1 はじめに
この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→http://sakamoto.cside.com/
2 導入
アニメ映画「ONE PIECE ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」の主題歌ドリカム「またね」は終業式(あるいは卒業式)前日の道徳のネタとしてとてもいい曲です。
短くして、終業式の日の最後の学級活動での担任の話としてもばっちりです。人と別れるときの心構え、人とかかわることのよさについて考えさせる授業になります。
担任がや生徒がドリカム好き(または、ワンピース好き)ならもっといいでしょう。
ねらい
友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち、互いに励まし合いながら、高め合おうとする態度を養う。
学習内容
- 別れる人を応援することのよさ
- 自分がこれから頑張りたいこと
- 目当てをもって生きることの大切さ
資料
「またね‐ALBUM VERSION」DREAMS COME TRUE
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3 学習過程(50分授業)
①1年間を振り返って、思い出を発表し合う。(10分)
※終業式前日、教室の掃除や整理整頓などをみんなでやった後、少し落ち着いた時間に、じっくり1年間を振り返ります。
※1年間の行事などを思い出して話し合ったり、教室に掲示してある「学級の歴史」の短冊を見ながら感想を出し合ったりするのもいいでしょう。
※時間はいくらでも調整できます。少しずつムードを出していきます。
②「またね‐ALBUM VERSION」を聴き、感想を出し合う。(15分)
※ゆったりした気持ちで聴きます。歌詞を黒板に掲示して、それを見ながら聴くのがいいでしょう。
※発問1:「どんな状況なのか、二人組で話し合ってみましょう。またねと言う人と行く人の二人の気持ちの違いに目を付けて話し合ってみましょう。」
※全体で話し合うのは、③の活動です。ここでは、二人組(あるいは、4,5人のグループ)で、それぞれの立場の人の気持ちを自由に出し合えるようにしましょう。
※どちらか共感的にとらえられる方の役割を演じて、互いに(歌詞にあるように)手を握りしめながら、話をするというのもいいかもしれません。
③またねと言う人と行く人の気持ちをそれぞれ話し合う。(15分)
※発問2:「それぞれの人はどんなことを考えているのでしょうか?」
※(1)またねと言う人
a)別れたくない、自分だけが残されて一人になる、寂しいなど自分の感情
b)夢を実現して欲しい。頑張って欲しいなど相手を応援する感情
c)いつまでも自分のことを忘れないで欲しい、自分もあなたのことを忘れないなど相手に望む感情
※その際子どもたちは、歌詞にある
「でも胸に開いた黒い穴みたいなのに自分でも驚いている」
「がんばれとか あきらめるなとか 気をつけてとか 言えたらいいんだろうな」
「こんな時こそ 何かあったらかえっておいで いつでも待ってるからって」
などに着目して気持ちを膨らませるでしょう。
※(2)行く人
a)またねと言う人との別れをあまり残念に思っていないなど
b)自分の夢を追いかけることで気持ちがいっぱい、人のことを考えている余裕はないなど
※その際子どもたちは、歌詞にある
「でも昔っから言っていたもんね。ずっと夢だったんだよね」
「でもさびしいとか置いてかないでとか泣き言も言えないくらいきみはとっくに前を見てる」
などに着目して気持ちを膨らませるでしょう。
※それぞれの気持ちを対照的に板書して理解を深める。
④授業の感想を書く。(10分)
※友達とのかかわりを思い出しながら、感想を書かせる。あまり、くどくど条件を出さない方がいいでしょうが、「人は、どちらの立場にもたつことがあるということ」は理解させておくことが必要でしょう。
※最後に、人は互いに励まし合いながら成長していくものであることを押さえた後、担任として、クラスの子供たちと次に再会するまでに楽しみにしていることなどを話して聞かせて、まとめとしましょう。
※最後もう一度「またね」を聴きながら授業を終えます。
4 編集後記
子ども達に人気のあるアニメの主題歌を使うことで、より感情移入がしやすい授業になるのではないでしょうか。卒業式や終業式の直前に、一年間を振り返った上であらためて自身やお互いの気持ちを考え、クラスの絆を深めるきっかけになると思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 長谷川文)
5 実践者プロフィール
坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
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