よのなか科~金融経済編~「中学生はもう大人?まだ子供?」(藤原和博氏)

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目次

1 はじめに

この記事は、藤原和博氏の「よのなか科」の実践の紹介です。
以下のホームページをもとに作成しています。

  • 「藤原和博のよのなかnet」内にある「よのなか科ワークシート」

http://www.yononaka.net/

  • 「全国[よのなか]科ネットワーク」内にある「WEB研修用ビデオ」

http://www.yononaka-net.com/mypage/top/index.php

2 よのなか科とは

元東京都杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏が提唱している「学校で教えられる知識と実際の世の中との架け橋になる授業」のこと。 教科書を使った受身の授業とは異なり、自分の身近な視点から世界の仕組み、世の中の仕組みなど、 大人でも簡単に答えを出せないテーマ(「ハンバーガー1個から世界が見える」、「模擬子ども区議会」、 「少年法の審判廷ロールプレイング」など経済・政治・現代社会の諸問題)を扱う。授業の特徴として藤原氏は以下の特徴を挙げている。

  1. ロールプレイやシミュレーションなどゲーム的手法によって子ども達の主体的な学びを創造する。
  2. 大人も授業に参加することで、ともに学び合う力を付ける。
  3. カリキュラムの目的に沿ったゲストを迎え、生徒の思考回路を刺激し、ときに通常の授業では得られない種類の知的な感動を与える。

(全国[よのなか科]ネットワークより
http://www.yononaka-net.com/mypage/network/index.php

3 実践内容「中学生はもう大人?まだ子供? 」

よのなかワークシート「中学生はもう大人?まだ子供?」

ワークシートの流れ(よのなか科ワークシートより抜粋)

1. 自分に身近な費用を考えてみよう。
(1) おこづかいは月々いくら?
(2) 教育にかかる月々の費用
(3) 月々1人あたりの生活費
(4) 国や地方公共団体が支出する学校教育費

2. 法律では、あなたはいつから大人になるか考えてみよう。
(1) 自分は大人だと思いますか?
(2) 子どもは何歳になったら「大人」になると思いますか?
(3) 現在の日本の法律では…

3. この授業でどんなことが身についたと思いますか。授業の感想も書いてみよう。

ワークシート

ワークシートPDF

ワークシート「中学生はもう大人?まだ子供?」のダウンロードはこちらからどうぞ。
http://www.yononaka.net/worksheet/worksheet01/yononaka_finance_07.pdf

授業ビデオ「中学生はもう大人?まだ子供?」

藤原和博先生の本実践の授業の様子です。
4分55秒の短い動画ですが、とても分かりやすい授業のビデオです。

本授業は主に、大人というものを経済的な面と、法律的な面の両面から考える授業になっています。前半では、経済的な側面から大人を考えるのに、月々に自分自身にかかる費用を1つ1つ考えていきます。お小遣いという自分でも把握できるものから、教育費や生活費といったなかなか分かりにくい費用も平均を使うことで分かりやすく示しています。また、後半の法律における大人においても年齢という切り口から、日本の各法律の定める大人について学んでいきます。授業の最後には、自分の考える大人の定義を持つことの重要性を伝えています。

ポイント

自分に投資されている金額を知る
大人とは何なのかについて考える

ビデオURL

実践のビデオはこちらからどうぞ。
http://www.yononaka-net.com/mypage/model/movie.php?file=y05&no=5

ビデオイメージ

4 実践者プロフィール

 藤原和博氏 教育改革実践家

1955年生まれ。78年東京大学経済学部卒業後リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。93年からヨーロッパ駐在、96年から同社フェロー。03年4月から杉並区立和田中学校校長に、都内では義務教育初の民間人校長として就任。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙に四冠に。「私立を超えた公立校」を標榜して「45分週32コマ授業」を実践。「地域本部」という保護者と地域ボランティアによる学校支援組織を学内に立ち上げ、英検協会と提携した「英語アドベンチャーコース」や進学塾と連携した夜間塾「夜スペ」に取り組み話題に。 

5 編集後記

今回の実践では、意外に線引きの難しい大人というものに対して、経済と法律の2つの側面から、面白い示唆を与えていると思います。まず、前半の経済的な大人の定義ですが、自分が月々にいくらの出資を受けているのか、またその額の大きさを通して両親への感謝と、自分がそれだけの稼ぎを生み出すことの難しさを感じるのではないでしょうか。また、法律的な大人の定義に関しても、その法律により定める年齢は大きく異なることで、大人というものを一括りにまとめることの難しさを表しています。恐らく、生徒1人1人が強く感じるところは様々かもしれませんが、だからこそ1人1人が自分自身の大人というものの定義を持つことの重要性を感じることができる実践であると思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 安田明弘 )

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