1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
5年生(高学年)の説明文をいきなり読み込ませることは難しいので、2年生の説明文を読むことで基本を押さえることにしました。
基本事項
2年生「たんぽぽのちえ」で、次の基本事項を押さえます。
- 問題提示「か」「~でしょう」「~してみましょう」
- 接続語「でも」「このように」
- 文末表現「~のです」
- 構成「問題の提示−問題の解明−まとめ」
流れ
流れは次のようにします。
- たんぽぽのちえの前半をそのまま配り読ませる。
- 後半部分(4段落分)は、バラバラにして配り、並び替えをさせる。
- バラバラにして配った4つの段落は、「問題提示」「問題の解明」、「まとめ」は、それぞれどれに当たるのかを考えさせる。→問題提示、接続語、文末表現に気づかせる。
- 説明文は「問題の提示−問題の解明−まとめ」という構成であることを教える。
- 5年生の本教材に入っていく。
教材文
たんぽぽのちえ
春になると、たんぽぽの黄色いきれいな花がさきます。
ニ、三日たつとその花はしぼんで、だんだんくろっぽい色にかわっていきます。そうして、たんぽぽの花のじくは、ぐったりとじめんにたおれてしまいます。
けれども、たんぽぽは、かれてしまったのではありません。花とじくをしずかに休ませて、たねに、たくさんのえいようをおくっているのです。こうして、たんぽぽは、たねをどんどん太らせるのです。
やがて、花はすっかりかれて、そのあとに、白いわた毛ができてきます。
このわた毛の一つ一つは、ひろがると、ちょうどらっかさんのようになります。たんぽぽは、このわた毛についているたねを、ふわふわととばすのです。
このころになると、それまでたおれていた花のじくが、またおき上がります。そうして、せのびをするように、ぐんぐんのびていきます。
ここからバラバラ。正解は、c→b→d→a
a. よく晴れて、風のある日には、わた毛のらっかさんは、いっぱいにひらいて、とおくまでとんでいます。
b. このように、たんぽぽは、いろいろなちえをはたらかせています。そうして、あちらこちらにたねをちらして、新しいなかまをふやしていくのです。
c. なぜ、こんなことをするのでしょう。それはせいを高くするほうが、わた毛に風がよくあたってたねをとおくまでとばすことができるからです。
d. でも、しめりけの多い日や、雨よりの日にはわた毛のらっかさんは、すぼんでしまいます。それは、わた毛がしめって、おもくなると、たねをとおくまで とばすことができないからです。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
国語の説明文を読み、理解することは、難しいことだと思います。この実践の教材は、小学校低学年で使用する読みやすい文章を使い、読解の基本を身につけることができます。ぜひ、国語の授業で取り入れてみてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 川原悠成)
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