげればいいと思います。それに加えて、わが子に、
「ゴメンな」
を言える親は、エ・ラ・イ!子どもは、そんな親を尊敬します。子どもは、そんな親をもっと大好きになります。そして、言い合いになる時があっても(親子の言い過ぎた比率が3:7でも、逆に7:3でも)、後から、
「さっきはゴメンな」
を言える子に育っていくのです。

おうちの方へ 9

家庭訪問ですが、お茶を出すか出さないかで、悩まないでください(お茶は必要ありません)。それよりも、【わが子のどんなことを伝えようか】について、あれもこれもではなくて、これとこれだけは担任に伝えておいた方がいいと思われることを、ひとつ、ふたつ、選んでおく方がいいでしょう。たとえば、健康面のこと(アレルギー、視力、どうしても食べられない食材など)と、生活面のこと(友だち関係や学習面も含めて気にしておられること)などです。知っておいてもらった方が親としても安心だなと思うことですから、たくさん伝えすぎると、担任も覚えきれません。おうちの方は遠慮せずに、今、わが子の一番気になっていることで、担任に伝えた方がいいと思われることがあれば、お伝えください。わが子のすこやかな成長のために、親と担任が手をむすんで、いっしょに悩みも共有しながら、立場はちがっても共に、子どものために一所懸命あゆんでいくのですから。

おうちの方へ 10

なんてったって連休明けです。大人でもリズムを取り戻すのはたいへんです。おうちでも、学校に通うリズムをつくるため、わが子をほめながら、支えてあげましょう。もうひとつは、滋賀医大(睡眠学講座)宮城総一郎教授の提唱される「よい眠りのために、心がけたい6つの習慣」を連休明け(連休中)こそ、お子さんにすすめてあげてほしいということです。
そうだやっぱり、早起き・早寝・朝ごはん(大事なのは、まず早起き。その結果→早寝)
カーテンをあけて、よい目覚め(起床30分~1時間前に全開すると、朝の光で体が起きます)
朝、昼はしっかり食べて、夜は少なめ(私などは正反対でした。メタボです)
昼間に動くと、よく眠れる(ゲームづけの子には、お手伝いで、体を動かしてもらいましょう)
夜は暗くして、快眠モード(夜10時以降は、パソコン・ゲーム等はさせない方がよい)
眠れないときはストレッチ(リラクゼイション効果あり)
「早寝・早起き・朝ごはん」の順番ではなく、【早起き→早寝・朝ごはん】の順番です。

おうちの方へ 11

おうちでも、『こまめに「たすけてぇなぁ」と言ってお手伝いを頼んで、ほめる』のくり返しを、わが子の自信を深めるために、してあげましょう。子どもの自信は、親に頼りにされたと実感できたことで深まっていきます。親からぜんぜん頼りにされない、親からいつも「できが悪い」と言われる、親からしかられてばっかり、という3つの毎日のくり返しが、子どもから【自信と安心と意欲】を奪います。「心あたり」がありますか?それは、よい「気づき」をなさったということです。気づいたら、実行です。

おうちの方へ 12

家でも、わが子が
「ねえねえ、聞いて」
と言ってきたら、台所の仕事もちょっぴり中断して、しゃがんで、子どもと同じ高さの目線で聞いてあげる時もつくってやってください。そして、頭をなででてあげたり、抱っこしてあげて、台所仕事再開です。子どもは、きっと大満足です。じつは、この手間は、あとあと、【親の話が聞ける子】に育つか育たないかの分かれ目になる、大事なワンステップだと思いましょう。子どもには、親に【今どうしても聞いてほしい瞬間】があるのです。そのチャンスを見逃したら、親として、1分後、1時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後、1年後、10年後、いつかわかりませんが後悔する時がやってきます。私自身の反省です。

おうちの方へ 13

気持ちよく朝のスタートをきるためには、夜寝るまでには【明日のカバンの用意】をすませておくことが、心のゆとりを生みます。朝は、ただでさえ、あわただしく、ついつい、
「早く」「急いで」「遅い」
を連発する朝になりがちです。学校に背負って行くカバンと、着て行く服が、夜に準備できていたら、声かけも、連発(何回も)が単発(1回だけ)で済みます。なんやかんやで、なかなかできない事情もあるかも知れませんが、もし、これを習慣にできたら、親も子も心理的にメッチャ余裕の朝になります。

おうちの方へ 14

子どもが、自分を一番認めてほしいのは、誰だと思いますか?それは、先生ではなくて、おうちの方なのです。親といっしょにやって、できるようになったことは、生活力(生きていく力)として、身について離れません。うちでは、電子レンジやアイロン・掃除機・洗濯機のような電気器具の使い方に始まって、コイン精米機で「300円入れて精米する手順」、郵便局では「お年玉を窓口で貯金する」手続きの仕方や「簡易書留」「郵パック」の送り方、銀行では「窓口での振り込み」の仕方や「通帳の作り方」、その他いろいろな窓口での他人とのやりとりも小学生の時から手伝ってもらっています。これは、こういう真似をしてほしいと言いたいのではありません。とりあえず、今、おうちの方が、子どもに手伝ってもらえたら助かることから、
「ちょっと手伝ってぇなぁ」「なあなあ、ちょっと助けて~」
と頼んでみましょう、ということが言いたかったのです。何もかも親が全部やってしまったら、それは【子育て】ではなくて【お世話】と言います。自分の食べた食器を流し台まで運ぶのは最低限どの子もできるはずです。学校・園が給食の所は毎日、配膳も後片付けもできる子なのですから。親が【お世話】だけをしていたら、経験の足りない子として大きくなっていきます。しかも、苦心・工夫・段取りなどの知惠や、苦労・我慢・感謝などの心が育ちません。

おうちの方へ 15

きょうだいげんかの時の、親の出番は【◎最初がかんじん】です。上の子にも、下の子にも、気持ちには、それぞれ共感してあげてください。どっちの子にも言いぶんは必ずありますから。まず、自分の思いは親がわかってくれたという安堵感が持てたか持てないかで、けんかの後味が変わってきます。双方の言いぶんをまず聞いてあげることが第一です。ただし、わが子に落ち度があったからと言って、【×たたいて、しつける】というやり方だけは、絶対にしないでください。お願いします。今までに、たたいたり、けったりしたことがあったら、今日からは、100%やめてください。親に対する恐怖心(親に体罰をされないためだけに、家ではよい子を演じ、そのストレスを学校や園で人にぶつけるという行動パターン)と、暴力の肯定(自分も腹が立ったら、人に暴力をふるっていいんだという連鎖反応)だけが、子どもの心の奥底に残るからです。「たたいて、しつけて、身につくことは、1つもない」ということだけは覚えておいてください。子どもの心をゆがめて、最後には、子どもの心身をこわしてしまうからです。

おうちの方へ 16

子どもが、【誰に一番かまってほしいのか?】答えはやっぱり、おうちの方なのです。気になる態度がすごく目立って、親の目も、その部分にいきがちになります。正面から向き合わなければならない課題もあるかも知れませんが、自分は親から全部を否定されていると感じていたら、向き合ってもくれません。ですから、年令にもよりますが、いっしょに散歩をしたり、いっしょに料理をしたり、いっしょに世間話をしたりする中で、ギザギザ・トゲトゲしていない姿をチラッと見せてくれることがあります。その瞬間、目と目を合わせてニコッとしてあげましょう。そして、子どもがうれしくなるひと言も。子どもがギザギザ・トゲトゲしている時って、親もギザギザ・トゲトゲしている場合が少なくありません。どうですか?心あたりはありますか?それが見つかるということは、自分で気づけたということなのです。

おうちの方へ 17

おうちでは、自分から子どもに対して「威圧感オーラ」出ていませんか?「威圧感オーラ」を出している先生にビクビクする子どものほとんどは、親のどちらかが幼少期から「威圧感オーラ」をわが子に対して、無意識に出し続けていた場合が多いと思われます。自分をふり返るきっかけをもらったと思って、子どもへの接し方を180°転換することにチャレンジしてみましょう。きっと、おうちの方も子どもの頃、親から「威圧感オーラ」を受けていたと思われます。そう言えば・・という、子どもの頃のイヤな思い出はありませんか?180°転換できなくても(できなくて普通です。できるなら、とっくにできてます)、ちょっとは変われると思いますよ。私自身の数々の失敗(親としての失態)から、そう思います。

おうちの方へ 18

おうちの方へお伝えしたいことわざ「ことをにくんで、人をにくまず」ということです。したことは失敗として、しかるとしても、子どもの存在は絶対に否定してはいけません。つまり、
「あなたのこと、大好きだよ」
という言葉も、しかる時には、ちゃんと伝えます。子どもの性格も絶対に否定してはいけません。つまり、やっちゃった失敗と、本人の性格を結びつけたりなんかせずに、
「あなたには、こんなよいところがあるんだよ」
という言葉も、しかる時には、しっかりと伝えます。しかりっぱなしではなく、最後は(目安はシクシク泣きを始めたら反省している証拠ですから)抱きしめて、ほめることまでしてやって、子どもはしかられたことから学べますし、安心して今回の失敗から立ち直れます。

おうちの方へ 19

失敗は成功のもと」は、おうちでも、ぜひとも体験させてあげてください。子どもに失敗をさせないように、親が先に手を打ってばかりしていると、失敗をおそれる子、挑戦するのをためらう子、いざという時にビクビクする子になってしまいます。先に手を打たなければならない時もないわけではありません。バランスが大切だということで、今回は子ども1人でさせよう、今回はいっしょにしてあげようと、おうちの方が判断してあげてください。「ころばぬ先のつえ」が本人の自立にいる時か、いらない時か、ということです。

おうちの方へ 20

失敗しても、怒鳴られないし、無視もされない、でも、ぼく・わたしの失敗した心【くやしい・かなしい・はずかしい】をわかってくれるし、認めてくれる、こんな声かけ
「くやしかったんやね」
「かなしかったんやね」
「はずかしかったんやね」を、
家でも、子どもにしてやりたいものです。

おうちの方へ 21

あまり、しゃべってくれない子どもに対しては、今まで紹介したこととだぶってしまいますが、まず、子どもが言いたそうにした時は、親がしゃがんで、わが子がたどたどしく言おうとしているのを、ニコニコしながら待ってあげてください。ちょっと言ってくれたら、【子どもの言葉を親も真似して(くり返して)言ってみましょう】。すると、子どもは次をしゃべることもありますよ。そして、何か言ってくれたら、
「そう、△△なの」
と、また真似して言います。そのくり返しが、会話になります。あとは、しゃべりやすい空気ですね。親が立派すぎない(100点だったとか、1位だったとか、子どもの頃は優秀だったと自慢しない)で、ズッコケ談(失敗談)をアッハッハとしゃべったり、何か(おやつ&夕食づくり・散歩・洗濯物たたみなど)をいっしょにしたり、コチョコチョとくすぐりっこをしたり、自分ならやれそうなことをやってみましょう。

おうちの方へ 22

ふつう、帰宅しても学校の話をしてくれなかったら、
「給食のおかず、何が出たの?」「昼休み何して遊んだの?」
ぐらいがいいでしょう。もし、おうちで、わが子が愉快な授業の話をしたら、
「楽しそうやん」
と、いっしょによろこんであげてください。授業の話を、帰宅後に自分からするなんてことは、よほど魅力的な授業だったということです。学年が大きくなるにつれて、授業の話はだんだんしなくなる傾向にあります。それは、半分はおうちの方が、子どもの持って帰って来るテストの点数にしか関心を示さないからでもあるのです。結果が何点だったかより、先にマルの所をほめてやってください。【おうちの方にテストを見せること】を、子どもが「ゆううつ」なことだと思うか、子どもが「うれしい」ことだと思うか、どちらを思うかは、おうちの方の反応で決まるのです。点数で決まるのではありません。子どもが点数にこだわっていたら、それを子どもの心にすりこんだのは、おうちの方の言葉です。少なくとも、おうちの方へテストを堂々と見せることに「よろこび」を感じる子どもは、点数に関係なく生き生きとした学校生活を送っています。

おうちの方へ 23

学校から、本人がイライラ・カリカリして・・・・といった連絡があったら、本人の話もすぐ聞きたいでしょうが、まず
「お帰り」
って、抱きしめてあげるのを忘れたくないですね。これは、絆を深めるチャンスです。ですから、すぐ問いつめないことが大事です。自分から言ってくれるのを待ちましょう。黙っていたら、                   「先生から連絡があったで。何か困ったの?」
と、しゃべりやすい空気をつくってあげましょう。大事なのは、よいことも、よくないことも、おうちの方は、自分の気持ちをちゃんと聞いてくれはる、と子どもが【安心してしゃべれる雰囲気】をつくっておくことです。

おうちの方へ 24

おうちでも、子どもは無意識に(時には意識的に)、サイン(学校がおもしろくないという態度)を出します。表情や、言葉、行動が、いつもとちがうはずです。でも、いらついている時には、言いたい時(聞いてほしい時)と、言いたくない時(聞いてほしくない時)があります。見守ってあげつつ、言いたそうにしたら(聞いてほしそうにしたら)、その子の気持ちに共感してあげながら聞いてあげてください。きっと、自分なりのわけがあるはずです。おうちの方に聞いてもらえたら、心底ホッとできるのではないでしょうか。自分の気持ちを、おうちの方に
「わかってもらえたぁ」
と実感できた子は、おうちの方の話にも耳をかたむけてくれると思います。それが、素直な態度じゃなかったとしても、きっと心には届いているはずです。わが子を信じてあげましょう。わが子を大好きでいてあげましょう。
親に【好きになってもらえる】からこそ、子どもは自分を好きになることができるのです。
親に【信じてもらえる】からこそ、子どもは自分を信じることができるのです。
そして、人を好きになることができ、人を信じることができるようになるのです。また、気分転換させてやりたいなと思われたら、何か本人が、その気になれる新しいちょっとした目標(だいそれたことでなくていい)が見つかるといいですね。いっしょに探してあげてもいいし、いっしょにしてあげてもいいでしょう。

おうちの方へ 25

大人が思いもよらないこと】で、子どもは不安に思ったり、心配したり、気にしたりしていることもあるんや、と思ってあげてください。大人には、ちょっとしたことでも、子どもには重大なこともあるということです。おうちの方が「そうかいそうかい、たいへんだったね。」
と言ってくださるだけで安心しちゃうこともあれば、そうでないことだってあるのです。子どもの気持ちに共感して、どうしたらいいか、いっしょに考えてあげてくださるのがよいでしょう。そして、できたら、始めの1歩を、いっしょにふみ出してあげてください。そういう意味でも、年令が1つ(1才)、2つ(2才)、3つ(3才)、4つ(4才)、5つ(5才)、6つ(6才)、7つ(7才)、8つ(8才)、9つ(9才)という「つ」のつく年令の間に、いっぱい直接体験(例えばごっこ遊び、ままごと遊び、砂場遊び、どろんこ遊び、虫つかみ、ザリガニつかみ、木登り、水遊び、秘密基地遊び、家事のお手伝いなどなど)をさせてあげたいなぁと思います。

おうちの方へ 26

通信簿は、おうちの方が「こうあってほしい」という強い願いを持ちすぎないようにしましょう。そうでなくても、子どもにとってはドキドキの瞬間なのです。おうちの方の落胆や叱責は次へ向かおうとする意欲を子どもから奪ってしまいます。まじめな子ほど、親の期待を裏切ったという自信喪失感から、親の顔色をうかがいながら・・という、おどおどした生活になってしまいます。自暴自棄になった子は
「どうせ自分はダメだ」
という自己否定からぬけ出せなくなります。親が言ってはいけないのは、
「自分の通信簿はもっとよかった」
という言葉だと覚えておきましょう。通信簿は、わが子のよかったところを、ぜひぜひ見つけるチャンスだと思ってください。見つけられない時は、遠慮せず担任に
「うちの子の、よかったところは、どんなところですか?」
と聞けば、教えてくれるはずです。そして、よかったところを子どもに伝えて、本気でほめてあげてください。本気でほめてもらえた子どもは
「よーし、がんばるぞ」
という明るく前向きな気持ちがわいてきます。通信簿はしかられたり、けなされたりする場ではなく、【ほめられてうれしいと思える場】にしてあげましょう。ただし、ごほうびに何かを買ってあげるというのは、なし!です。

おうちの方へ 27

おうちの方が気づかない間に、学用品が破れていたり、なくしていたり、いらない物がカバンに入っていることもあります。そんな時は、子どもを責めるのではなくて、
「どうしてこんなふうになったのか教えてくれる?」
と聞いてあげましょう。事情を言ってくれて、自分のうっかりなのか、自分でわざとしたのか、友だちにされたのかを言ってくれたら、まず、その子の気持ちに共感してあげるのが、ステキなフォローです。事情にもよりますが、
「そうだったの・・くやしかったんやね」
と受けとめます。そして
「よく言ってくれたね。正直に言ってくれて、うれしいよ」
と、その子が【言ってよかったという気持ち】にさせてあげてほしいと思います。その積み重ねによって、安心して話せそうなおうちの人に何でも相談してくれる子に育っていくのです。

おうちの方へ 28

テストの点数に、親がこだわりすぎる】と、わが子に、余計なプレッシャーを与えてしまうことになります。テストをおうちの人にかくす子にするか、よろこんで見せる子にするかは、親の態度にかかっていることを忘れないでください。
「テストで90点とったでー」
と帰宅して、うれしそうに言うわが子に対して、次のAとBのどちらの返事をなさいますか?
A「それで、100点は何人いるの?」
B「すごいやん。どれどれ、見せて見せて」
意欲的な子どもに育てたい場合の正解は、自分が子どもだったら、どっちを言ってもらう方がモチベーションが上がるかを思い浮かべてくださったら、わかると思います。Aです、というのは大きなまちがいで、Bです(よい所を素早くさがしながら)。ところが、
「うちのお母さんは、いつもA」
と言う子、意外とたくさんいるんですよ。

おうちの方へ 29

おうちの方が仕事で、なかなか子どもといっしょに過ごす時間がとれない場合は、親子の【心と心の交信(キャッチボール)】の方法を、あれこれ工夫して、試してみてはいかがでしょう。担任が参観日に、
「困った子や」(本当は本人自身が困っている子なのですが)
と思う子は、おうちの方が仕事で忙しくて、なかなか授業参観にも来てもらえない子が多いのです。参観日は、朝から落ち着かず、さびしい気持ちをまぎらわすために、目立つ行動をしているのが、よくわかります。ある時、おうちの方に、そのことをお伝えして、何とか仕事もやりくりしながら、2,3回に1度は授業参観にも来てくださるようになりました。おうちの方が来てくださった授業参観、その子はもちろん、とびっきりの笑顔でした。

おうちの方へ 30

夏休み【子どもの意欲を引き出すのは、お母さんの笑顔!】
今日から学校も夏休み、子どもらも家にいます。昼ご飯の用意1つだけでも、お母さん方の仕事は増えて、大忙しの6週間になります。そういう時こそ、笑って、気合いを入れましょう。お母さんの笑顔は、子どもにとって何にも代え難い安心基地になります。次の話を読むと、1人は大マジメ、もう1人は戸惑っているという2人の様子を、思い浮かべてしまい、私は思わず笑ってしまいました。時間の余裕がある時に、1度読んでみてください。
『あるベテランの芸人さんが1人で新幹線に乗っていました。すると、40~50才ぐらいの紳士から声をかけられました。
「○○師匠、亡くなった妻が、師匠の大ファンだったんです」
師匠もとりあえず返答しました。
「それは、どうも」
紳士が言いました。
「実は今から妻の法事に出かけるところなんです」
紳士は続けて言いました。
「お写真を撮らせてもらってもいいでしょうか」
そう聞かれ、師匠は、妻を亡くした紳士への同情と、妻が大ファンだったというフレーズの心地よさで、あっさりと、
「いいですよ」
と答えてしまいました。
「ありがとうございます。亡き妻も喜びます」
紳士はカメラを用意すると、カバンの中から大事そうに包みを取り出しました。
「では、こいつ(妻)といっしょに」
と、包みから出してきたのが奥さんの位牌でした。さすがの師匠も一瞬びっくりしましたが、今さら断れません。師匠が位牌を受け取り、カメラに向かうと、紳士が言いました。
「ハイ、笑って~」
師匠としても、ここまで来たら、後には引けません。紳士に言われるままに、見ず知らずの女性の位牌を両手で抱きました。そして、カメラに向かってニッコリと笑いました。カシャッ。師匠は、
「オレは何をしているんやろう」
と心の中でつぶやいたそうです。』
以上です。いくらファンを大切にする芸人さんでも、見知らぬ人の位牌を持たされて記念撮影というのは、ちょっとねぇ‥。まあ、そんな師匠の複雑な気持ちも知らず、その紳士は
「おまえ、よかったね」
と位牌に語りかけておられたことでしょう。それを見ている師匠の表情を思い浮かべてしまいました。

おうちの方へ 31

子どもの夏休みもあと2日、おうちの方は、まずは、うろたえず、どっしりと、ニコニコしていてあげてください。これこそが、子どもの安心の元になりますから。まだ夏休みは2日あります。たまっている宿題を自力でかたづけられる子には、ほめてあげるだけでOKです(原稿提出がぎりぎり間に合った、いささか先生[サザエさんの近所に住む作家]みたいに)。でも、自力ではちょっと、という子には、しかりながら宿題をさせるのはもったいない、
「いっしょにやろうね」
と言いながら、ひとつできたら、
「できるやん、すごいすごい」
とほめます。ひとかたまりが終わったら、
「よくがんばったね」とほめます。全部終わったら
「やったぁ、うれしいね」
と共に喜んであげます。この流れは、子どもが
「自分はダメな子」と思わずに、「2学期もやるぞ」という意欲につながります。でも、現実には、たくさんたまった宿題を前にため息をついている子もいるでしょう。だらだらする子もいるでしょう。それでも、どうか、しからないで、つきあってあげてください。多すぎたら省エネ作戦でやるしかないですけど。できて当たり前のことでいいから、【ちょこっと「ほめほめ」ミニ作戦】のつもりで、お願いします。態度がふてくされている子ほど、実は本人も内心あせっていて、親の助け舟を本当は待っているんですよ。(素直には言えないだけです)
それと、上ぐつのサイズは合っているでしょうか。足が大きくなって
「きつい」
という子もいるかも・・(夏休み終盤は店でも品薄になります)。なんだかんだ書きましたが、一番大事なのは、9月1日(2学期が8月末のところは、その当日)の朝の
「おはよう」「行ってらっしゃい」
(先に親が出るならメモ)で、心と心を伝え合うことではないでしょうか。親のそんな「ひと言」こそ、子どもが元気の出る源泉(わき水の泉)なのですから。

おうちの方へ 32

子どもの上靴の洗い方・干し方のポイント(下靴も同じ要領で)
朝日新聞2012年6月2日(土)29面に、【上履きをキレイに「つけ置き洗いでシミ防止」】という記事が載っていたので、抜粋して紹介させてください。
『‥洗い方を間違えると、かえってシミができたり変形したりするそうだ。半世紀にわたり上履きを作っているムーンスター(本社・福岡県)のみなさんに、基本の洗い方を聞いた。上履きを履いている時間は長い。足の健康のためにも汚れを定着させないためにも、毎週洗おう。同社の基本的な上履きの場合、完全に乾くには最長24時間かかるという。土曜のうちに洗うのがよさそうだ。主な汚れは汗や皮脂なので、洗濯用の中性洗剤でよい。ただ、
「洗剤は上履きに直接つけないでください」
とマーケティング課のMさん。洗剤が繊維の間に入り込んですすぎ切れず、黄ばみやシミの原因になるからだ。おすすめはつけ置きだ。バケツなどに40度以下のぬるま湯か水を入れ、洗剤を表示にある標準の使用量だけ溶かす。上履きを入れ、1時間ほど置いておく。ただし、汚れがしみ込んでいるからといって長時間つけたり、洗剤をたくさん入れたりしないようにする。次はブラシでゴシゴシ洗う。届きにくい、つま先の内側は古い歯ブラシを使おう。1番汚れる中敷きは特に念入りに。すすぎは、水に入れて洗剤の泡が出てこなくなるまでしっかり。
干し方にもポイントがある。気をつけるのは「水気」と「高温」。生乾きは臭いにつながる。振ったり、丸めた布を靴の中に入れたりして、しっかりと水を切ろう。洗濯機の脱水機能を使うのもよい。干すときは陰干しで。ゴムの靴底は熱にあてると軟らかくなり、変形することがある。中の水が外に出やすいよう、かかとを下に。「早く乾かそうと直射日光に当てたりドライヤーを使ったりすると、見た目にはわからなくても底が反ってしまいます」子どもは変形を気にせず、履き続けるので、気をつけて。‥園児から小学校低学年の児童の足は、平均して年に1cm大きくなるという。商品開発課のSさんは
「各学期の前に、子どもに上履きを履かせて、つま先部分をさわり、きつくなっていないか確認してください」と勧める。』以上です。

おうちの方へ 33

夏休み明け、残暑がきびしいです。連日、厚い運動場で運動会の練習ですから、おうちの方も、水筒2本いるかなぁと気にかけてあげてほしいし、いつも以上に、わが子を認めて、ほめることを意識的にふやしてあげる必要がある時期だと、思ってあげてくださいね。
「よくがんばってるんやねぇ」は◎です。
「がんばれよ」は、すでにがんばっているのですから、念押しする必要はなし、【わざわざ言わなくていい】のです。

おうちの方へ 34

意外と小さな水筒を持ってきている子もいます。午前中に、その水筒はからっぽになるでしょう。熱中症対策として、充分な水分補給をするために、お子さんに、今ので足りているか聞いてあげて、いっしょに相談して、そこそこの大きさの水筒か、水筒2本にしてあげてほしいと思います。下校・園の時に、少しはお茶が残っているぐらいがいいでしょうか。小学校高学年~中学生なら、1,5L~2Lはいるでしょう。よけいなひと言ですが、冷凍庫で凍らせたペットボトルのお茶は下校の頃まで溶けません。(禁止している学校も多い)

おうちの方へ 35

おうちで、わが子に対して、とっても大事だと思うことについて、お父さんの言うことと、お母さんの言うことが、まるっきり、ちがう(正反対だ)と、子どもは混乱してしまいます。とっても大事だと思うことについては、親同士で話し合っておくほうが、いいでしょうね(ママと、ママの母上の間でも同じです)。一致できること、役割分担できること、共同作業できることなどです。一致できないことがある時こそ、夫婦げんか(親子げんか)じゃなくて、毎日、【お互いに「ありがとう」の気持ちを言葉で伝え合う姿】を子どもに見せてほしいなと思います。わが家を、わが子の安心基地として、揺るぎない場所にするためです。

おうちの方へ 36

「Yes ,We Can」と「We Can Change」は、オバマ大統領にまかせておいて、「Yes, I Can」と、家の中で、180°発想の転換ができるのは、親だけです。子どもにはできない発想の転換をできるのが、大人(すなわち親)の役割(すなわち子育て)だと思いましょう。『子育ては、「こころ育て」と、「親育ち」=「 I Can Change」』なのです。

おうちの方へ 37

晩ご飯のお手伝いを、その子にできそうなことでよいので、頼んで、いっしょに手伝ってもらい、親が子をほめてあげることって、【会話のできるお手伝い】のひとつですね。作る手伝い、配膳する手伝い、後かたづけの手伝い、どれでも親子いっしょにできます。いつもワンパターンとお思いでしょうが、
「ありがと」「ほんま、たすかったで」「たよりになるなぁ」「うれしかったで」
の親のひと言は、子どもの心にジンワリと深くしみわたります。

おうちの方へ 38

子どもがかわいく思えてくるのか、子どもがにくたらしく思えてくるのか、その分かれ道は、自分のしていることを【たなにあげる】か、【たなにあげない】か、ということです。たなにあげないで、子にわびる親はステキな親です。子どもにさびしい思いをさせているなぁ、と感じたら素直に
「ごめんね」
と言ってあげます。そんな親を子どもはバカになんかしません。親が自分のしていることを「たな」にあげたら、親の言うことを聞く子には育たないでしょう。そして
「困ってるで助けて」
と子どもに頼んで、先生にも負けないぐらい、『なんでもかんでもお手伝い大作戦』を実行しましょう。(可能なら毎日)風呂のお湯張り、風呂掃除、布団敷き、布団たたみ、洗濯物の取り入れ、洗濯物たたみなど、この子ならやれそうなことを頼んでみましょう。そして、しつこくてごめんなさい。
「ありがとな」「すごく助かったわ」「メッチャうれしい」
って、『ねぎらうこと→毎日心をこめて言う』のを続ける親の姿を、じっと見ている子の心には、ちっちゃな喜びが芽生えてきます。そして、子どもは少しずつ変わります、ゆっくりだけど、必ず、着実に!

おうちの方へ 39

あるおうちの例です。たとえば、勝手口の内側には、「定期、サイフ、携帯、生徒手帳」(小中学生用ではありません)と、はってあります。他の子らは、学校からもらってきた週予定・部活予定や給食だよりなどを、自分の見やすい所にはってます。私はそれぞれの子が学校からもらってきた保護者向けの大事そうな文書だけは、子ども別に、ひも付き洗濯バサミにはさんで、ぶら下げてあります。忘れるだろうことを前提にしていますので、みんなが見やすい所にあるスケジュール表を見る習慣が、今まで何度も危機一髪で助けてくれました。というわけで、台所のカレンダーには、家族全員のスケジュールがびっしりです。このおかげで、少なくとも
「明日は、みんなの予定はどうなっているのか」
を共有することができます。子どもが大きくなるに連れて、【一緒に夕食を共にすることができにくくなった】ことへの、ささやかな対抗手段というところでしょうか。

以上、おうちの方へ(前半)1~39でした。40~77は後半をご覧ください。出典等も後半の「おわりに」に書いてあります。後半の記事のアドレスは以下のとおりです。

学年通信(4~3月)【子育てワンポイント・アドバイス②】77文例集(後半40~77) | EDUPEDIA

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