おもしろサイエンス~レゴブロックで長い橋を作ろう!~

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作成者:Nanae Mori (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

2014年12月4日、京都市立洛央小学校研究発表会に参加し、由良二郎先生のおもしろサイエンスの授業を見学しました。レゴを組み立てるという楽しい活動の中にも、実践知へのつなげかたやチーム学習のポイントがたくさん詰まった授業実践を紹介します。

2 実践内容

実践のアイデア

橋脚のない、長くて頑丈な橋を作ろう

この実践は「レゴを使ったチーム学習ができないだろうか」という発想から出発しています。この発想と、近年、台風による豪雨で川が氾濫し橋が流されそうになる被害があったことを受け、身近に当たり前にある橋について、そのありがたさを感じたり、強固な構造に興味を持った子どもがいるだろうという考えとが結びつきました。川の氾濫で橋脚が崩れそうになっている橋の写真を提示して、「橋脚のない長い橋はつくれないのだろうか?」という思いを持てるようにし、個人で、チームで試行錯誤して橋作りを行うことを狙いとします。

レゴブロックという教材

①構想力・創造性を育む
レゴブロックは自分のイメージするものを形にするために、積んだり組み合わせたり、うまくいかない場合には一度崩して、再度組み替えたりできるため、構想力・創造性を育むことができます。
②コミュニケーション力・協調性を養う
レゴ作りでは、友達同士で作ったものを評価し合ったり真似し合ったりして試行錯誤を重ね、協力してよりよいものを作る「チーム学習」が自然な形で行われます。そのため、コミュニケーション力・協調性を養うこともできます。

指導案

(1)目標

自分のイメージ通りにブロックを組み替えたり、友達のアイデアのよさを取り入れたりしながら、チームで協力して長くて頑丈な橋作りに取り組むことができる。

(2)指導過程

ポイント

1、導入:身近な話題の提供

長い橋を作る必然性を持たせるため、身近な橋(ここでは渡月橋)の話題を提供します。

普段の橋の写真、台風による豪雨で川が氾濫し橋が流されそうになっている写真、(別の場所で)橋が流されてしまった写真を提示し、「橋脚がなければ流されないのではないか」「橋脚のない長い橋は作れないのだろうか」という思いを持てるようにすることで、長くて頑丈な橋作りへと子どもたちを惹きこむことができます。

2、ルール:試行錯誤の視点

橋の中央におもりブロックを載せる
実際の橋では歩行者や自動車が通れるだけの頑丈さが必要であるため、このルールで頑丈さの目安を設定します。作るレゴの橋がただ長いだけではなく、実際の橋としての役割も果たせるようにするための試行錯誤を促します。
使えるブロックの数は限られている
このルールによって、限られたブロックを使って「長さ」と「頑丈さ」のバランスをいかにとるか試行錯誤できるようにします。

3、橋作り①:チーム学習のポイント

橋作りの様子

この橋作りにおいて、チーム学習を成立させるためのポイントがいくつかあります。

  • ゴールはわかりやすく明確に = 橋脚のないできるだけ長い橋をつくる
  • ゴールへの道筋は無数 = ブロックは無限の組み合わせ
  • 一人一人が試行錯誤できる = 岸(基礎板)は一人にひとつずつ。ブロックなので何度も組み立て直しできる。
  • グループでゴールを目指す = 最終的にはチームで1つの橋を完成させる。チームで使えるブロックは限定する。

個々人が考えたブロックの組み方をチームで出し合いながらよりよいものへと発展させていくようにすることで、「自分のアイデアがチームの中で生かされ、チームの記録を伸ばすことに繋がった」という自己効力感を感じられるようにすることもできます。

4、橋作り②:工夫を高める

活動の時間を3つに区切り、間に他のチームの橋を見る時間をとることで、よりよい工夫を見つけ、自分のチームに取り入れられるようにします。

完成した橋

失敗例(橋の真ん中が地面についてしまった)

5、ふりかえり:実生活への橋渡し

最後に身近な長い橋(ここでは明石海峡大橋)の写真を提示することで、本当に長い橋を作るときの工夫に気付いたり、苦労を実感できるようにしたりします。そのことが、自分たちの学習したことと実生活との橋渡しになり,学ぶ意義を感じられるようになります。

3 理科学習における“問題解決のステップ”

理科では問題解決のステップ、「問題→予想→実験→結果→考察→結論」というパターンを大切にして学習を進めます。今回の学習では「予想~考察」のステップを一人一人が実際にブロックを組み立てながら何度も繰り返すことができます。「こうやったら長い橋ができるのでは?」という予想をもとに、ブロックを組み立て(実験)、予想とは違ってすぐにつぶれてしまった(結果)ので,次は「この部分を改良しよう」(考察)といった流れです。

このことが,子どもたちの論理的思考力や創造性を伸ばすことにつながると考えられます。

4 編集後記

子どもたちはレゴブロックでの橋作りに夢中になって取り組んでいました。とても楽しそうで、見ていて参加したくなるような雰囲気でしたが、ふり返りで工夫した点や考えたことを発表した際には、子どもたちがどれほど試行錯誤を重ね、考えながら橋作りをしていたかがわかって感心しました。最後に明石海峡大橋の話題に触れることで授業での取り組みから実際の橋の工夫への関心につながっていくのが、まさに実践につながるということだと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 森七恵)

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