1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
擬態語を見つける楽しい授業をおこなった。「つるつる」「くたくた」「ゆるゆる」といった擬態語・擬音語は子どもの生活の中に「ごろごろ」している。ところが文章の中にそれを表現しようとするとたちまち「へなへな」とした文章になってしまう。豊かな表現力が「みるみる」つくように授業をおこなった。
「□ら□ら」という言葉の中に、字を1つ入れるとするとどんな言葉がいいでしょう。
子どもたちは「すらすら」といくつかをあげた。「ほらほら」「こらこら」など、いくつも見つけることができた。
どんなときにその言葉を使いますか。
子どもたちは「ぺらぺら」とよくしゃべる。
- お母さんが宿題すんだの?と「ほらほら」
- 宿題すませてないと「こらこら」
- 冷蔵庫に何も入っていなくて「あらあら」
- お父さんがお酒を飲んで「ふらふら」
どれも「なかなか」ユニークである。中には「お母さんね、冷蔵庫に何も入っていないと、ちょっとお使いいってくんねーって、買い物いくんだよ」という子がいてそれを聞いたみんなは「げらげら」。
こんなふうに「□ら□ら」を使って、一つのお話を作ってみよう。
このように呼びかけると、子どもたちは「めらめら」意欲を燃やした。「さらさら」とこんな作文ができあがった。
- 雨がふってきて ぱらぱら
- つまんなくなって本のページを ペラペラ
- おもしろいのを読んで げらげら
- お母さんが勉強しなさいと イライラ
- 楽な勉強なので すらすら
- そのときじしんが ぐらぐら
- ぼうそうぞくが通って パラパラ
- そうぞうしいとお母さん イライラ
- ベランダからおせっきょう ペラペラ
- 今日のごはんがきまらなくて イライラ
- 私はテレビで ゲラゲラ
- きょう一日、お母さんは イライラ
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
子どもたちの「きらきら」豊かな感性を引き出す国語の実践です。日常の風景も擬音語や擬態語で詳しく表すことができるのだということがよくわかります。面白いなと感じたのは、お母さんに関する描写の「イライラ」率が高かったことです。
お母さんは怒ると怖いイメージが強いのでしょうか、子どもたちが家でのお母さんの様子を思い出して「イライラ」と書くのを想像して、なんだか微笑ましい気分になりました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)
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