ゲゲゲの女房で「努力する心」を高める(坂本哲彦先生)

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目次

1 はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用・加筆させて頂いたものです。

坂本哲彦先生のホームページはこちらです。http://p.tl/a-TK-

2 この記事で紹介する実践

対象

小学校6年生

資料

『ゲゲゲの女房』武良布枝著 実業之日本社 2008年3月

「平成22年度前期のNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」は、漫画家の水木しげるさんの妻・武良布枝さんの同名の自伝を原案に、好きなことに命がけで打ち込む夫を支え、おおらかに朗らかに生きていくヒロインとその家族の、心温まる物語です。」(同書 帯から)

主題

 努力は人の心を打つ

ねらい

水木さんが絵を描く姿を見つめる妻布枝さんの気持ちを話し合うことを通して、一つのことに打ち込む人間の姿のすばらしさを感じ取り、より高い目標に向けて希望と勇気をもち、くじけないで努力しようとする心情を高める。

授業内容

小説『ゲゲゲの女房』の一部を使って、水木しげるさんと布枝さんの生きる姿を知ることで、心を豊かにする授業です。

学習過程

この実践で使われるページの概要

 pp.62-63:水木しげるさんが漫画を描き、努力する姿が描かれています。朝11時に起き夜中まで、ひたすら漫画を描いている水木さん。夏のある晩、夕食の用意ができたと声をかけに行った布枝さんは、それにも気づかず、片方の手で一生懸命に漫画を描いている水木さんの後ろ姿に立ちすくんでしまいます。

 p.64:水木さんの努力する姿を来る日も来る日も間近で見るうちに、尊敬するようになっていった布枝さん。「この人の努力は本物だ」ということを知っていることに、「誇り」のようなものまで持つようになっていきます。

 p.57:お金が足りなくなると、質屋にいろいろなものを持って行かなければ生活できない武良家の様子が描かれています。

 pp.72-73:当時、水木さんが仕事をしていたた貸本マンガの出版社業界の貧困の様子と、出版社に一生懸命努力して描いた漫画さえも貶められてしまう場面が描かれています。

 pp.129-133:講談社から講談社児童漫画賞を受賞する場面。布枝さんはpp62-63の場面を思い出し、ついに努力の日々が報われる時が来たことを実感したのです。この瞬間から水木さんには仕事が舞い込むようになり、人生の大逆転を果たしたのです。

3 編集後記

小説『ゲゲゲの女房』が、2010年上半期に朝の連続テレビ小説化されたのを覚えている方は多いと思います。そして、「ゲゲゲの鬼太郎」を知っている子どもたちもまだまだ多いのではないでしょうか。そのような、子どもたちにも身近な例を通して、努力することの素晴らしさを教える道徳の授業実践です。

この実践で用いる資料には、水木しげるさんの漫画に対する思いと、どんな逆境にもめげずに努力する姿が描かれています。この授業を通して、子どもたちも努力の素晴らしさを学び、頑張って努力しようという気持ちが生まれてくると思います。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)

4 実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。

自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com/

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