タブレットPCで三角形を書いてみよう、分けてみよう(藤の木小学校 渡辺祥子先生)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事では、広島県広島市立藤の木小学校の渡辺洋子先生、ならびにICT支援員である酒井諒氏とによる3年生算数『三角形の仲間分けをしよう~タブレットPCを用いて~』の取り組みをご紹介します。

藤の木小学校は、文部科学省「学びのイノベーション事業」の指定を受け、総務省「フューチャースクール推進事業」の西日本実証校としても研究対象になっています。

2 三角形を作ってみよう

小学校3年生では、円の特徴、三角形の書き方や種類について学びます。
タブレットPC(以降 TPCと称する)に、図1で示すような12個の同径の円を並べます。いずれも、その円周を12等分にした点と、中心点が描かれています。
ペンタッチで、円の点と点を押すと、直線が現れます。直線を図形の辺とし、3本の辺で三角形を作ることができます。(図1参照)

                                    (図1)

同じ長さの直線は、同じ色で出るようにしてあります。
隣同士の2点を結んだ、一番短い直線……緑
次に
1点飛ばして結んだ直線… … 青(半径と同長)
2点 〃       … … 水色
3点 〃       … … 黄色
4点 〃       … … ピンク
5点 〃       … … 赤(直径)
以上の6色で直線の長さを表わすことができます。

児童は、自分が描いた三角形がほかの三角形と同じ三角形でないかどうかを確かめるのに、3本の直線の色を見て判断することができます。これで合同の三角形を作らなくて済みます。

ほかにどんな三角形ができるか、友達に相談してTPCに書き込んで教え合ったり、互いに見せ合ったりします。(図2参照)

                                   (図2)

右側に、茶色い丸いボタンがあり、そこをタッチすると、図形が最小化され、全体が見やすくなります。

3 三角形を仲間分けしてみよう

三角形をよく見てみると、下の3種類に分けられます。
①3辺が同色
②2辺が同色で、1辺だけ異なる色
③3辺とも色が異なる

右側の茶色いボタンを押して図形が最小化すると同時に、右側に3つの空欄が現れます。

三角形の辺の色の組み合わせを見て、同じ仲間と思われるものを選び、三角形をドラッグして空欄へ移動させます。

4 仲間分けの理由をかこう

子どもたちはどこに着目するでしょうか。三角形の辺の色の組み合わせが違っていることに気づきます。

12個の三角形のなかには、長さは違っていても、3本の辺の色が同じ三角形が2つあります。その2つを、右の空欄へ移動させます。そのほか、2本の辺の色が同じ三角形が6つ、3本とも違う色の辺を持つ三角形が4つあり、それぞれ3段に分かれた空欄へ分けながら移動させます。(図3参照)

                                     (図3)

仲間分けしたブロックの左上のタイトル欄に、その理由をタッチペンで書き入れます。
「3つの辺が同じ長さ」「2つの辺が同じ長さ」「3つとも違う長さ」など、子どもたちが考えた言葉で綴ります。(図4参照)

                                    (図4)

5 三角形に名前をつけよう

それぞれの特徴から、仲間分けした三角形に名前をつけます。
3本の辺が同じ長さの三角形  → 正三角形
2本の辺が同じ長さの三角形  → 二等辺三角形
3本の辺が違う長さの三角形  → 三角形

6 応用編

このように、円周の点と中心点とを使うことで、実にさまざまな三角形が作れます。

3年生では、円の性質も既習なので、このような円形を用いて三角形を作り、長さで分類することができます。

たとえば、円周の点を12から24に、あるいはもっと増やすことにより、たくさんの種類の辺を持つ三角形が作れます。
5年生になれば、この教材を用いて「合同の三角形を見つける」ことや、6年生になれば「面積の等しい三角形を選ぶ」「直角三角形はどれか」というような応用問題も作成できると思います。

7 終わりに

従来の黒板やホワイトボードを使って三角形を仲間分けをする場合、三角形のモデルをマグネットなどで付けたりしていたと思います。三角形の数もそんなにたくさんは作れないので、数あるなかから選んで仲間分けをするといっても限界がありました。

TPCなら、たくさんの三角形が作れます。また、容易に移動できるようなソフトにしたことで、間違いに気づいた場合でも、すぐにやり直すことが可能になります。

子どもたちも各自のTPCで考えたり、グループで相談したり、最終的には全員のTPCを総合して見られますので、どこで間違ったか、ほかの子どもたちとどこが違っているかがわかります。また先生方もどの子がどのように考えたかが一目瞭然なので、個人指導がしやすくなります。

8 実践者プロフィール

◇渡辺洋子先生 
広島県広島市立藤の木小学校教諭
◇酒井諒氏
一般社団法人 ラーンフォージャパン所属のICTサポートエージェント。
平成25年度より、藤の木小学校のICT教育支援員として従事している。

広島市立藤の木小学校 フューチャースクールの概要 URLはこちら→
http://www.fujinoki-e.edu.city.hiroshima.jp/

編集後記

消しゴムを使わないで、こんなにたくさんの三角形を作って、分類するのはなかなか
できないことです。直線の色が目につくので、わかりやすいデジタル教材となっています。

TPCなら円だけでなく、直方体や、多角形も描けますから、紙のノートを使うよりも、たくさんの図形を描いて、子どもたちの理解をより一層深めることができるのではないでしょうか。

(文責・編集 EDUPEDIA編集部 岸 剛志・丸山明美)

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