2学期の教材研究をゆっくりと…(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧の実践(2012年8月号)を転載しています。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/8/3/1.php
実践の続き(無料)をご覧になりたい方は最下部のURLからお願いします。
また、以下のURLから実践がPDFでダウンロードできます。
添付ファイル

2 はじめに

本記事は、小学3~6年生の2学期授業の教材研究について書かれています。
それぞれの単元は以下の通りです。

  • 3年生:「いろいろな昆虫、昆虫のなかまをさがそう」
  • 4年生:「月や星」
  • 5年生:「天気の変化」
  • 6年生:「水溶液の性質」

3 3年「いろいろな昆虫、昆虫のなかまをさがそう」

B区分:生物の構造と機能・生物の多様性と共通性・生物と環境とのかかわり

この単元は、春の自然と比べるというのが指導のポイントです。

自然観察の中で見られる昆虫たちを取り上げ、飼育したモンシロチョウやカイコとの形態の違いを比べさせましょう。

秋(夏の終わり)の自然の観察

  1. 観点を明確にして観察させましょう春~夏の観察結果と比べ、気付いたことをまとめましょう。
  2. 観察カードをもとに観点別に分類し、身近な自然や生物がどのように変わってきたか整理させましょう特に昆虫、そして昆虫と植物との関係(えさ、すみかなど)に視点を置いてみましょう。
  3. 共通性として、
  • 昆虫の体の作りは同じこと
  • 卵から成虫になるまで体の形を変えて(変態)いくこと
  • 体の形を変えていく要因は、周囲の環境との関わり方の違いであること

をおさえていくといいですね。

4 4年「月や星」

B区分:地球の周辺(月の形と動き、星の明るさ、星の動き)

さて、始業式の日ではありますが、1日(木)の月の出は8時37分。式が終わって教室へ入る前、東の空が見える校庭のどこかに集めて月を観察させてください。
そのときの太陽の位置も確認させてみましょう。
この事象提示を2学期の始まりとするのはいかがでしょうか。

月の出る時間はだんだん遅くなり、6日(火)には13時59分になってしまいます。ですから、この期間の子供たちの学校滞在時間にぜひ、観察の仕方を十分体験させましょう。月も上弦の月(三日月から半月へ)で、常に太陽の東側に月が位置する良い条件です。

観察の仕方を十分教えておいて(3年生の太陽の動きの観察を復習してもいいです)、翌週12日(月)(月の出の時間17時29分)からの満月の観察に備えさせましょう。


5 5年「天気の変化」

B区分:地球(地球の表面)

早速、観察を始めましょう。
天気の変化を雲と関係付けてていねいに調べていく。そこから、「天気の変化には何か決まりのようなものがある」と気づき、見通しをもった観察へと高まっていきます。そのためには、ショートの時間設定を積み重ねて、1か月くらいは観察を続けさせましょう。その過程で「台風」に出会うことがあると思います。もし出会わなければ、映像などの2次情報を活用しましょう。
日々の資料として、新聞の天気図を集めるのもいいですね。

係り・日直の活用をお勧めします。

手順とポイント

  • 観察する場所を決める。
  • 時間を決める。(午前、午後1回)
  • 観察カードを用意する。時刻、気温、湿度、風向き、雲量(視界を4等分して記録)

*デジカメがクラスに1台あれば、決められた場所と時間で写していくといいですね。

6 6年「水溶液の性質」

A区分:粒子(粒子の結合、保存性)

身近な水溶液(食品)・植物色素で試しては?
アカジソの種をプランターにまいておくと、2週間くらいで発芽します。リトマス液やBTB液もいいですが、同じ植物色素を使うことを教えるのもいいです。

写真は、7月末に撒いたものです。紫色に染まってきました。その煮汁を採ります。

左が石鹸水、右が食酢です。酢に入れてみると赤色になります。薄い石鹸水に入れると黄色になってきます。
身近な食品の水溶液を使って、安全な実験操作を教え、練習させましょう。


中性・・・水、食塩水
酸性・・・食酢、炭酸水
アルカリ性・・・重曹水

単元の指導案とポイント・・・何が入っているかを問題意識の中心におく展開です。
安全に、化学実験らしく化学分析の手法を身に付けさせていきましょう。

1次 例示のような安全な水溶液を使って、基本操作を安全に行うように訓練する。

  • ガラス器具の扱い、安全めがねの着用、整理した机上で立って実験を行う操作
  • 試薬の使い方

調べる液にガラス棒を伝わせて試薬を注ぐ、あるいは調べる液にピペットで試薬をガラスの壁面を伝わせ注入する
* 溶液を作るときや薄めるときの基本・・・水の中に溶液や固形物を入れる。

2次 溶液に何が溶けているかを調べる。(5年「ものの溶け方」の塩の取り出しの復習)

水を蒸発させて取り出す。(固形物がある場合はろ過してから行う)
* ここで炭酸水をあつかい、石灰水を使って気体が溶けていることを検証しても良い。

3次 透明な水溶液の性質を試薬を使って調べる。(「水(蒸留水)」と比べるのがポイント)

①酸性とアルカリ性を(リトマス紙、リトマス液、BTB液、しそ液、紫キャベツ液)で調べます。

塩酸溶液(3規定溶液)・水酸化ナトリウム溶液(3規定溶液)・食塩水(10%溶液)と水で調べます。結果を表にして考えてもいいですね。
* この実験で初めて、危険な薬品を扱います。食品のときの体験を生かすことができるでしょうか。

②金属との反応で調べる。(ここでは、金属を試薬と考えて扱います。)


①と②の考察は、水との比較で分析していきます。
ここから水の安定的な性質に考えが及ぶとすばらしいのですが・・・。

実践の続き

続きははなまるサポート本サイトでご覧下さい。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/8/3/4.php

7 実践者紹介

初等教育研究所
太田 由紀夫 プロフィール

元東京都小学校理科教育研究会副会長、現全国構造学習研究会常任講師。
小学校のときから理科大好き人間。部活は中高大と生物部で蝶を追いかけていました。それがきっかけで山登りも好きになりました。

理科教育の楽しさを子供たちや先生方に知ってもらいたくて、この仕事をさせていただいています。また、地域のボランティアとして鮎も遡上するきれいに復活した多摩川で地域の方々と共に「多摩川で泳ぐ会・探鳥会」を続け、子供たちに自然の中で遊ぶ楽しさを味わわせてています。

8 サービス紹介

同社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしたり、不明点や疑問点などを無料で相談できたりします。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 水島淳)

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