1 【はじめに】
この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→http://sakamoto.cside.com/
2 【対象】
小学校低学年(中・高学年でも可能、中学生でも楽しい…)
3 【ねらい】
「お母さん、ありがとう!」と言って抱きつくミズちゃんの気持ちを話し合うことを通して、改めて母親の愛情に気付くとともに感謝の気持ちをもち、伸び伸びと生きようとする心情を高める。3-(1)
4 【学習内容】
(1)母親への感謝の気持ちをもつこと
- 代々へその緒でつながっていること
- 数え切れない母親が数え切れない赤ちゃんを産み、数え切れないほど、たくさん抱きしめてきたこと
- つながっていく大切なものとしての「母の優しさ(愛情)」
(2)伸び伸びと生きようとする心情
- 母親へ伝えたいこと
- これから自分がしたいこと
5 【学習過程】
①前作「いのちのまつり」を読み聞かせる。(10分)
低学年の子どもは、あれこれ話し合うより、絵本を読み聞かせてもらうことが大好きです。そこで、前作を楽しく読み聞かせ、生命や家族などの関心を高めるという導入にします。
読み聞かせ後、少し感想を出し合った後、「今日は、同じ作者の絵本『つながってる!』を使って、『いのち』についてもっと勉強してみましょう。楽しい絵本だから期待してくださいね!」と課題を提示します。
その他、生活科の学習との関連を図った導入、飼っているペットを紹介し合う導入、へその緒の実物を示しての導入などが考えられます。
②資料を読んで話し合う。(20分)
絵本全部を読み聞かせます。途中、つぶやきを拾ったり、少しじらしたりしながら読みます。
発問1:「夢の中でミズちゃんが『すごーい!つながってる!』と言ったとき、どんなことを考えていたでしょうか?」
- すごくたくさんの赤ちゃんが実際にへその緒でつながっているのを見て、びっくりした。
- びっくりして、あまり考えられなかった。
- 自分も母親とつながっていたのだと感じた。
- いった何人の赤ちゃんがいるのか、知りたいと思った……等々
ここでは、つながりの多さ、大きさを絵とともに実感的にとらえさせるようにします。そのため、教師も一緒に驚いたり、驚いている子どもの気持ちを発表させ他の友だちにその気持ちを伝えたりします。
「あなたは、どう思いましたか?」や「何人の赤ちゃんがつながっているかなあ?」などと問い返し、ミズちゃんになりきらせて、つながりの大きさ、多さに共感できるようにします。
発問2:「パールが子犬たちを一匹ずつ、やさしく、ていねいに、ていねいに、なめているところを見て、ミズちゃんは、どんな気持ちから、涙がこぼれそうになったのでしょうか?」
1. パールが子犬を一生懸命世話しているのがとてもやさしいと思ったから。
2. ていねいに、ていねいになめているのがとてもやさしいと思ったから。
3. 子犬に一生懸命おっぱいを飲ませているのが幸せそうに感じたから。
4. 子犬が一生懸命生きていたから。
5. パールも一生懸命生きているから……等々
ここでは、母親の優しさ(愛情)溢れる行動と子犬の一生懸命生な姿を対応させるようにしてとらえさせます。そのために、板書で左右にかき分けるなど視覚的に示すことが有効です。
そして、発問2での「莫大な数のつながり」の一つ一つで発問3の「優しさと一生懸命さ」があったのだとまとめます。
発問3:「ミズちゃんが『お母さん、ありがとう!』と抱きついたのは、どんな気持ちからでしょうか?」
1. パール同様私も、お母さんの優しさで大きくなったと改めて気付いたから。
2. 私だけではなく、全部のつながりでお母さんの優しさがあったのだろうと思ったから。などの意見が出るでしょう。
「つながっていく大切なもの」=「お母さんのやさしさ」と板書し、まとめます。
6 【資料】
つながってる! 「いのちのまつり」』
作:草場 一壽 絵:平安座 資尚
サンマーク出版 2007年3月20日
7 【実践者プロフィール】
坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。 山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com/
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 細木和樹)
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