今考える五つの教師力(中條佳記先生)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

巷で言われる教師力って具体的にはどういう能力を指して言うんでしょうか。ユーモア、説得力、授業力…ぼんやりとは浮かびますが、どれもあればいいけれど何が大切かと言われると難しいところです。今回は教育サークルMY KOHAN奈良事務局、そしてお笑い教師同盟に所属する中條佳記先生に、ご自身が考える教師力についてお話を伺ってきました。わかりやすく五点に集約して話してくださいました。躍動感ある授業を、動画も合わせてお楽しみください。

2 不動心と繊細さ

一つ目はどんな時も大胆かつ繊細に、楽しみながら自分のキャパシティーを広げていく力です。心に余裕があれば大抵のことは笑って受け入れられます。授業中に落ち着きのない子が突然前に走って出てきても、いきなり叱りつけるのではなく、まずは理由を聞いてみる。たいていの行動には理由があるもので、思いがけず和まされることもあるのです。冷静に、大きく構え、多少の想定外では動揺しない。同時に細やかな心を持って子どもの気持ちを読み取り、受け入れる。これが一つ目のポイントです。

3 調整する力

二つ目は、自分の中で折り合いをつける力という意味での調整する力です。ぶれない信念・哲学を持つことも、もちろん大切ですが、それに拘泥すればただの度量の狭い教師になってしまいます。こだわりを手放して、臨機応変に指導をする思い切りが必要になることが必ずあります。自分の望むやり方と、子どもに力がつくやり方とが違う時などはその典型です。そのことを理解した上で、ひとりよがりになりすぎていないか、日頃の自分を省みてみましょう。

4 強さと弱さ

三つ目の強さと弱さは、強引さと謙虚さ、リーダーシップと素直さ、などと言い換えることができます。何と言っても、ある学級の担任は一人です。すぐにうまくいかなったから、他の先生からの指摘があったからと、一旦決めた方針を簡単に変えるべきではありません。子どもたちも混乱してしまいます。しかし具体的な不満が出たり、合理的に考えて自分が間違っていたと感じたりすれば、それは宣言・説明をした上で正す必要があります。そういう時には子ども相手でもしっかりと謝りましょう。

5 笑いとユーモア

四つ目の笑いとユーモアですが、教室におけるこれらには、センスというより人間性が求められると思います。例えば私のクラスでM-1グランプリのパロディーをやった時には、かぶりものをして先頭に立って楽しみました。ある子が虫を捕まえてきてみんなに紹介した後にカマキリといっしょにかごに入れていて食べられてしまったこともありました。この時も子どもたちは大ウケでしたが、これはブラックユーモアに近いものです。このような風刺や皮肉、からかいを含んだ、今のテレビバラエティで中心的な攻撃的ユーモアも節度のあるものならいいですが、基本的に教室の笑いはだじゃれや日常のドタバタなどの、メッセージ性は薄くとも、他愛のないものが望ましいと感じます。なんと言っても教師も児童もみんなで笑えるハッピーな教室が理想です。

6 ネットワークと授業

最後の五つ目は、教員間のネットワークと、最も大切な授業についてです。仲間を大切にしましょう。職場内はもちろんですが、今は職場外でも教員サークルがあります。苦しい時こそ、共感し、助け合えるネットワークに救われます。そして、授業で前に立つ先生としての個は強く持っておきましょう。私なりの工夫としては、本物のシカの角や、戦国時代の幟(のぼり)の模造品、生徒の声が出づらい時に使う声量計、パワーポイントを用いた動きのある授業などがあります。多少の出費で子どもたちを引き付ける授業ができるなら安いものです。

7 編集後記

教師という仕事は楽しい、と自信を持っておっしゃる中條先生は、とてもパワフルでいきいきとして見えました。小学生からはずいぶん離れた私たちでも、最初から最後までつい笑ってしまったり思わずうなずきながら聞いたりと引き付けられ通しで、中條先生が幅広い知識を持って各教科を教えておられることを強く感じました。西郷隆盛の愛犬の名前や、大久保利通の尊敬する人物を、みなさんはご存知ですか?

8 指導者プロフィール

中條佳記(なかじょうよしのり)先生。奈良県の小学校教諭。教育サークル「MY KOHAN」奈良事務局、教室を笑いであふれさせることを旨とする「お笑い教師同盟」の一員で、教員間のネットワークづくりに努めている。関西を中心に教員向けセミナーを主催する傍ら、自らも講演者として壇上に立つ。
お笑い教師同盟HP http://owarai-kyousi.com/
※会の目的に賛同し、教育に関心があれば、職種を問わず無料で入会できます。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 横光明子)

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