運動、競技における安全意識と安全対策の必要性

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1 危険性に対する考え方

組み体操もムカデ競走も柔道もラグビーも、危険性の高い競技です。これらの競技にかかわらず、サッカーもバスケットボールもけがの多いスポーツです。が、だからといって、その競技がなくなることはありません。むしろ、ラグビーは今回の大活躍を機に、2019年に向けて今から広めたいとしているところでもあります。
「危険」は、競技を中止したり取りやめたりする理由にはなりません。ただ、危険に対する意識が低下するようなことは、決してあってはならないことだろうと思います。
ラグビーは、一つまちがえば命の危険もあることを互いに承知で、互いに十分な尊厳を持って戦うから成り立っている競技だろうと思います。エキサイトして、いよいよ本気でやっつけてしまいたいと思ったときにこそ、その気持ちを上回るセーブ・エネルギーが沸き立つから、ここまでの伝統を築いているのだろうと推察しています。

2 教員に必要な指導姿勢

ところで、たとえば、組み体操やムカデ競走で、骨折などの重大な事故が起こったとき、これを職員会議で共有していることと思いますが、このことを聞いた職員の反応はどうでしょうか?
「ああ、かわいそうだなあ。でも、けがはあるものだから、仕方ないなあ」
と思ったりしていないでしょうか?
これこそが、危険なのです。「仕方ない」−−これほど危険な認識はありません。もし、そういう反応が職員会議にあるなら、やめたほうがいい。そういう学校なら、やめたほうがいい。
教員は、まず安全対策の不備に思いをいたさなければなりません。安全にできるように指導したはずが、できなかったことに思いをいたすこと。次いで、安全対策を強化すること。打つ手が思いつかないなら、これもまたやめたほうがいい。「こんなことならやめたほうがいい」関門をくぐって、安全対策を積み上げていくなら、競技は継続してしかるべきだろうと思います。
柔道では、危険性についての問題が出たときに、技を制限したり、セカンドインパクトについての認識を深めたりました。そのことで、競技は続けています。その後は、重大事故は報道されていません。
組み体操やムカデ競走はどうでしょうか。ひょっとして、「仕方ない」と言ってませんかね。
骨折したら痛いですよね?生活や勉強に影響ありますよね?親はきっと肝を冷やしましたよね?「骨折ぐらいで済んでよかった」と言うかもしれませんが、それは裏を返せばとても危険だという認識を持っているということでもあります。全教員が、そう思っていますかね?
具体的な安全対策を提案された記事を読ませていただきました。とても重要なことだと思います。ぜひ対策をとって、安全に実行できるよう見直しをかけていただきたいと思います。
運動会、体育祭は全員参加です。子どもは逃げられないわけで、逃げられないようにしておいて、誰かが重いけがをするかもしれない可能性の中で実施するのは狂気の沙汰です。だれもが安全に実施できる方法によって実施されなければなりません。それによってもけががあったときには改善する。これがプロの仕事だと思います。

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