6年「なぜ分数のわり算はひっくり返してかけるのか」納得の説明(柴田克美先生)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間教員をなさっている柴田克美先生がホームページに掲載されているさまざまな教育実践法の中の一つを紹介しています。
http://pinokio.blog.jp/

本記事では、小学校の算数の中でも特につまずきやすい分数のわり算の解き方とその概念を、わかりやすく教えるコツをご紹介します。
【柴田先生が参考にした実践はこちら】
http://www.koshigaya.bunkyo.ac.jp/shiraish/math2001/16/honbn_16.pdf

2 実践の内容

算数「分数のわり算 整数÷分数」クッキーを何人に分けられる? 

(1)クッキーが6枚ありました。 それを,一人に2枚ずつあげます。何人に分けられるでしょうか?

6÷2=3  答え3人

まず図で考えさせる。

(2)クッキーが6枚ありました。それを,一人に1/2枚ずつあげます。何人に分けられるでしょうか?

6÷1/2=12 答え12人

図で考えさせる。

÷1/2は,×2と同じになっている。1/2枚ずつ分けると,なんと6枚のクッキーを12人で分けることができます。少ない量(1/2)で分けると,もらえる人の数は増える(2倍、×2)

(3)クッキーが6枚ありました。それを,一人に1/4枚ずつあげます。何人に分けられるでしょうか?

6÷1/4=24 答え24人 …やり方は ÷1/2と同じ。

6×4らしいと予想させる。

(4)クッキーが6枚ありました。それを一人に3/4枚ずつあげます。何人に分けられるでしょうか?

子供たちに考えさせます。まず1枚を4つに分けます。つまり,1/4枚の大きさにする。1/4枚の大きさのクッキーは,×4をしたことと同じ数になる。次に3つの束にする。つまり÷3をする。

だから,6÷3/4は,6×4÷3になる。つまり,6×4/3なのです。

  
→だから,ひっくり返してかけるんだ!!

3 実践者プロフィール

柴田克美(本名)

静岡県藤枝市生まれ。明治大学卒業後公立小学校教諭として33年勤め現在に至る。

その間、学研の「学習」「イマジン学園」連載、明治図書各雑誌の執筆、静岡出版文化会の「夏休みの友」など数々の著作がある。「知的興奮・算数ドリル」(明治図書)はアドベンチャー算数として好評を博した。近年は大手「アマゾン」の電子本サイトにてペンネーム剣崎克彦の名で「究極のダイエット」「雨ニ負ケ剣崎克彦詩集」「脳を鍛えて120歳」など多彩な分野へも執筆活動を続けている。

幼児教育の重要性を唱え、自分の息子は東大へ入学させている。現在、認知症の予防をするため介護施設をめぐりお年寄りに学ぶことの楽しさを届けている。静岡市在住。

4 編集後記

算数は一度分からない箇所ができてしまうと、その先の理解が追いつかなくなり、結果として算数嫌いとなってしまうケースが多いと聞きます。かくいうわたしも、まさしくその典型でした。特に小学校高学年からの算数はつまずきやすく、また中学校に進学しても基礎として把握しておくべき大事な内容が多いので、しっかりと理解する必要があります。分数の計算もそのひとつです。

分数のわり算はいざ説明するとなると難しい単元ですが、このような実践でひとつひとつポイントをさらいながら、分数の概念を定着させてゆくことで分数の計算への苦手意識が低減するだけでなく、中学校の数学を余裕を持って迎えることができるのではないでしょうか。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 江積可奈)

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