古墳や埴輪の3D教材活用(柴田隆史先生)

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目次

1 概要

本記事では東京福祉大学教育学部准教授の柴田隆史先生が作成された、古墳の3D教材の紹介をします。児童の注目を集めることができる上に、空間の広がりや立体的な形状を把握できることで当時の様子や工夫などを知ることが可能になります。

教材を利用したい方は、どのように教育や学習に使おうと考えているのかをお書きの上、下記の柴田先生の連絡先までお問い合わせ下さい。

東京福祉大学教育学部 柴田隆史
tashibat☆ed.tokyo-fukushi.ac.jp(スパム対策のため☆を@にしてお送り下さい。)

また、全国自作視聴覚教材コンクールで受賞した際に朝日新聞にて紹介されているのでぜひご覧下さい。
http://www.asahi.com/edu/articles/TKY201309290029.html

2 教材について

柴田先生が作成したのは前橋市西大室町の大室古墳群やその出土品の3D映像教材です。具体的には石室の中や実物の埴輪や土器を立体的に学習できる教材です。出土品の3D撮影には、前橋市教育委員会文化財保護課の協力を得ています。地域学習や小学校の社会科に活用できる約10分間の動画教材としてまとめました。

2Dの映像教材としても使えますが、ほぼ全ての市販の3Dテレビや3Dモニタで再生可能です。

立体映像を用いた観察では空間の広がりや物の形状が分かりやすくなり、児童の興味関心および理解度の向上に役立つと考えられます。石の積み方などが分かりやすくなるため、実際の様子を見るのに近く、児童に細かな観察と深い考察を促します。

3 利用対象

(a) 小学校6年生社会科における古墳時代の学習

古墳時代の学習では、古墳の大きさや出土品などの様子から、くにづくりを進めた王や豪族たちの力の大きさについて考えることが学習のねらいです。

本教材では、3D映像を用いた広い奥行きにより古墳の大きさを表現し、また、石室の空間的大きさや積み重なった石の様子、凹凸が細かくはっきりと分かる埴輪や土器などから、優れた技術を有する王や豪族たちの力の大きさを学ぶことをねらいとしています。

(b) 6世紀に造られた古墳やそこでの出土品を通した群馬についての学習

群馬県には古墳が数多くあり、埴輪や土器、副葬品がたくさん出土しています。そのため、6世紀頃の日本史の学習、特に、豪族の勢力範囲、西国(現在の関西)から伝わる古墳文化の変貌、朝鮮文化の影響などの学習には、群馬地域について知ることが重要であると思われます。本教材は、広く生涯学習にも利用されることも想定しています。

4 利用方法

本教材は、従来型の2Dによる動画像として利用することもできますが、より深い内容の理解と効果的な活用のためには、立体映像(3D映像)で見ることが望ましいです。

3D映像は、汎用性があるサイド・バイ・サイド形式(side-by-side format)で記録されています。そのため、現在市販されているほぼ全ての3Dテレビあるいは3Dモニタでの再生が可能です。なお、サイド・バイ・サイド形式とは、左眼用映像が左側に、右眼用映像が右側に横並びになっている3Dの映像形式であり、3D映像の放送にも用いられている一般的な形式です。

授業で利用するときなどは、映像を適宜一時停止することでじっくりと観察することもできます。

5 実践者プロフィール

柴田 隆史
東京福祉大学教育学部 准教授
日本学術振興会特別研究員PD、カリフォルニア大学バークレー校ポスドクなどを経て、現在に至る。博士(国際情報通信学)。人間工学と情報通信学の視点から、立体映像が人に与える影響や3Dコンテンツの制作技術に関する研究に取り組んでいる。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  •  私は小学生の社会科見学で古墳を見たり石室に入ったりしたこともありますが、全体像を把握してからの方がより強い関心やねらいをもって見学ができると思いました。実物に触れたり教室に持ち込めたりしないものなどは3D教材になることで、イラストやビデオ映像だけよりも臨場感があり児童の関心を惹くことができます。こうして楽しく学ぶきっかけがあることで、知識も定着したり探求心も強くなったりすると考えられます。
    (EDUPEDIA編集部 水島淳)

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