1 はじめに
ここでは、社会科の学習で大切な「観察・資料活用の技能」。特に、地球儀、地図帳を読み解く技能を学びます。このような学習は、楽しく学ばねば、覚えること中心のつまらない学習に陥りがちです。
また、地球儀の扱いに戸惑うかもしれません。そうならないようにするため、これから教え方のヒントを紹介していきます。
2 指導法概要
ここからは、以下の順番で教え方のヒントを解説していきます。
1. 学習指導要領の内容と解説
2. 地球儀と地図帳を使った活動の紹介
3. 世界の国々を紹介する活動
それでは、1.から順に見ていきましょう。
1. 学習指導要領の内容がしめすもの
下記は、学習指導要領 5年内容(1)です。
我が国の国土の自然などの様子について、「次のこと」を「地図や地球儀、資料などを活用して調べ」、国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。
地図や地球儀、資料などを活用して調べ とは、「ここでの学習の仕方を示している。ここでは、地図帳や地球儀、統計などの各種の資料、立体模型などを活用して学習を進めるようにする。世界の主な大陸と海洋、主な国の名称と位置、我が国の位置と領土、国旗、国土の地形や気候の概要について地図帳や地球儀、統計資料などを活用して調べることが考えられる。」(学習指導要領解説社会編より)
つまり、スタートの小単元では、以下の①の内容について、地図や地球儀、統計資料などを活用して調べてくださいと示しています。
2.地球儀と地図帳で世界を見よう!
5年生の社会の学習のスタートの時間は、5年生の最初の単元「わたしたちの国土」のオリエンテーションの時間に当たります。そこでは、地球儀が読める技能を学ばせます。今まで親しんできた地図帳と比較しながら学んでいくと、それぞれの特性の違いが分かり、今後の調べ学習に役立ちます。では、活動例を紹介していきます。
① 宇宙から見た地球の写真を見せ、5年生の社会の学習は、世界にまで広がることを伝える。
② 地球儀を見て気付いたことを発表する。
③ 地球のどんな場所も経線と緯線で言える(表せる)ことを知る。
④ 地球物差しを作る。
こうすることで、児童はおもしろがってどんどん測るでしょう。どこからどこまで○㎞と、5か所ぐらい記録させると慣れると思います。
その際、経線に対して、垂直に右に伸びる方向が東で、垂直に左に伸びる方向が西であることも教えましょう。
⑤ 地球儀と地図帳を比べそれぞれの特性を知る。
これまでは、”地球儀と地図帳を比べながら、それぞれの特性に気づかせることがねらいです。調べる目的によって地球儀と地図帳のどちらが便利か、どちらがより正しく調べられるかを課題によって選択できるように児童を導きましょう。
※③④⑤で使った資料は、教育同人社5年社会科資料集にあるものです。
3.世界の国々を紹介しよう!
ここから先は、
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はなまるサポートへ
以下URL
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2013/3/4/3.php
3 指導者プロフィール
初等教育研究所
加藤 良子
元公立小学校教諭、23年3月末で退職。
38年間に4区5校で勤務する。各区で社会科部に所属。地域教材を開発して、各学校で実践してきた。
趣味は、江戸の歴史や文化に親しむこと。月に数回、江戸東京博物館で展示ガイドボランティアをしている。
4 編集後記
4年生まで親しんだ地図帳の先にある地球儀の使用に関する指導法でした。
地球儀という小道具は児童を惹きつけるものであるのと同時に先生が扱い慣れていなければ、逆に授業運営を難しくするものだと思います。
その点で加藤先生の指導法は、地球物差しを児童に作らせるなどの作業したり、地球儀と地図帳それぞれの良い点を発表させるなど、児童を飽きさせない工夫で満載でした。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 岸 剛志)
5 サービス紹介
同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしたり、不明点や疑問点などを無料で相談できたりします。
http://www.djn.co.jp/support/
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