「情報ネットワークを防災に生かす」―関連図づくりが思考を深めた事例―(はなまるサポート)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

概要

この実践は(株)教育 同人社の許可を得て、「はなまるサポート」の学習指導ポイント一覧より転載しています。
実践の続き(無料)は最下部のURLからご覧ください。

(1)A校S先生の実践

先日(1月半ば)私は、大変心に残る授業を見ました。なぜ心に残ったかというと子どもたちの思考が深まっていく様子が参観していて伝わってきたからです。そして、自分が考えたことを言葉や文でどの子も表現することができたからです。今年度は、思考力、表現力がどの教科でも重視され、そのことをテーマにした授業の取り組みが数多くなされていると思います。しかし、子どもの思考が深まるとはどんな姿なのか、なかなか見えにくいものです。S先生の取り組みは、派手さはありませんが、先生の「情報について考えを深めてほしい」という思いが感じられるとともに、子どもたちの思考が深まった授業でした。ではなぜ子どもたちが思考を深め、表現することができたのか、その指導案の抜粋と指導の実際、とりわけ思考を深めていった場面を中心に紹介します。

(2)指導案の抜粋と要約

1.小単元「情報ネットワークを防災に生かす」の目標

  1. (関心・意欲・態度)わたしたちの生活に必要な情報を入手したり活用したり する様子について意欲的に調べ、情報に対して望ましい態度をとるようにする。
  2. (思考・判断・表現)情報化の進展は私たちの生活に大きな影響を及ぼしてい ることや、情報の有効活用の大切さなどについて考え、わかりやすく表現するこ とができる。
  3. (技能)人々の情報の入手や活用について、調査したり資料を活用したりして 調べ、わかったことを絵や文章などにわかりやすく表現することができる。
  4. (知識・理解)情報化の進展が私たちの生活の向上や産業の発展に大きな影響 を及ぼしており、よりよく生活していくために情報を有効に活用したり情報に対 して適切に判断したりすることが大切であることがわかる。

2.小単元における評価規準

ア、社会的事象への関心・意欲・態度
防災における情報ネットワークの仕組みや活用されている事例について関心をもち、これからの社会における情報の有効な活用の必要性を感じている。

イ、社会的な思考・判断・表現
防災情報ネットワークは、安心安全のために役だっていることや、情報の有効活用の大切さについて考え、関連図に表している。

ウ、観察・資料活用の技能
防災に関する情報の活用の様子について、資料やインターネットを活用して必要な情報を集めまとめている。

エ、社会的事象についての知識・理解
防災情報ネットワークにより、災害時でも私たちが安全に避難したり被害を少なくしたりすることができることを理解している。

指導案には、次の3つの手立てが示されています。
1. 基礎基本の明確化
2. 社会事象を身近にとらえることのできる教材の活用
3. 学んだことを活用し、表現しながら考えを深める学習活動の工夫
 
①は、学習指導要領5年目標と内容(4)についてよく理解することです。今までも度々示している通り、学習指導要領については、解説も含めてよく読み取り、単元のねらいを先生自身がきちっと理解することが大切です。ここでは、省略します。
②については、指導案通り転記します。
③についてが、今回一番紹介したい内容です。

3.②社会事象を身近にとらえることのできる教材の活用

平成7年1月17日の阪神・淡路大震災、平成22年3月11 日の東日本大震災など、マスメディアによって地震情報に触れる機会が多い時期である。自分自身がその場にいたら、どのような情報を必要とし、どのように情報を得ようとするかを考えることから導入することによって、社会的事象を自分のこととして関心をもって調べられるようにした。また、本時では東日本大震災の方の話をビデオで視聴させる。この震災では、情報の発信元ともなる地方行政も打撃を受け、情報ネットワークは活用されることがなかった。しかし、その中で人々は必死に情報を手に入れようとしていたことが語られている。「情報」が自分たちのくらしにとって欠かせないものであることを、より深く感じ取ることができるであろう。

③ 学んだことを活用し、表現しながら考えを深める学習活動の工夫

調べた内容を関連図にまとめていくことによって、知識が整理され、情報ネットワークの全体像が視覚的にも捉えやすくなるだろう。また、それぞれが作成した関連図をもとに、そこからわかることを自分なりに文章にまとめたり、友達と話し合ったりすることによって児童は「素晴らしいシステムがあること」を深く理解するだろう 。このネットワークの存在をみんなが知れば、情報を活用して災害時に被害を減らすことができることも 容易に考えつくだろう。しかし、ネットワークが発達していても、先日の災害では活用できなかった事実がある。あの惨事の中で切実に情報を求める人々の姿から、情報がどれだけわたしたちの生活に欠かせないものであるかを感じ取り、有効活用の大切さについて考えさせたい。未確認情報やデマも簡単に出回る時代である。また、たえず情報は訂正、修正が加えられていく。正確な情報を得て活動していくためには、出所がどこか調べ、冷静に自己判断し取捨選択していく視点をもつことや、自分から情報を更新し続ける姿勢が必要となる。

実践の続き

続きは以下のURLよりご覧下さい。
http://www.djn.co.jp/support/special/point/docs/2012/2/4/3.php

1 実践者紹介

初等教育研究所:加藤良子
元公立小学校教諭、23年3月末で退職。
38年間に4区5校で勤務する。各区で社会科部に所属。地域教材を開発して、各学校で実践してきた。
趣味は、江戸の歴史や文化に親しむこと。月に数回、江戸東京博物館で展示ガイドボランティアをしている。

2 サービス紹介

同社の「はなまるサポート」は、若い先生のための授業ヒント集として、毎月の学習指導ポイントを細かく解説したり、不明点や疑問点などに関する無料相談を受け付けたりしています。
http://www.djn.co.jp/support/

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 森七恵)

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