キメキメの若い先生へ ~「やらせる力」と「やる気にさせる力」・指導力の2つの方向性~

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キメキメの若い教師が心配だという話を聞いた。

自分に自信があり「あそこがダメです。これもできていません」と保護者にダメ出しをする。人間は自分で作ったルールでもなかなか守れない。自分でも守れないものを我が子と言えど他人にやらせるのは至難の業。そういう大変さに思いを寄せられない。

「キメキメ」はたぶん富山弁なんだけど「きっちりしてる」と言うのが主な意味。

しかし、あまり好意的なニュアンスではない。「堅苦しい」「自分の思い通りにしないと気が済まない」的なマイナスイメージが漂う言葉だ。実態を見ることなく「とにかく自分の言うとおりにしろ」という指導は子どもの思考を停止させる。考えず無批判に教師の望むことをするようになる。厳しいキメキメの先生がいるから、怖いから、面倒だから表面上従う。その成果はその先生がいなくなったときに表れる。

考えない子どもたちは誰かが逐一指示してやらなければ動けなくなる。

逆にそれが教師ではなく、強い態度に出る人の言うことを聞くという習慣になったとしたらどうだろう。教師の見ていないところではいじめや万引きなどの問題行動を引き起こす原因になるかも知れない。

この問題の一番大変なところは、子どもたちのそういった習慣を治すことはかなり難しいところ。そして、規範を維持するものが集団を動かしている間は表面化しないところだ。今は目に見えない。しかし、次の担任。次のクラスで新たな人間関係ができたことで問題が起きてくる。

教師は「言うことを聞く子」ではなく、「考えて行動する子」を目指して教育しなければならない。
「やらせる力」なのか「やる気にさせる力」なのか。
表面上は見えにくい違いだが、教師の指導力にも2つの方向性があることを心に留めておくべきだろう。

以上の記事はぼくのブログ「心の教室」からの転載です。
学級活動の進め方をまとめた「元気が出る学級活動」も載せてあります。
子どもたちが主人公の学級づくりのために参考になさってください。
http://rixaw7.blog.so-net.ne.jp/

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