植物をしらべよう②~ホウセンカ~(シリウス)

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作成者:Jun Mizushima (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

目次
1. ホウセンカモデルを作って考えよう
2. ホウセンカの種飛ばし
3. ねっこ比べコンテスト

1.ホウセンカモデルを作って考えよう

子どもは植物が生きているかどうかあまり気にしていない。中には生きていない、と考えている子もいる。しかし植物は生き延びるための戦略をしっかりと持ち、工夫をしている。そんな植物の知恵について気づかせたい。
(以下、赤字部分が教員の発問部分です。)

少し大きくなってきたホウセンカ、葉っぱがどのようについているのか模型を作ってみよう。

茎として発泡スチロール、葉は色画用紙を用意した。葉には爪楊枝をつけておいて茎(発泡スチロール)に刺していった。形を見ると、それぞれ個性的な形をしている。自分の頭の中にあるイメージで作ったようだ。そこで今度は実物を見に行くことにした。

 
本物のホウセンカと作った模型を比べてみよう。

まずは、大きさと葉の枚数を数えてみた。前回よりもずいぶん大きくなっている。次に本物そっくりになるようにホウセンカの模型を作り直した。本物を見比べながら作ると色々なことに気づくようだ。

ホウセンカの模型を作って、何か気づいたことがありますか。
・下の葉っぱは大きくて、上の葉っぱは小さい。
・上の葉っぱは斜め向き。
・葉っぱはいろんな方向に向いている。
・下の葉は平らになっている。

このような気づきが生まれたところで

なぜ本物の葉っぱは外側のいろいろな向きに広がっているのでしょう。

  • 同じ向きだと次の葉っぱが出てくるときに、邪魔になるから。
  • いろいろな向きに葉っぱが広がらないと、葉っぱと葉っぱが絡まっちゃうから。
  • 大きくて広がっている葉は大人の葉で、すごく日に当たりたい。小さくて縮んでいるのは、まだ子どもの感じだと思う。
  • 外側はお日様に当たりたいからだと思う。中の葉っぱはまだ小さいからお日様に当たらなくても大丈夫。

4人の考えは大きく「からまないため」「日光に当たるため」の二つに分けることができた。「友だちの考えを聞いて思いついたことや、そうだなぁ」と思ったことはありますか?
と問うと
・小さな赤ちゃんの葉っぱは、周りを包まれて守られていると思う。
・大きな葉は太陽の光がよく当たるように平らに広がっている。
・小さな葉っぱに太陽の光がよく当たると、乾いてひからびちゃうから、縦になっているんじゃないか。

子どもらしく的確に表現するものだなぁ、と感心した。そこでホウセンカの模型に太陽の光がよく当たるかどうか確かめてみると、光はよく当たった。この後、もう一度本物のホウセンカを見てみると、葉が重ならないように位置をずらしていることがわかった。

校庭の雑草も光がよく当たるように葉をつけているか確かめてみよう。

校庭の雑草もホウセンカと同じように、葉が重ならないように互い違いに葉を出し真上から見るとちょうど円形になっていた。日光が無駄なく当たるようになっているのだ。

授業の感想
・植物だってただ咲いているだけじゃなくて、お日様が当たるように工夫されているんだなぁ、と思った。
・植物のことがいっぱい観察できたし、植物のことがわかってよかったです。
・私はそれぞれの葉っぱの向きが違うのが「そうだったんだ!」と思いました。
・他の葉っぱにもいろいろと工夫があって、葉っぱのことをよく知ることができました。
 

2.ホウセンカの種飛ばし

次の時間には、ホウセンカの種に注目した。これまでの観察から子どもたちは
・花の咲いた後に種ができている。
・種を触るとパチンと弾けてたねが飛ぶ
ということに気づいている。そこで今回は種が食べたどの方向にどのくらい飛ぶのかを調べた。

ホウセンカがどのくらい弾けて飛ぶのか調べてみよう。

同心円が描いてある模造紙の上で熟したホウセンカを触るとパチンと種が弾けて飛ぶ。一人やってどの方向に何センチくらい何個の種が飛んだのかを調べた。

半径30センチの円を描いたのだが、それを見て子どもたちは
「そんなに飛ばないよ」「先生もよくからないしやってみようよ。やってみなくてはわからない」と実験開始。その結果は

距 離     種の数
 0~5cm   21個
 5~10cm  45
10~15cm  15
15~20cm  23
20~25cm  25
25~30cm   5
30cm     28
54cm      1(最高記録)

方角は東に落ちたものが多かった。これについては

風が西から東に吹いているからだと思う。

そこで
なぜホウセンカがバラバラにはじけるのだろう。 
・種が落ちてバラバラにならないと咲いた時にぎゅうぎゅうになって倒れたりしてしまうからだと思います。
・種は同じ場所にいると嫌だから。
・くっつくと同じところに種があって当たろうとしても当たらないから。
・くっついていると栄養がみんな届かないし日が当たらなくて成長しないから。

このように子どもたちは種が飛ぶ理由について考えることができた。正しくその通りである。後ヒマワリの種やアサガオの種と比べて、ホウセンカは遠くへ種を飛ばす仕組みを持っていることを確かめた。

授業の感想
・ホウセンカが暮らしやすいようにはじけて工夫をしているんだなと思います。
・ホウセンカの種では遠くに行って陽に当たりたいという気持ちがよくわかった。
・ホウセンカは色々と飛び散るけれどアサガオやヒマワリは「ポト」と落ちるのは初めて知ったので嬉しかったです。
・私は今日勉強をして知らなかったことがたくさんあってても楽しかったです。ホウセンカかも割るとしきりがあってわれる時がとても面白かったです。

3.ねっこ比べコンテスト

植物の作りを学ぶためにねっこ比べコンテストをした。ルールは簡単

雑草を引っこ抜いて誰の根っこがいちばん長いか比べこしましょう。

たったこれだけのことであるが盛り上がった。雨降り直後だったので、根が長く抜けた。私が抜いた根に子どもたちが挑戦してくるのだが、次々に敗退。「あーん、悔しい!」と思わず声が上がる。抜いているうちに草丈よりも長く根が生えていることに気づいた。

その後ねっこの本数と葉っぱの数を数えた。

ねっこを洗って根が何本あるか数えよう。葉っぱの枚数とどちらが多いですか。

どうも思った以上に子どもたちのウケがよかった。葉っぱの枚数よりも多くの根があることに気づいた。中でもオオバコの根が一番たくさんあった。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

植物の葉がなぜバラバラについているのか、ホウセンカの種がなぜ飛ぶのかについてしっかりと理解ができたようです。植物の形や仕組みにも理由があることが分かると思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 水島淳)

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