縄文時代のくらし ~季節はいつか~(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

縄文時代のくらしについて絵を見ながら学習を進めた。絵を見ながら考えることで、よりわかりやすくなるのではないかと考えた。
 

発問1 この絵は何時代のことだと思いますか
子どもたちが注目したのは

  • 土器

などであった。そこで教科書の中から証拠になる資料をさがすことにした。教科書のあちらこちらをじっと見つめている。やがて「あっ」という声とともに縄文式土器の写真を見つけだした。絵のなかにも縄文式土器を使っている絵がある。
これは縄文時代の絵であることがわかった。

「有田式調べる力を鍛えるワーク」社会科教育No.339(明治図書)有田和正著 p46,46

発問2 絵を見て気がつくことを何でもいいから発表して下さい。

  • 大人がヤリを持っている。火を燃やしてもうもうとしている
  • 水に入っている人がいる
  • 動物をヤリでさしている。
  • 食べ物にしようとしている。
  • 何かを埋めている。
  • 船の人もヤリを持っている。
  • 下の方の女の人が何かを混ぜている。

以上のことをもとに、子どもたちにズバリ尋ねた。
 

発問3 この絵は、春・夏・秋・冬のいつですか?

子どもたちの予想は全員が夏だった。その理由は

  • 火を燃やしていて、お祭りをしているみたいだったから
  • 水の中に入っている人がいる

水の中に入っている人がいるところから、この人たちは何をとっているのかを考えさせた。絵をよく見ると手にざるを持っているのがわかる。ここから採っているのが貝かドジョウのどちらかだろう、ということになった。
 

発問4 採っているのは、貝ですか、ドジョウですか

貝かドジョウかの視点で絵を見ていくと、袋に入れて運ぶ人、手前で仕分けをしている女の人、穴に殻を捨てている人が見えてくる。貝塚や貝を食べていることがこれからわかってきた。
 

発問5 ではこの貝を食べるのはいつの季節なのでしょう。資料集をよく見てごらん

資料集には「鳥浜貝塚の人々の1年」という資料がある。これによると、貝を一番食べたのは春であることがわかる。絵の中で貝塚に多くの貝殻があること、貝を大勢で採っていることから季節は春だということがわかった。

3 参考資料

有田和正『調べる力・考える力を鍛えるワーク—社会科の基礎・基本学力をつける』(明治図書出版、2002)

4 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

5 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

6 編集後記

今回の授業では縄文時代の暮らしの想像を児童がした結果、正解とはずれた結果を予想していました。そこから、実際に資料集の絵を参考にしながら、本当はどうだったかを検討していきます。そうすると、当初の予想とは違う結果がわかってきました。歴史はきちんと証拠の事物を考察して結論を導き出すものですが、そのことを体験できる学習だったと思います。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 坂本一途)

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