国語の教材分析

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国語の教材研究について,紹介します。

題名分析

まず,題名分析です。題名が,なぜそのようになっているのかということを検討します。そのときに有効な思考技術が「比較」です。別の題名ではだめなのか,この言葉が他ではだめなのかということを比較検討するのです。すると,いろいろなことが分かってきます。

出来事(エピソード)分け

次に,出来事(エピソード)分けです。これは,教材によっては,場面を自ら分けているようなのもありますが,基本的に,出来事分けでは,「時」「場所」「人」が異なったところが,出来事が違うというように判断します。

そして,大切なことは,この出来事ごとに,簡単な文章でまとめるということです。1行以内の文章でまとめるのです。小見出しでもかまいません。出来事ごとにまとめていくのです。これが,次の主題分析につながっていきます。

主題分析

3つ目は主題分析です。主題というと,作者の意図や思想などが中心になってきます。しかし,その作者の意図や思想がきちんと文章化されているとは限りません。ですから,文章から読み取れることを中心に考察していきます。

その手がかりになるのが,出来事分けの要約なのです。出来事に共通していることを,見つけるようにします。それが,主題の一部「主材」になります。そして,それからどのようなことを解釈するかということ,それが主題の「主想」となります。分かりやすい例で説明すると,「赤穂浪士」という物語では,「仇討ち」が主材であり,主想はそれぞれが解釈することでいいのです。

視点分析

4つ目は視点分析です。視点は,どこから語り手が見ているかということになります。まずは,人称です。一人称は,語り手が「ぼく」や「わたし」など一人称であるときです。二人称は,日本の文学の場合ありません。三人称は,客観的に登場人物のことを語っていきます。その語りにおいても,登場人物のだれの心の中に入っているかによって,人称が異なってきます。だれか一人の登場人物の心情に入っているときは,「限定視点」です。全ての人物の心情に入っているときは,」全視点です。そして,だれの心情にも入っていないときは「客観視点」となります。

この視点論は,作品をイメージするのに重要です。どこから見ているかということで,場面の情景や登場人物の様子をリアルにイメージできるからです。

登場人物の分析

5つ目は登場人物の分析です。登場人物の行動や様子,心情はもちろん,その人柄や正確まで分析します。そのとき,次のような観点で分析します。

  • 自分のことをどう見ているか
  • 周囲のことをどう見ているか
  • 社会のことをどう見ているか
  • 周囲からどう見られているか
  • 語り手からどう見られている

単に行動,様子,心情を分析するよりは,これらの観点で分析する方が,より深く分析することができます。

レトリック分析

最後に,レトリック分析です。レトリックには,意味のレトリックと,構成のレトリックがあります。
意味の方では,言葉や叙述レベルの,反復・対比。比喩などを分析します。また,構成の方では,場面の反復・対比・さまざま構造を分析していくのです。

まとめ

以上のような分析を,今の時代ですから,パソコンやワープロで入力していきます。この入力するということが重要で,自分の考えをまとめていくことになります。人に見せなくても,自分の研修のプロセスとして重要なのです。

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