怒らない指導法

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1 はじめに

児童や生徒と関わっていると、カチンと来たり、イラッとしたりすることってありますよね。その感情のまま怒ってしまって後悔するのは嫌ですし、反対に、「あの時、もっとしっかりと言っておけばよかった」という後悔もしたくないものです。
 なぜ怒るのかというと、多くの場合は、「ルールを守ってほしい」、あるいは、「未来のために今を大切に生きてほしい」という願いからだと思います。
 その想いを正直に伝えられたらいいですね。

2 実践内容

まず、感情が先に立って、イライラした状態でいるときは、何も行動せずに心を落ち着けます。怒りのピークは6秒間、といわれていますから、まずは、6秒間、何も行動することなく、怒りが静まるのを待ちましょう。
オススメは、その場から離れること。そして、深呼吸をすることです。

イライラしているときは、呼吸は浅くなります。
意識して深い呼吸を続けることで、だんだんとイライラも収まっていきます。
そうして心が落ち着いてきたら、「将来、同じことを繰り返さないためには、どう伝えたらいいか」を考えて伝えましょう。
その際に、自分自身の願いを、感情についての解説も含めながら伝えると効果的です
これは、NVC(Non Violent Communication)と呼ばれる手法ですが、①観察、②感情、③理想、④要望、の順番に伝えると、相手にもより伝わりやすくなります。

たとえば、全校集会の時間にふざけている児童や生徒がいて、イライラしたとします。
 そんな時には、イライラの原因の感情・願いにも触れながら、児童や生徒に語りかけましょう。
 
「集会中にふざけている人を見ると、イライラしてしまうんだ。他の先生に比べて、自分の指導力が低くて、情けなく感じるのかもしれない。あるいは、他の先生から、『あの先生はダメだ』と思われてしまいそうで怖いのかもしれない。もちろん、みんなの将来を不安に感じる気持ちもあると思う。本当は、集会中、みんなには静かに過ごしてほしい。そうすれば、先生も安心して見ていられる。そうしたらきっと、他の先生からも、『あの子たちも成長したなぁ』と思ってもらえる。先生もますます胸を張ってみんなを見ていられるようになる。だから、集会中は、『将来のために静かにする訓練の場』だと思って、ふざけたりせずに過ごしてほしい」と。

ただ怒られるのではなく、先生の願いを耳にした生徒は、少なからず何かを感じ取ってくれます。こうした「感情のコミュニケーション」をすると、子どもの心が育まれる、といわれています。
まずは先生から、「感情のコミュニケーション」をすることで、児童・生徒の心を豊かに育んでください。

3 執筆者プロフィール

文 プロコーチ 西畑良俊


 

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