書くことの指導「2年 詩を書く」(はなまるサポート)

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目次

1 概要

この実践は(株)教育同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。
実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。
また、以下より実践をPDFでダウンロードできます。
添付ファイル

2 はじめに

「書くこと」の授業で、「昨日のことを思い出して、作文を書きましょう。」とか「自分の考えをまとめましょう。」というと、児童は決まって、「ええっ。書くことがない。」とか「わすれたから、書けないよ。」などと言って、なかなか鉛筆が進まない。児童は、作文を書くとき、完成したすばらしい作文を書かなければならないと思っているからよけいに書けないのである。

また一方、先生は、書く授業の後、児童が書いた作文を読み、「きちんと指導したのに、まとまりのあるいい文章が書けていない。」と嘆く。これは、指導したとは勘違いで、「まとまりのある作文を書きましょう。」と言えば、まとまりのある作文が書けて当然と思っていることが間違いなのである。ステップを踏んで、具体的に指導をし、力を付けていかなければならないのである。書く力は、簡単には付かないのである。『書く力を付ける』には、『書く場』を繰り返す以外にないのである。具体的な指導を繰り返すことで、書く力を付けることができるのである。

では、一体どのような指導をすれば、書く力を付けることができるのだろうか。

児童にどうして作文が嫌いなのか尋ねてみると、「書きたくない」、「書くことがない」、「書き方が分からない」、「書く意味が分からない」という答えが返ってくる。それらのことが解決されることが重要である。

そこで、それを解決するには、①「書きたい」という意欲付けの視点 ②書く材料探し(話題設定や取材)の視点 ③書く技能(構成・記述・推敲に関する事項)定着の視点 ④評価の視点での指導を解決し、繰り返し「書く」ことをする以外にないのである。

新指導要領の趣旨からみて、日常生活につながる「書く力」をつけるためには、児童自身になんのために書くのかが分かり、今大事なのは何かが分かるような学習を組織することが求められる。

書き方の指導は、「創作文」、「詩・短歌・俳句・物語・随筆」、「報告文・記録文」、「学級新聞など」、「説明文」、「紹介文」、「手紙文・依頼状・案内状・礼状」、「小論文」、「読書感想文」、「意見文」等の文種に応じて行うことが大切である。「書き方」が分かれば、児童は書き始めるのである。

これらのことを踏まえ、小学校の段階の各学年で系統的・重点的な指導計画を立てて指導していくことが大切である。

3 内容

0、「書くことは考えることである」

これはずっと昔から言われている言葉である。自分の考えを書かないで、思いついたことを話し合うだけの学習が増えている。たしかにスピーディーで活発ではあるけれど、自分が何を根拠に、どう考えたかが残らず、振り返りをするにも根拠がないように思う。

自分の考えを書き残す記録、また書くことで考えを創ることは大変でも、もっと大切にしたいものである。

1、指導要領

【B書くこと】

指導要領に示された文種に応じた指導を丁寧に行うことが重要である。そのためには、学校ぐるみの年間指導計画を作成することが大事である。

2、指導の実際

(2)身に付けたい力(指導目標)

  • 様子を表す言葉を使って、感じたことや思ったことを詩を書くことができる。
  • 経験したことや想像したことなどから書くことを決め、書こうとする題材に必要な事柄を集めること。
  • 書いたものを読み合い、よいところを見付けて感想を伝え合うこと。

(3)単元設定の理由
国語科の究極の目標は、「美しい日本語を話す日本人の育成」にある。そのために、言語の学習を系統的・螺旋的に行い、生きて働く言葉の力を付けなければならない。日常生活での「書くこと」や「話すこと」で言葉が使えるようになることが重要である。

国語科の学習では、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」全ての領域において、「様子」に着目することを重要視している。様子をより詳しく生き生きと伝える言葉を取り立てて学習することは大切である。相手に様子を詳しく伝える表現技法として、擬声語、擬音語、擬態語、副詞、形容詞、比喩表現などがある。品詞の学習ではなく、様子をより詳しく伝える言葉や表現があることを知り、文章や詩を作るときに活用させたい。

この単元では、雨が降る様子を、擬態語(ザーザー)、副詞(いきおいよく)、比喩表現(あらしのように)を使って説明している。これらの表現によって様子がより正確に生き生きと伝わることを知るとともに、これらの三つの表現方法を知り、文章を書いたり、詩を作ったりするときに活用させる。

「様子を表す言葉」の表現技法を使った詩を作ることがねらいである。自分の経験から題材を見つけ、様子を表す言葉の使い方を工夫して詩を作るのである。

同じものを見ても、人によって見方や感じ方は様々である。一人一人の感じ方を大切にして、自分の感動や発見を詩に書かせたい。短い詩の中に、楽しみながら自分だけの発見や感動を表現させたい。

語彙の少ないこの期の児童にとって、自分の発見や感動を表す言葉を見つける楽しさやおもしろさを体験させることは、「詩っておもしろいなあ」と感じさせることができる。

4 実践の続き

続きは以下のURLをご覧ください。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/1/1/4.php

5 実践者紹介

福本菊江
「美しい日本語を話す日本人の育成」を目指して、国語教育に携わってきた。
「授業は教師の命である」の信念のもと、理論と実践の統一を目指している。
東京都小学校国語研究会や全国小学校国語研究会で、全国の先生方と継続的に研究を続けている。

殊に、音声言語の指導の重要性を強調している。
現在は、初等教育研究所で国語科の担当である。

6 サービスの紹介

教育同人社の「はなまるサポート」では、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説をしています。また、不明点や疑問点などを無料で相談できます。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 川原悠成)

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