2年生の卒業式(シリウス)

GOOD!
1775
回閲覧
15
GOOD

作成者:Kaori Naito (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

賞状をもらうのが嬉しくて大事にする2年生を見ていたらこんなことをしたくなりました。「式」の持つ意味が初めてわかりました。手間も時間もかけていませんが、とても心に残る実践になりました。

1.2年卒業生入場:BGM「カノン」など
  2.卒業証書授与:ミニ賞状を用意し、卒業式と同じ形式で渡す
  3.校歌を歌う
  4.2年生の思い出を一人一人言う:BGM「蛍の光」
  5.お祝いの言葉:担任がお祝いの言葉を言う
  6.記念品授与。あまったシール4枚ずつ
  7.2年卒業生退場:拍手しながら子どもたちを見送る。

2年生の子どもたちは賞状を喜びます。学期ごと渡していた画用紙の賞状でさえ嬉しがりました。また「大きくなった私・ぽく」の単元で、自分の自慢と思えるものを持ってきましょう、と呼びかけると、多くの子が賞状を持ってきました。大人には何でもないものでも、子どもにとっては大切なものであることを知りました。

そんな様子を見ていて、3学期は心に残る賞状を渡したいと「2年生の卒業式」をすることにしました。時期的にも、6年生の卒業式に向けた準備がされています。体育館はきれいに飾り付けられ、椅子や演台も準備されているので、それをそのまま使わせていただきました。

数日前に子どもたちを体育館に連れて行き「今度ここで2年生の卒業式をやるから今日は座る場所を教えるね。賞状をもらう練習もしてみよう」と椅子に座らせました。パイプ椅子に座るのは入学式以来です。あの頃は、床に着かずにブラブラしていた足も今ではしっかりと着くようになりました。

「名前を呼ばれたら返事をしてステージに登りお辞儀をするんだよ」と賞状のもらい方を教えました。いつもは騒がしい2年生もこのときばかりは神妙です。校歌や思い出を話すことも予告しました。卒業式前日には、家で賞状をもらう練習をしたようです。

さて「2年生の卒業式」当日。

CDラジカセから流れるBGMに合わせて卒業生が入場してきます。椅子にも順序よく座れました。卒業証書はいつもより奮発して、市販のミニ賞状を用意しました。その子が2年生で一番輝いた姿を一言書き添えました。

壇上に登ることなど滅多にありませんから、呼名される前は緊張して顔がこわばります。しかし、賞状を受け取るとにっこりとし(時には照れ笑いをして)ステージを降りていきます。賞状をもらったあと校歌を歌いました。

2年生の思い出を一人一言ずつ話すのですが、まだ小さいので大きな声は出ません。でも、28人の子どもと私しかいないので、広い体育館にも声がよく響きました。

私からお祝いの言葉を贈りました。話の内容はすぐに忘れてしまうでしょう。話し終えて、長い時間頭を下げました。大の大人から、しかも先生から頭を下げられた経験のない子どもたちは、どうしていいのか分からずとまどい、顔を見合わせていました。出逢えた喜びと感謝の気持ちを伝えたかったのです。

その後、記念品を一人一人に手渡していきました。特別な予算などありません。余ったシールを4枚ずつあげました。それでも子どもたちは「えっ、これもらってもいいの?」と喜んでくれました。

BGMで「蛍の光」が流れる中、「あ一あっ、このクラス終わっちやうのいやだなあ」とある子が咳きました。6年生を送り出すときには涙が出ずに「先生、何で泣いてくれないの?」と言われる私ですが、このときには思わず目頭が熱くなりました。

これまで「式」というものにそれほど必要性を感じていませんでした。しかし今回「2年生の卒業式」をして、式もなかなかいいものだな、と思いました。式は節目です。いつもと違う雰囲気の中に置かれると、自然と子どもたちは厳粛な気持ちになりました。

「もうこれで2年生は終わりなんだよ」「もうこのクラスとはお別れなんだよ」ということが式という場の雰囲気を通してわかるのでしょう。引導を渡されるのです。人の成長の節目節目に式があるからこそ、それが思い出深いものになります。

30分足らずの式でした。礼儀も作法もなっていない式でした。でも子どもたちは、いつもと違う神妙な気持ちで過ごした30分でした。

BGMに合わせて退場していく後ろ姿に拍手を送りました。拍手するのは、私一人ですから、拍手がとぎれぬよう大きく手を打ちました。私の方を振り返り振り返り、子どもたちは体育館を出ていきました。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

「2年生を卒業する」ということで、簡素ながらも卒業式を行って2年生の1年間を締めくくろうという、先生の子ども達への愛情がとても伝わってくる実践です。このような取り組みは2年生だけでなく、低学年の児童を中心に大変喜ばれると思います。この「2年生卒業式」で、子ども達は1年間の思い出を胸に抱きつつ、3年生になる実感を持ってしっかりと未来へと歩んでいってくれるのではないでしょうか。年度末にぜひお試しください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)

コメント

コメントはまだありません

    より良い実践のためには、あなたの励ましや建設的な対案が欠かせません。
    ログインして、ぜひコメント欄をご活用ください。