1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性…多世代が関わり合うことで、異なる価値観の共有や今まで気づかなかった新たな発見を得る機会を養います。
* 連携性…学年を超えた学習機会により、自己表現力や仲間意識が醸成されます。
* 責任性…地域課題の発見や解決のためのアイデア着想の経験から、地域の一員である自覚を育みます。
ESDで育みたい能力・態度
- 【未来】未来像を予測して計画を立てる力
地域の課題と自分の生活を結び付け、学習と活動を通して地域の未来に向けた主体的な行動力を高めます。
: 【多面】多面的、総合的に考える力
地域住民といっしょに学びあうことで、多世代が共感できるコミュニティのあり方を考える意識を養うことができます。
: 【伝達】コミュニケーションを行う力
グループワークやプレゼンテーションを通して、コミュニケーション技能が身につきます。
プログラムの目標
- 地域の公園の調査・研究を通して、公園の役割や地域の公園が抱えている課題を知り、その解決方法を探る。
- 中学生が地域住民と持続可能な地域づくりについて共に学び、多世代が共感できるコミュニティのあり方を考える意識を養う。
- このまちにくらしたいというテーマのもとに、社会の課題と身近な暮らしを結びつけ、新たな価値観や行動を生み出す。
プログラムの概要
価値観やライフスタイルの多様化に伴い、現在の公園は危険や騒音の問題などを抱え、地域の環境の変化に適応できないまま、利用規制などにより公園の利用頻度を減少させている実態がある。そこで、公園の現状やあそび場づくりの事例を学ぶとともに、地域の公園の利用実態などを調査することで、自分たちの身近な公園が抱えている課題を知り、その解決方法を考える。そして、みんなが幸せに使える公園・あそび場の実現に向けて、地元住民の声を集め、公園を活用したイベントを企画実施する。
学習指導要領との関連
- 中学校1年 理科/第2分野
- 中学校1年 社会/地理
- 中学校 道徳
- 中学校 総合的な学習の時間
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
引用元
4 編集後記
中学生にとってまだまだ身近な存在である「公園」を題材に、「くらしやすいまち」とは何か、さまざまなニーズをもった人が地域を作り上げていること、自分たちもその一員であることを自覚することができます。本プログラムでは、学校と公民館に加え、地域に密着したNPO法人が連携して実施していますが、地域ごとにさまざまな協力の形をとることができると思います。
中学生ということで、「1年間の行動計画」といった長期的な視点でプロジェクトを見ることが、まさに持続可能な未来や社会づくりにつながると感じました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐竹琴奈)
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