1 概要
この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。
実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。
また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。
添付ファイル
2 導入
よい板書とは、授業が終わった後に見ると、45分の授業の指導過程が良く分かり、授業の様子や児童の声が聞こえてくるほどである。「課題」と「まとめ」が対応して書かれ、どんな方法で、課題を解決したのか、また、導入→展開→まとめのどの段階でどんな力を付けたかが分かるのである。そして、どこで感動したのかが見え、集団思考の流れも見え、叙述(キーワードやキーセンテンス)がちりばめて書かれており、考えの根拠まで見えてくるのである。
よい板書にするには、授業の始まりまでに、板書の計画を立てておくことはもちろんである。そのためには、綿密な教材研究をすることが必須条件である。この単元で付ける力(指導事項)を確定し、どんな言語活動で力を付けるのか、どの叙述を大事にし、どの叙述を中心に考えさせるのか、発問や学習形態を考えて、どんな板書にするかの計画を立てるのである。また、カードや文字や挿絵・資料などを工夫し、メリハリがあり絵になる板書を工夫したいものである。
ところが、一生懸命板書計画を立てたので、計画通り几帳面に板書を書き進める授業に出合うことがある。学習をしている児童の様子は、そっちのけである。児童の発言や学習の様子で、計画をふくらませることがとても大事である。児童の思考の流れを焦点化し、児童の表現を大事にしたいものである。
教材研究の後、指導計画を立て、発問を考える。そして、板書計画を立てる。綿密な教材研究をすればよい板書になるのである。一時間の授業でどんな指導をして、どんな力を付けたかが板書を見れば分かるのである。導入→展開→まとめで、それぞれの段階でどんな力をどのような方法で付けたのかが分かる板書がよい。思いつきで板書をしないで、授業の前には、きちんと板書計画を立てることが大事である。
授業後、板書を模造紙に写し、学習の成果として教室掲示用の資料を作成し掲示すると、学習の流れや前時と次時の学習の関係などが一目瞭然となり良い資料となる。
3 (1)よい板書にするための7つのポイント
- 教材研究をした後、学習の始まる前に板書計画を立てること。
- 「課題」と「まとめ」を対応させること。
- 板書計画の上で、子どもの発言を生かし、思考を焦点化させること。
- 語や文、文章の羅列ではなく、線で結び構造的にまとまりのある板書であること。
- 語や文、文章や児童の発言、知識・技能に関わる内容などが、整然とし、文字の大きさ・太さ・囲み文字など、また、紙の色や色チョークの活用で美しくメリハリを付けること。
- ノートに写す板書ではなく、児童が工夫できる余地のある板書にし、前時や次時の学習につなげること。
- 黒板はいつもきれいにすること。
4 (2)板書例 4年 「ごんぎつね」
次に、ワークシートの拡大図を利用した板書の実際を載せる。赤書きは、注意書きである。
- 吹き出しや最後の感想や考えは、児童の発表からキーワードなどを書き、発表を価値付けるようにする。
- 板書は、文章構造図を切り取って書き、児童の発言を付け加えて、学級の児童の発表で作り上げるようにする。
- 語や文などは、色チョークや太さや大きさを工夫してほしい。□で囲ったり、カードや挿絵など、自分なりの工夫をするとよい。
- 吹き出しの色も工夫するとよい。
実践の続き
板書例の続きは、こちらから。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2011/11/1/1.php
上記のサイトに載っている最後のページの意味構造図・文章構造図は教材研究である。この作品のクライマックス場面でのワークシートの拡大図を板書に利用したものである。教材研究での文章構造図と板書を見比べてほしい。
5 実践者紹介
福本菊江
「美しい日本語を話す日本人の育成」を目指して、国語教育に携わってきた。
「授業は教師の命である」の信念のもと、理論と実践の統一を目指している。
東京都小学校国語研究会や全国小学校国語研究会で、全国の先生方と継続的に研究を続けている。
殊に、音声言語の指導の重要性を強調している。
現在は、初等教育研究所で国語科の担当である。
6 サービス紹介
同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしたり、不明点や疑問点などを無料で相談できたりします。
http://www.djn.co.jp/support/
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)
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