絵本『木を植えた男』で道徳授業 (坂本哲彦先生)

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作成者:愛可 三田村さん

1 はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら
→ http://sakamoto.cside.com/

多くの人の心を打つ有名な絵本です。http://www.stages-en-provence.com/text01.htm

2 対 象 

中学生(または、6年生後半)

3 ねらい

この作品が自分の心を強く打つ理由を話し合うことを通して、崇高な生き方のが自分の中にもあることに気付くとともに、めあてをもってたくましく生きようとする心情を高める。

4 資 料

『木を植えた男』 ジャン・ジオノ原作、フレデリック・バック絵寺岡 襄訳 1898年、あすなろ書房

5 学習過程(60分授業)

①「作品を読みます。30分近くかかりますから、ゆったり聞いてください。そして、後で、どこに一番感動したのか教えてください。では、読みます。」(30分)
*絵本を広げながら、ゆっくり読み聞かせる。OHCでもよい。遠くから見えにくいので、工夫が必要。

②「どこに一番感動したのか教えてください。」(15分)
(1)初めにプリントに書かせる (2)グループで意見を出し合うなどすると意見が出やすい。
●孤独に耐えながら、木を植えていること
●見返り(報酬)を求めず、木を植えていること
●カエデの苗が全滅し絶望したが、あきらめず木を植えていること
●初めの願いを最後まで忘れず実行していることなどが出ます。
それぞれの意見に対して、具体的な場面を問い返したり、その場面を再提示したり、自分だったらどうかと問い返したりしながら、黒板に位置づける。
*どの意見も認めながら、『このようなよさに気付けるのは、みなさんの中にも主人公と同じような「情熱」や「不屈の精神」があるからだ。気付けたことそのものが、みなさんのよさである』とまとめる。

③「実は、この話は本当にあった話のように感じるけれど、本当は作り話なのです。エルゼアール・ブフィエという人は、実在していません。作者のジャン・ジオノという人の創作です。『なあんだ』という人もいるかも知れません。『こんな人、そういるはずはないよねって・・』それでも、つまり作り話であると知っても、私たちは、この話に感動している自分に気付きます。やはり、この主人公はすばらしい生き方をしていると。どうして、この主人公のよさ・すごさが私たちの中にずしんと響くのかということに対して、新井満という作家が、次のように書いています。」(10分)
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/essay/araiman.html
に書かれていることを抜粋しながら読み聞かせます。特に、次の下りです。
ここで読者にはっきりと申し上げておかねばならないことがある。それはこの語がノンフィクションではなく、フィクションであったということだ。つまり、真赤な嘘。・・・・(中略)私の考えを申し上げると、その文学作品がフィクションであるかノンフィクションであるか、そんなことはどうでもよろしい。大切なことは事実かどうかではなく、そこに真実があるかどうかだと思う。作品に描かれた真実にこそ、私たちは感動するのである。(下線:筆者)
*先ほど出し合った「感動したところ」は、「人間の真実の姿」であることを強調する。
*真実のある行動や生活を積み重ねていけるよう努力しようと投げかける。

④「プリントに授業の感想を書いてください。」(5分)
*発表の時間は取らない。
*教師の思いがあれば、ここで語る。

6 実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ)
宇部市立西宇部小学校校長。
1961年山口県生まれ。山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事、山口県平生町立平生小学校教頭、同山口市立徳佐小学校教頭を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com/

7 編集後記

延々と連なる荒野に、孤独に耐え、何があっても挫折せず毎日毎日木を植え続けた一人の人間の話です。この話をゆっくり聞き、考えることで何があってもあきらめない、強い精神を学べると思います。また周りと意見交換することにより、気づきを表現活動に変えることが出来、共感してもらうことにより、表現活動の楽しさを知り、活発に自分を表現していくことが出来るようになる、素晴らしい授業だと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 三田村愛可)

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