「三角形、四角形」の指導のポイント(はなまるサポート)

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目次

1 ◆概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧の実践を転載しています。
実践の続き(無料)をご覧になりたい方は最下部のURLからお願いします。
また、以下のURLから実践のPDFをダウンロードできます。

http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/11/2/plan.pdf

2 ◆はじめに

2年生の「三角形,四角形」の指導のポイントは、日常的な言葉「さんかく、しかく」と「三角形、四角形」が明確に区別できるようになることです。「さんかくおにぎり」はありますが「三角形おにぎり」はないのです。また,理解を助けるためには折る、かくなどの操作が助けになります。図形の指導は観念的に覚えさせるのではなく、操作活動を積極的に取り入れてみましょう。
(初等教育研究所 山﨑 憲)

3 ◆作る活動と仲間分けによる「定義」

・を打ち、直線で囲む活動の意味

多くの教科書では、動物の回りに・を打ち、それをできるだけ少ない直線で結んで動物を囲む作業を指示しています。

これには以下のような意味があります。

  1. できるだけ小さく囲むことにより三角形や四角形が出現しやすくなる。
  2. 直線で囲む作業を実際に行うことにより、定義を理解しやすくなる。

(いきなり図形を与えると「囲まれた」という意識が薄く分類からの定義がしにくい。)
3. むだなものを省く指導がしやすい。

指導の手順

手順は次の通りです。

  1. 点を直線で結んで動物たちを囲む。
  2. その際,できるだけ少ない本数で囲む,動物にかからないように点を選ぶ。
  3. 結んだ直線に沿って図形を切り取る。
  4. 切り取った図形を裏返して使う。
  5. 観点を決めて仲間分けする。(「ぼくは○○のなかまと××のなかまに分けました。」)
  6. 囲んだ直線の本数に着目して仲間分けする。
  7. 「3本の直線で囲まれた形を三角形」「4本の直線で囲まれた形を四角形」と定義し,名前を知る。
  8. 「さんかく、しかく」との区別を明確にする。

この一連の手順の中で気をつけたいことは、分類整理の段階での「捨象」と「抽象」ということです。色々な観点での仲間分けがあるのですから、子どもたちに自由に分類させると思いもよらない視点で発表する子どもがいます。それはそれで価値あることなのですが、例えば、今回の場合は辺の数に着目して図形を定義したいのですから、色や大きさ、動物の種類などは観点にしたくないものです。そこで「色々な考え方で仲間分けできましたね。今回は囲んだ直線の数に目をつけて仲間分けしてみましょう。」と発問します。つまり「色や大きさ、動物の種類などを捨象」し、「囲んだ直線の本数を抽象」するのです。

また、(8)の観点が大切で、これまで全てをさんかく、しかくなどと指摘してきた図形を、「三角形」「四角形」と明確に区別することがこの単元の大きな目的です。

4 ◆定義に従って三角形,四角形を判定

上に述べたように、三角形、四角形を定義し、これまでに触れてきたいろいろな形から弁別することが大切です。そこで、

・3本の直線でかこまれた形を三角形といいます。

・4本の直線でかこまれた形を四角形と言います。

という定義を深化させるために数のような課題を示し、三角形、四角形を判定する課題が与えられる例が多いのです。

これらには、次のような図形も加えておき、判別の観点を指導しやすくしておきます。
 
②⑨…閉じていない
 
③⑥…角がまるい
 
④⑪…直線でないところがある
 
⑩…とびだしているからどこが図形なのかはっきりしない
 
⑧⑫…多くの直線でかこまれている

特に⑩については、どこの部分が四角形なのか、それをはっきりさせる指導が必要です。

実践の続き

この後、⑩のどの部分が四角形かを明確化するための指導があります。定義に従って三角形、四角形を判定したのちに、実際の操作を通して定義を深化させる指導があります。さらに、この単元の中で定義する「直角」「長方形」「正方形」についての指導も紹介されております。
この実践の続きは、以下のURLよりご覧になれます。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/11/2/1.php

5 実践者紹介

山﨑憲
元東京都算数教育研究会会長。
「小学校時代から現在までで,今が最も算数がすき」と,小学校退職後も算数教育に没頭し,現職時代に引き続き年に数回研究授業も試みている。
現在東京学芸大学講師として初等算数科教育法を担当。
またボランティアとして東村山市算数教室を開催し算数好きの子どもの育成を目指している。

6 サービス紹介

同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしたり、不明点や疑問点などを無料で相談できたりします。
 http://www.djn.co.jp/support/
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤睦)

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