285714は不思議の数字 ~ダイヤル数の秘密~ (シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

不思議な計算について学習しました。まずは子どもたちにプリントを配り、次の問題を計算させました。電卓は使ってもいいことにしました。
 

発問1 142857×2=を計算して下さい。

「答えは、285714ですね」と確認したあと次の問題も同様に計算させました。
142857×3=428571
 

発問2 2つの答を見て何か気がつくことがありますか

子どもたちはしばらく答えを見ていたが、首をひねるばかりである。そこで「×2の時の数の順番が×3の時ではどうなっているか比べてごらん」と子どもたちに声をかけました。

すると、子どもたちは
* ×2の時の285714が×3の時にも4が一番左に行って28571になっている
* 問題自体も(142857)14が左にいっているけれど、285714と読める
ということに気づきました。
 
このような計算によって出てきた数が、もとの数字をくるくる回したようになっている数のことををダイヤル数と呼びます。子どもたちにダイヤル数のことを話しました。

142857×4、×5、×6についても調べよう。

子どもたちは電卓片手にスイスイ計算をしていきます。他の場合でもやはり285714になるのでしょうか。
 
142857×2=285714
142857×3=428571
142857×4=571428
142857×5=714285
142857×6=857142
 
どれも見事に285714が出てきました。子どもたちは「おもしろーい」と言ってはしゃぎながら計算をしていました。

発問3 142857×7=も285714が出てくるでしょうか?

 
子どもたちは、これまでの結果から285714が出てくるものと信じ切って電卓で計算していました。最後に=のボタンを押し終わるとあちこちから「あれっ?」という声が聞こえてきました。
 
142857×7=999999
 
何と不思議なことにオール9になってしまうのでした。

142857×8以降ではどうなるでしょう

142857×8 ×9ではどうなるかと計算してみると
 
142857×8=1142856
142857×9=1285713
 
数字だけを見ると285714の数字が崩れてしまったように見えます。しかし、一の位と百万の位の数を足すと見事に285714が現れてきます。
 
×8のとき → 142857(百万の位:1 + 一の位:6)
×9のとき → 285714(百万の位:1 + 一の位:3)
子どもたちは飽きることなく追究を続けました。10以上の数をかけたときにもこの法則が成り立つかを調べていたのです。
 
142857×10=1428570 → 428571
142857×11=1571427 → 571428
142857×12=1714284 → 714285
142857×13=1857141 → 857142
142857×14=1999998 → 999999
142857×15=2142855 → 142857
 
このように両端をたすと必ず 285714 と 999999 が現れるのでした。特に×14のときには、「また出た!」と子どもたちは大喜びでした。子どもたちは面白がって、休み時間も忘れ×100まで計算を続けていましたが、やはり285714が現れました。すばらしい大発見でした。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

小学生の算数の範囲でも、この実践のように数の不思議に触れられる内容、数学の面白さの一端に触れられる内容はあります。児童の中にはきっととても興味を持ち惹かれる子も出てくるでしょう。なにより、このダイヤル数は循環小数と深い関係があるため、割り算の範囲でもう一回話題にできることも魅力的です。ぜひ参考になさってみてください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 新井 理志)

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