教育実習生に伝えたいこと(シリウス)

GOOD!
22120
回閲覧
15
GOOD

作成者:Moe Jinnouchi (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

教育実習生を指導する教員向けの記事です。学生に伝えたいことがまとめられています。
現場の先生方の考え方や後半には先輩の授業を見る視点もあります。これから教育実習へ行く方も、ぜひ参考にしてみて下さい。

教育実習生にまず聞くこと

本当に教師になる気があるか?単位だけか。単位だけの者に時間をかけて丁寧に教えることは、お互いにとって不幸なこと。

子どもとの接し方

  • 子どもの名前をすぐに覚えること。
  1. ICレコーダーで名前を繰り返し聞く。
  2. 座席表を見ながら聞く。子どもの特徴をメモしていく。
  • 子どもとたくさん遊んでほしい。
  • 優しくすることと、厳しくすることの区別を考えて、子どもと接する。

→ 教員と子どもという立場の違いを意識する。どこで区切るか。

子どもの表情のとらえ方

  • 発表したいとき(顔を上げて眉毛が動く、小指がかすかに動く、教師の方を向く)
  • 発表したくないとき(下を向く、顔を背ける)
  • わからないとき(目尻が下がる、重い空気が流れる)
  • わかったとき(笑顔になる、口もとがゆるみ、明るい表情になる)
  • 心に落ちたとき(なるほどという顔を、驚いた顔をする、無口になる、動かない)
  • 心に入っていかないとき(体が動く、いすをがたがたさせる、横を向く)

指導教諭の成長

実習生に「教えてあげよう」と思わないのが一番。「教えてあげよう」という気持ちで臨むのではなく、この機会に自分の教育観の転換を図る機会とする。

自分が学級づくりをしてきたものを外部の目で見る。つまり、自分が経営してきた学級を、自分でチェックできる。本来は実習生の授業を見るわけだが、そのことにより自分の学級経営の足りない部分が見えてくる。

実習生には内緒でイベント(実習生の歓送迎会など)を計画して準備すると学級がまとまる。

自分らしさをさぐる

できるだけたくさんの先生の授業を見る。学校中の先生の授業を見られるなら、それが最善だ。

教師は自分の資質に合った授業をするのが一番よい。教えたい人、子どもから引き出したい人、どんどん前に出たい人、じっと待っていたい人、などなど、自分の資質に合う授業スタイルを作ることが大切。そのためには、まずいろいろな先生の授業を見て、自分に合うものを探るとよい。

教員としての目ざすべき方向に出会うことが、まずは大事である。目指す教師像に出会い、自らの進むべき方向を決められた人は幸せだ。自分にあったスタイルを確定できたのなら、目的はもう半分以上達成したようなものである。

専門職としての力量をつける

参観の前か後に、一つ一つの授業行為の意味を聞いてみたり教えたりする。子どもがノッていたとき、どうしたからそうなったのかを解説する。

一日一つずつ現場で役立つことを見つけさせながら教えていく。教えることを「今日は○時間目をよく見てごらん」と声をかけ観察させる。実習生が気づいたことをノートに書くので、返事でその解説や意図を簡単に記す。そしてそれを補足するための資料を渡す。例えば「授業をする12のポイント」などを毎日一つずつ教える。

研究授業

研究授業では、いろいろ尋ねて意識をだんだん明瞭にしてあげる。感覚としては、作文指導のような感じ。どの教科がいいのか、どの単元がいいのか、この単元でどんな学習活動(話し合い、実験、調べ、班学習、発表会)が考えられるかなどを提示し選ばせる。単元が決まったら先行実践をさがして提示し、授業案ができたら子どもに発する言葉として通用するか(たいていは、意味不明で通じない)、授業には山場があるかなどを見てあげる。

実習生が迷っていたら、いくつかの選択肢を提示し選ばせ、やりたいことをはっきりさせてあげる。複数の選択肢をすぐに提示できる指導教諭側の力量が必要。

学校体制との連携

実習生担当の窓口になる先生と、しっかり打ち合わせることが大事。どうしても、実習生担当の担任に負担がかかる。仕事を分担しないと、知らぬ間に指導以外のこともすべて任されてしまう。

教えたいことと育てることの違い

【教えたいこと】

  • 教材の価値
  • 教材から見える人間的、生活的な部分
  • 学びの方法いわゆる「学び方」

【育てること】

  • その子が生きていく上で必要な技能、意欲
  • 教材を超えた人間性の部分

先輩の授業を見るときのポイント

1. 立つ位置

  • 前からだんだん後ろへ:指示の時、考えさせるとき、子ども同士話し合いの時

2. 表情

  • 笑顔だけではだめ

3. 腕の動き

  • 組んだり、手招きしたり、指さしたり

4. 目線

  • ぐるっと見回す、ある子で止まる、見てほしい子にテレパシーを送る。

5. 声の出し方

  • 声色、大きさ、抑揚、誰に向かって言っているのか
  • 指示の出し方:一時に一事
  • 教師がしゃべるのは授業時間の3割以内

6. 服装

  • ジャージは×。腕まくり。
  • 授業の途中で上着を脱げるようになれれば一人前。

7. 机間指導

  • ぶらぶら歩いていたら×。
  • 教師の一言で変わらなければ机間指導と言えない。

8. 板書

  • チョークの使い方、色を多用しない、学習問題の書き方、一時間で一面。
  • 指導跡のわかる書き方、点々、線、矢印の使い方、イラスト、絵を入れること。
  • 写させているか、板書の速さは子どもと同じ。板書ノート

9. 話し合いのさせ方

  • 意見が出ないとき、二人組やグループ、助言の仕方、意見のまとめ方
  • 少数意見から絞っていく、二つの意見にまでしぼり授業を終えるタイミング

10. 子どもたちの表情

  • 楽しく真剣に、笑いがでてやっているか
  • 全員が参加しているか

11. 子どもたちがノートを綺麗にとっているか

  • 鉛筆や用具はそろっているか、机の上は?

2 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年3月9日現在)

3 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

4 編集後記

教育実習に行く学生さんは初めて立つ教壇を想像し、心配なことや不安なことが次から次へと出てくるしょう。でもそれは実習生を指導する立場にある教員の方も同じではないでしょうか。
この記事で紹介されていることを参考に、指導担当教諭の方々がそれぞれの伝えたいことをシェイプしていければと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 陣内萌)

コメント

コメントはまだありません

    より良い実践のためには、あなたの励ましや建設的な対案が欠かせません。
    ログインして、ぜひコメント欄をご活用ください。