デジタルネイティブへの教育

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作成者: 永野 直さん

情報社会の子どもたちへの教育に必要なこと

現代の生徒たちは生まれながらにICTが身近に存在しており,そのような世代をデジタルネイティブと呼ぶ。今後もデジタル機器と関わり続けることになる彼らへの教育にとって,大切だと思われる観点を挙げる。

①主体的な学びと創造性を取り入れること

高度情報社会,グローバル社会,知識基盤社会など,激しい社会の変化に伴い,未知の難題も生まれ続けている。教員による体系的な,既存の知識を積み重ねるだけではなく,新しい何かを創造したり,一つに絞れない解答から最適解を見つけたり,他者と協力し合って問題解決にあたるなど,「教わる」だけでなく自ら「学ぶ」姿勢を持たせなければならない。様々な教科で,調べたり,まとめたり,作ったり,発表したりする活動の中で,ICT機器は大きな武器となる。信頼性のある情報をどう見つけるか,データをどのように処理して分析するか,他者にわかりやすく伝えるためにはどのような工夫が必要か,等を考えていく中で,情報の取り扱い方を実践的に学ぶ必要がある。このような学習活動の中で,情報の信ぴょう性や著作権,肖像権等について教科「情報」の内容と関連付けて扱うと効果的である。

②危険性を「べからず集」で教えない。

学校が一方的に禁止事項を増やしても,問題を防ぐことにはあまり効果的ではないだろう。むしろ「ICTの望ましい使い方」について生徒自身に考えさせることが有効である。皆が幸せにICTの恩恵を享受するためには,それを妨げる要因,問題点を考えることにもつながる。意味が分からず禁止されるよりも,「生活や職業,学習に,人々が楽しく有益にICTを使うにはどうしたらよいか,人々が困ったり,傷ついたり,傷つけたりしないためには,何をしてはいけないのか。」等,生徒自身に考えさせ,気付かせることが望ましい。

社会ではソーシャルネットワーキングサービスやクラウドサービスが不可欠なものになってきている。娯楽用途だけでなく,業務や研究,生涯学習等での有効な活用例を紹介し,実際に授業でも用いることで,ICTと社会の関連性に気付かせることもできる。

③未来の子どもたちのために

これまでも,そしてこれからも新たな技術,サービスは生まれ続けていくであろう。このような新しく広まりつつあるサービスに対して,ネガティブな事案が強調されて報道されている傾向がある。これまでに無かった新たな技術が,これまでにない新たな問題を生むのは必然といえる。自動車事故は,車が発明される以前には存在しなかった事と同様である。自動車など無ければ事故は起きなかった,と言っても解決には至らない。重要なのは問題を防いだり最小にしたりする対処法を模索し,実行することである。車で言えば,運転のルール,マナー,危険性を知り,事故に遭わない,そして起こさないという意識と技術を身につけることにあたる。

ICTも同じで,恩恵を受けつつ,不幸な事態を起こさないために,ある程度の知識と技術を身につけて利用しなければならない。ただ,車と違って教習所がなく,親世代も情報の授業を受けていないため,特に意識の高い一部を除いて家庭で情報モラルや情報教育が行われていることは少ない。これらを担う唯一の場が学校であるのが現状であるが,家庭での状況まではなかなか目が届かない。ICTの利用に関して,家庭と学校がより連携を強化して見守る環境が不可欠となるだろう。

情報教育によって,生徒たちが正しい判断ができるようになれば,いずれ彼らが親となった時,交通ルールと同じように家庭内において自然にICT利用の注意点を子どもに教えられるようになるだろう。情報教育は,今の子どもたちだけでなく,未来の子どもたちにとっても重要なのである。

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