歴史の舞台でのもう一つの出来事ー関連することを知り、児童の興味・関心をより高めようー(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。
実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。
また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。
添付ファイル

2 はじめに

皆さんの学校の授業での思い出に、本筋の話ではなく、先生の話してくださった横道にそれた話、人物や事柄にまつわるエピソードが面白かったという経験はありませんか。私は、真面目な話しぶりの先生が、教科書にはない話をちょこっと話す、そんな時がとても楽しみで、ノートの余白にその内容をよくメモしていました。なんだか今でも、本筋より横道にそれた話の方が覚えているような気がします。先生が教科書に書いてあることだけを説明するなら、本や参考書とほとんど変わりなく、「覚えることばかり多い社会はきらい」という結果にならないとも限りません。

今回は、6年生の先生が知っておくとちょっと参考になりそうなこと「歴史の舞台でのもう一つの出来事」を2つ紹介したいと思います。

3 内容

(1)歴史の舞台でのもう一つの出来事、その1

「関ヶ原の戦い」誰もが知っている日本の歴史の出来事です。6年生の教科書にも「天下分け目の戦い」に勝った徳川家康が全国支配を確かなものにしたと書かれ、必ず教える内容です。戦いの年号もちょうど1600年ととても覚えやすい年号です。社会科資料集には、合戦の絵巻が紹介されています。

この天下分け目の戦いが行われた同じ関ヶ原で、その約900年前、日本古代史上最大の天下分け目の戦いの火ぶたが落とされたのです。672年の「壬申の乱」です。

「壬申の乱」・・・? なんか日本史の教科書に出ていたような・・・。受験の時は覚えたけど何だっけ? ということはありませんか。私が初めて6年生を受け持った夏休み、たまたま岐阜方面を旅行し、何か役に立つかもしれないと立ち寄った関ヶ原の資料館でとても驚きました。「ここでは二度の大きな戦いがあり・・・」と壬申の乱の解説や絵図等があったのです。壬申の乱という奈良時代以前の戦いの名前は知っていても、この関ヶ原が重要な戦いの舞台だったことを初めて知ったのです。日本のこの場所で、だだっ広いたんなる原っぱのようなこの場所で、歴史の転換点になったような戦いが二度もあったのかと強く印象に残りました。

その後、壬申の乱をもう一度調べてみました。天智天皇の弟の大海人皇子(後の天武天皇)と天智天皇の息子の大友皇子の王位継承の戦いです。6年生に教える内容にはなっていませんが、天智天皇は中大兄皇子の名前で6年生には親しみやすい人物です。6年生に関ヶ原の戦いについて教えるときは、壬申の乱の舞台であったことを話そうと思いました。関ヶ原を訪ねた後、新聞、ニュース等で関ヶ原という地名が気になるようになりました。一番多く聞いたのは、「関ヶ原が大雪で・・・」という気象のニュースの時です。関ヶ原は、歴史だけではなく、地形的にも何か特徴があると思い、地図で調べてみると、北と南は山地で、岐阜方面から琵琶湖方面に細く平地になっています。だから昔から交通の要所で、今も東海道新幹線、名神高速道路が通っているのだと納得しました。つまり、近江、京、大阪方面に行くには関ヶ原の地を通らざるを得ないのです。地形と歴史的な出来事とは密接に関連しているのだと初めて実感した出来事でもありました。

(2)歴史の舞台でのもう一つの出来事、その2


明治時代、不平等条約の改正に向けて日本の世論が沸騰した事件です。フランス人のビゴーが描いたイラストが教科書や社会科資料集に載っています。

この事件があった場所は、和歌山県串本町の大島沖です。6年生は学習したばかりでしょうか。

この同じ場所で、明治23年(1890年)にトルコの軍艦エルトゥールル号が沈没しました。ノルマントン号事件のたった4年後です。この時、大島の人々は心を尽くして、遭難した人々の救助に当たったということです。その日本人の親切な行為が、トルコの教科書に紹介されたり、約100年後の1985年、イランイラク戦争の時にトルコ航空のパイロットが日本人を救う決断につながったりしました。今では、6年生の教科書(東京書籍版)でも紹介されていますが、私が詳しく知ったのは、数年前友人から借りた本を読んでからです。イランイラク戦争の時、日本の商社の駐在員とその家族を救ったトルコ航空のパイロットの話はNHKの番組で見たことがありますが、すべてが結びついたのは数年前のことです。こんな素晴らしい話はぜひ子どもたちに伝えたいと思いました。

ノルマントン号事件を学習するときには、必ず地図帳で場所を調べると思います。小学生の地図帳(帝国書院編集部編)には、ノルマントン号事件と並んでエルトゥールル号の遭難と歴史の出来事が記入されています。

エルトゥールル号の遭難については、インターネットで簡単に調べられます。少し詳しく調べ、教科書で紹介されているより感動的に伝えてあげられるとよいと思います。道徳で取り上げてもよいと思います。

4 実践の続き

続きは以下のURLをご覧ください。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/11/4/4.php

5 実践者紹介

加藤良子
元公立小学校教諭、23年3月末で退職。
38年間に4区5校で勤務する。各区で社会科部に所属。地域教材を開発して、各学校で実践してきた。
趣味は、江戸の歴史や文化に親しむこと。月に数回、江戸東京博物館で展示ガイドボランティアをしている。

6 サービス紹介

教育同人社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしています。また、不明点や疑問点などを無料で相談できます。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 川原悠成)

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