困った時の「I can change」
教室が授業中もざわつき落ち着きません。
子ども同士もギクシャクしています。
生活のルールを乱す子も増えてきました。
担任が情熱を持って、精一杯がんばっているのにです。
これは、砂浜や雪道でタイヤがスリップして、アクセルを踏めば踏むほどタイヤが空回りするのと似ています。
タイヤのスリップが学級の状況で、アクセルが担任の指導です。
ギアをバックに入れてみたり、やさしくアクセルをそっと踏んでみて、タイヤをゆっくり回すと、脱出できる場合が多いです。
ここには、アクセルを踏めば前進するはずだという常識からの、発想の転換があります。
子どもたちの甲斐性では、教室でそんな発想の転換はできません。
それをバッサリ「We Can Change」とできるのは、担任だけなのです。
大変だとお察ししますが、そんなの無理!と決めつけずに、私が試みた、ささやかな事例を参考にしていただければ幸いです。
しかる場面や制止する場面が増えてきた時は
「だめ」と言う声のトーンでがんがん指導するだけの、アクセル全開状態は、担任自身が疲労困ぱいになります。
教室で担任が無理なくできる発想の転換って、どうすればよいのでしょう。
それは、担任自身の姿勢を、『点検・追及から容認・支援へ』180度転換するしかありません。
【発想の転換その1】
担任(自分)の笑顔が減っていませんか。
朝の出会いが勝負です。
朝一番の担任が笑顔だと、子どもたちもホッとします。
その日、担任の笑顔が多いと、子どもたちの笑顔も増えます。
『教室に笑顔が広がる作戦』を練ってみましょう。
朝の会が多少延びたっていいじゃないですか。
心地よい時間と空間は、教室の空気をなごませ、ピリピリしている子どもの心から、トゲをぬきやすくしてくれるからです。
この担任を応援し支えるのが教職員集団です。
やれるのは二つ。
一つは、この教室の前は素通りせずに中を通り抜け、良い所を見つけて担任に伝えること。
もう一つは、放課後、担任と一緒に教室の掃き掃除をしてあげることを、毎日いろんな先生がすること。
子どもの変容を願うなら、担任自身が変わるお手本を
教師の姿が今までと同じなのに、子どもにだけ変容を求めることには、どうしても無理があります。
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かぬ」ですから。
【発想の転換その2】
子どもをほめるための声かけを、わざと増やしてみませんか。
授業中も休み時間も、掃除や給食の時も、バンバンお手伝いを命じて、その都度ほめる、という徹底的な『なんでもかんでもお手伝い作戦』です。
だんだん子どもがかわいく見えてきます。
職員室でも、全教職員に協力を求めましょう。
「自分のクラスの子が、些細なことでも良いことをしたのを見かけたら教えてください」
と他の先生方にもお願いして、B4の紙を八分の一に切っただけのメモ用紙を配ります。
「メモは職員室の私の机上にセロテープで貼っておいて下さるだけでありがたいです」
この先生方のメモも、担任が子どもをほめる材料になるのです。
「どうせ」と思っていた子どもにも、うれしいサプライズになります。
コメント