1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
新しいエネルギーを考えよう ~考え、話し合い、体験し、 新しいエネルギーについての考えを発信する~102-1.pdf
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性…エネルギー資源について、世界の中ではそれぞれの地域の特性を生かした資源があることに気付かせることが大切である。
- 有限性…エネルギー資源での化石資源は有限であり、それをいかにして使用していくのかを調べ考えていく。
- 責任性…エネルギーの現状を理解するだけではなく、それぞれの国での利害関係についても理解する必要がある。子ども達なりに判断し考えを出していくことが大切である。
ESDで育みたい能力・態度
- 【批判】批判的に考える力
エネルギーの作られ方にはそれぞれ長所と短所がある。それを調べたり体験したりすることで子どもなりに判断できる能力が育まれる。
- 【協力】他者と協力する態度
グループ児童自らが実験装置等を動かして、それぞれの発電原理を発見させ、より協力する力が育まれる。
- 【関連】つながりを尊重する態度
エネルギー資源の乏しい我が国の現状から、どのようなエネルギーを作っていくのか社会やもののつながりを考える力をつける。
プログラムの目標
- 日々の暮らしの中で使っている電気がどのようにして作られているか理解する。
- 電力の使用量は私たちの暮らしの中で使う電気器具の増加とともに増え続けていることに気付き、生活様式の変化がエネルギー資源の枯渇や環境問題、経済の国際化とかかわりあっていることを理解する。
- 電力の使用量や発電方式は、国によって異なり、エネルギー資源や生活様式などを反映していることを理解する。
- 発電は環境に負荷を与え、発電方式によって負荷の大きさが異なることを知る。
- より良いエネルギーの使い方を考え、自ら実践できることを提案し、行動する態度を養う。
プログラムの概要
さまざまな発電の方法があることを実験によって学び、それぞれの発電方式の長所と短所を考える。日本の発電量と発電方法による比率を他の国と比べて、違いを考える。また、日本の発電量と発電方式の変遷を年代別に見ることによって、電化製品の歴史やエネルギー資源を他国に頼る現状を理解する。さらに、発電方式による環境負荷の違いを理解し、将来のエネルギー利用を構想し、地域、家庭、学校で実行する計画にまとめ、発表する。これらの学習を通じて、エネルギー資源に限りがあること、環境への負荷の少ないエネルギーの利用について、批判的・多面的に考え、より良いエネルギー利用のために自ら行動する態度を養う。
学習指導要領との関連
- 小学校5年 社会
- 小学校6年 理科
- 小学校5,6年 家庭科
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
新しいエネルギーを考えよう ~考え、話し合い、体験し、 新しいエネルギーについての考えを発信する~102-1.pdf
引用元
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」プログラムを探す
- ウェブサイト「ESD環境教育プログラム」 地域ESDプログラム(東京都)新しいエネルギーを考えよう ~考え、話し合い、体験し、 新しいエネルギーについての考えを発信する~
4 編集後記
電池の実験を最初に行うことで、児童が電力について自分の身に置き直して考えることができそうだと思いました。ESDの実践は昨今の教科横断的学習の流れに沿ったもので、参考にできることが多いと感じられます。環境だけではなく、身の回りの出来事を主体的な問題として捉えられるような授業を考えていきたいです。(編集・文責:EDUPEDIA編集部 坂本一途)
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