エビデンスに基づく教育実践☆5ステップ☆

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作成者: 森俊郎さん

エビデンスに基づく教育の前身であるエビデンスに基づく医療は、臨床医、つまり、実際に治療を行う医者から生まれたもので、実践がその基盤にある。筆者の中で、この「5ステップ」は重要な道具となっている。
 早速、実践を基盤においた5ステップを紹介する。5ステップは、その名の通り位、以下の5つのステップで取り組まれる。

ステップ1:問題の定式化
ステップ2:情報収集
ステップ3:批判的吟味
ステップ4:適応
ステップ5:中止と継続}

各ステップを簡単に説明していく。

ステップ1

:今、判断を求められている課題をまとめる。

ねらいを明確にするということである。特にPECOモデルと呼ばれる形式に当てはめると考えやすい。

Pは、対象となる生徒
Eは、内容
Cは、どんなことに対して
Oは、効果である。

例えば、中学校一年生の実践であれば、
P:自分の担任している学級の中学一年生の生徒全員に
E:構成的グループエンカウンターを行うと
C:行わない場合に比べ
O:学校生活の不安感をへらすことができるだろうか
といった具合である。もちろん、これは一例であって、各実践の場によって異なってくるだろう。

ステップ2

:その課題に基づいて最も妥当な情報を探す。
 教師は普段、どのような所から実践する情報を手に入れているのだろうか。加登本(2014)によれば、(2014)によれば、小学校教師の多くは、「同僚教師」「インターネット」「文献」から得る情報によって実践上の悩み事を解決しており、教育に関する研究論文を参考にしている教師はほとんどいない。
 忙しい教育現場において、様々な文献を収集することが難しいが、可能な限りのエビデンスに基づく情報を手に入れたい。

ステップ3

:手に入れた情報を批判的に吟味する。
 先ほど述べたように、情報には確かなものもあれば、不確かなものもある。教師は、必要な情報、頼りになる情報、その情報の意味するところ、さらにその情報の活かし方を身につける必要がある。

ステップ4

:その吟味結果を基に判断を下す。
様々な情報を得て、いざ実際に実践を行おうと思った時に、考えなければいけないことは、児童生徒の実態にあっているのかということである。特に、対象となる年齢、自分の力量、志向性などが異なってい場合、いくら確かな情報から得られた優れた実践であっても期待通りの結果が出ることはないだろう。

ステップ5

:一連の作業を振り返る。
もし実践の効果が期待通り、もしくは期待以上の成果を上げていれば、継続していくだろうし、残念ながら、好ましくない結果になった場合には、中止、もしくは、更なる改善がなされなければいけないだろう。この際にも、個人の勘や経験のみではなく、第三者の客観的な意見、もしくは科学的なデータに基づいて検証されるべきだろう。

終わりに

 この5ステップは、実践そのもののみを検証するのではなく、このように実践を生み出すプロセスも検証の対象となる。例えば、授業研究会で言えば、授業がどうだったのかを検証するだけでなく、授業づくりのプロセスがどうだったかも検証するといった具合である。
 
 筆者らが先導している、(Evidence Based Education:EBE)研究会では、エビデンスに基づく教育についての調査研究に加え、このように実践に役立つ方法も紹介されている。

よろしければ研究会HPをご覧頂きたい。
「エビデンスに基づく教育研究会」
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【参考文献】
・加登本仁 Evidence Based Education研究会 第11回大会発表資料
・名郷直樹 名郷直樹のその場の1分、その日の5分 日本医事新報社
・中井俊之 Evidence Based Education研究会 第9回大会発表資料

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