「柱体の体積」の指導~既習事項を活用した類推の仕方~②(はなまるサポート)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1.1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。

実践の続き(無料)は下部のURLからご覧ください。

また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。

添付ファイル

▽前回の記事はこちら

「柱体の体積」の指導~既習事項を活用した類推の仕方~①(はなまるサポート)  http://edupedia.jp/entries/show/1578

1.2 3、指導の実際

前回は、どのような既習事項をどのように活かすかをおさえました。それを踏ま
えて指導を展開します。

(1) 三角柱の体積がどのようになりそうか、見通しを立てる。

前時で四角柱の体積が底面積×高さだということを学習している子どもたちの中には、三角柱も三角柱の体積=底面積×高さになるのではないかと類推する子どもたちがいます。これはとてもよいことです。この類推はやがて円柱にも、多角柱にも発展します。そこで、どうしてそのようになるのか、つまり、三角柱の体積=底面積×高さが成り立つ理由を考えさせるのです。

(2) 四角柱の場合と同じように、高さ1cmの三角柱の体積が分かればその高さ倍になる。

また、高さ1cmの体積が底面積と同じになればよいと考えます。

(3) 三角柱を、これと等積な四角柱に変形できないかと考える。または、2倍して四角柱にできないか、面積の倍積変形を元にして考える。

等積変形して、習った四角柱に変えます。すると、底面積は三角形の面積だということがわかります。

1.3 4、指導上の留意点

(1) 底面が直角三角形になった三角柱を扱う例

底面が直角三角形になった三角柱を扱う例が多いです。これは、倍積変形に目が行き、「四角柱の半分だ」ということに容易に気づくからだと思います。そして、次のような展開をしていきます。

''三角柱は、四角柱の半分だ。

だから四角柱=底面積×高さだから三角柱は四角柱÷2だ。

だから三角柱は(四角柱の底面積)×高さ÷2だ。

だからたて×よこ×高さ÷2だ。

これは、たて×よこ÷2×高さに式変形してもよい。

するとこれは三角形の面積×高さだ。

だから三角柱の体積=底面積×高さになる。''

この展開には注意が必要なので述べておきます。

①三角柱を底面が特別な三角形(直角三角形)のみ扱って、三角柱の公式を一般化してしまいがちです。

一般の三角形も扱う必要があります。

②この式変形が子どもたちにはなかなか納得できないのです。

図などと対比して、ゆっくり、注意深く説明しないと理解できない子どもが多いことを認識しましょう。

(2) 思考が逆転する働きかけの危険性

「四角柱」から「三角柱」が考えられないかと子どもたちに働きかけてしまうことがあります。

これは、四角柱を既習事項にして考えようという意図でしょうが、実際には、四角柱÷2=三角柱という展開になってしまいます。これは、考え方としては逆のはずです。面積の求積の場面で考えてみましょう。長方形の公式ができたときに,「このことから三角形の面積はどうしたらいいか、わかりませんか?」という指導をするでしょうか。あくまでも、面積を求める対象を「習った形に変形して」求めるのが既習事項を用いる学習の流れです。

柱体の求積の場合も、この時間で考える対象は「三角柱」です。従って三角柱の等積変形、倍積変形へと進むのが自然でしょう。

(3) 公式適用への注力化

柱体の求積公式のみが重要だと考え、公式の適用のみを指導の重点にしてしまう傾向があります。

教材のよさを十分に活かしましょう。この場合は平面図形の求積や前時までの学習から類推的な考え方をすることや、既習事項を活かして底面積×高さでよいことを証明しようとする演繹的な考え方などの数学的な考え方を身につけたり価値づけたりする機会となります。ぜひとも活かすようにしたいものです。

1.4 5、おわりに

今回は、「角柱の体積」を取り上げてみました。ポイントは既習事項を如何に活用するかです。既習事項は、知識・理解のみではありません。考え方やアイディアが既習事項として活かされることが重要です。だからこそ6年生の学習としてふさわしいのかもしれませんね。

子どもたちの考え方も多種多様です。皆さんの実践の結果や質問などをいただき、お互いに更によりよい指導方法を開発していきましょう。

(初等教育研究所 山崎憲)

1.5 実践者紹介

山﨑 憲
元東京都算数教育研究会会長。
「小学校時代から現在までで,今が最も算数がすき」と,小学校退職後も算数教育に没頭し,現職時代に引き続き年に数回研究授業も試みている。
現在東京学芸大学講師として初等算数科教育法を担当。
またボランティアとして東村山市算数教室を開催し算数好きの子どもの育成を目指している。
== サービス紹介
同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説しています。また、不明点や疑問点などを無料で相談を受け付けています。

http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤 睦)

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