「がい数」の指導 ~四捨五入の意味は?~ <「形式」と「意味」>(はなまるサポート)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。
実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。
また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/5/2/plan.pdf

2 概数指導のポイント

(1) 概数の意味

「およその数」のことを「概数」と言いますが、「およその数」という言い方は算数用語ではありません。また、およその数を概数で表す際には「約」をつけるのです。したがって「およそ8万人のことを、約8万人という。」ということになります。

(2) どんな力をつけるか

概数の指導では、ややもすると「万の位まで求めなさい」「千の位までの概数で求めなさい」など、求める位を指示した問題のみ扱うことが多くなり、それがねらいだと思われがちです。つまり、数を指示通りに丸めることに重点を置きかねないのです。

概数を求める指導では、問題に対処したとき、その問題場面で概数を使うねらいを考え、それをもとにどのような概数にしたらよいかを考えようとする態度や、このように考えることが出来る能力を養うことが大切なのです。例えば旅行の積立などです。全体でどれぐらい積立が必要か、それは個々では毎月どれぐらい積み立てることになるのか、また積み立てた方がよいのか等々このような場面設定の上で概数で表すことのよさを味わわせていくのです。

(3) 小数の概数も

概数の指導というと、ほとんどの場合大きな数量を処理する場面を想定します。しかし、概数のよさは、大きな数のみならず小数でも分数でも味わうことが出来るし、そのような指導が大切です。「大きな数」のみを扱う傾向に留意して子どもたちの見方を広げましょう。

3 四捨五入指導のポイント

学習指導要領の扱いでは、「四捨五入」が大きく取り上げられます。したがって教科書の扱いも、そのほとんどの教科書が「四捨五入」のみを定義しています。(ごく一部の教科書では「切り上げる」、「切り捨てる」も定義しています。)これは、四捨五入の仕方を扱う上で、約束に従って「切り上げたり」「切り下げたり」するのだからあえて用語として取り上げなくてよいという考えからでしょう。また、「この場合は四捨五入、この場合は切り上げ…」などのように、「意味理解」が不十分なままの「形式的な仕方」のみを教える事への危惧からとも言えます。

しかし、目的に応じて数値を「丸める」という考え方を徹底し、その手法として「四捨五入」と、「切り上げる」、「切り捨てる」があると考えるなら3つともしっかり指導すべきかなと、個人的には考えます。なぜなら「その目的に合った一番近い数にする」ということだからです。

(1) 四捨五入

ある位、たとえば「万の位までの概数」にしようというとき、何万という数のうちで一番近い数(何万)にするということです。下の数直線のように、264965 は27 万よりも26万に近く、269347 は27 万に近いのです。そうなると例えば265000 はどちらに近いかと言うことになります。そこで「ちょうど真ん中の数は切り上げて表す」という約束にするのです。

「四捨五入」なので文字の上から「4以下は捨て、5以上は入れる」という考えから、では「4と5の間はどうするのか」と言うことになります。そこで「以上」「以下」「未満」を指導します。この「未満」がなかなか子どもたちには理解できないようです。数直線に数の連続している様子を表したり、「未満」という言葉の便利さを味わわせて積極的に使わせる必要があります。

(2) 切り上げる

ある位、たとえば「万の位までの概数」にしようというとき、何万という数のうちで一番近い数(何万)にするということです。下の数直線のように、264965 は27 万よりも26万に近く、269347 は27 万に近いのです。そうなると例えば265000 はどちらに近いかと言うことになります。そこで「ちょうど真ん中の数は切り上げて表す」という約束にするのです。

も「それ以上の何万」ですから27 万に切り上げるわけです。

(3) 切り捨てる

ある位、たとえば「万の位までの概数」にしようというとき、先ほどとは逆にそれ以下の何万という数のうちで一番近い数(何万)にするということです。この例の場合は、

264965 も269347 も「それ以下の何万」ですから26 万に切り下げるわけです。

四捨五入指導の留意点

(1) どれを用いるか判断する

用いる場に応じて,3つの処理の仕方のどれを用いたらよいかを,自主的に判断できるようにすることが最も重要です。

①切り上げた方がよいときの場面例
 買い物の場面旅行費用準備など

②切り捨てた方がよいときの場面例
 予算の収入合計金額を決まった額よりちょっと多くしたいとき

③四捨五入が適当なときの例
 これは例示する必要が無いほどたくさんあります。測定では最小単位まで表し、あとは「四捨五入」せざるを得ないことを経験させましょう。

(2) 意味の指導を

形式的に指導すると次のような場合に誤りが指摘できにくい事になってしまいます。

例:誤った形式的定義
 「46 万と47 万の間の数で,千の位の数字が5,6,7,8,9 のときは47 万として,4,3,2,1 のときは46 万とする。このような仕方を四捨五入という。」
      ↓
 「324988 を四捨五入して万の位まで求めるのに,9 を四捨五入して325000とし,これを四捨五入して330000 とする。」

このように考える児童は結構多いものです。子どもたちがこれを「間違い」として指摘したり、納得できる説明ができるでしょうか。定義はくれぐれも慎重にすべきです。もう一度前述の定義に戻って指導しましょう。

実践の続き

続きは以下のURLよりご覧下さい。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/5/2/1.php

4 実践者紹介

山﨑 憲
元東京都算数教育研究会会長。
「小学校時代から現在までで,今が最も算数がすき」と,小学校退職後も算数教育に没頭し,現職時代に引き続き年に数回研究授業も試みている。
現在東京学芸大学講師として初等算数科教育法を担当。
またボランティアとして東村山市算数教室を開催し算数好きの子どもの育成を目指している。

5 サービス紹介

教育同人社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしています。また、不明点や疑問点などを無料で相談できます。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 阿部由和)

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