ヒトの体のつくりと運動1・2(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

 ヒトの体のつくりと運動1「腕ずもう大会をしたよ」

4年生で新しく「ヒトの体のつくりと運動」について学ぶことになりました。教科書の挿し絵の写真を見ていると長縄跳びやサッカー、バドミントン等運動している様子がありました。よく見るとどれも腕や足を曲げています。体を動かして力を出す時には、手足を曲げるらしいということに気づきました。

そこで

 ①腕ずもう大会をしましょう。

と呼びかけました。子どもたちは大盛り上がりです。まずは班の中で予選リーグを行い、その後、決勝トーナメントをしました。予選リーグは総当たり戦です。勝ち点3点、引き分け0点、負け0点の合計点で班の優勝者を決めました。決勝トーナメントは引き分けなしの勝ち上がりです。この腕ずもう大会はめちゃめちゃ盛り上がりました。特に決勝トーナメントは選手も声援もすごかったです。

3分以上やっても勝負がつかなかった子、握った手が全く動かずピタッと中央で止まっていた子、ぎりぎりまで押し込んだかと思うと反対側へといったりきたりの子、右手では勝負がつかず左手もやった子など、です。結局、優勝したのは女の子でした。

思いっきり体を使って力を出して、どんな事を感じたのでしょう。

 ②力を出すとき、腕ずもうをやって気づいたこと。

  • 力を出しすぎて負けてしまうこともある。勝ってもう1回やると力が出ない。
  • 勝とうとすると力が出る。力が出ると顔が赤くなって汗が出る。
  • 左手と右手の力が違うと感じた。
  • 力があるときには結構いけた。やりすぎると腕の力が全く働かなくなった。
  • 勝つためには手首に体重をかけて思いっきり力を入れる。
  • 自分の強い方の手であるとすごく力が出た。体は斜めになっていた。
  • 肘が曲がった時に一番力が出た。
  • 筋肉を固めると力が出る。腕に体重を乗せたとき力が入る。
  • 手首を曲げたら粘り強くなった。

子どもたちは腕ずもう大会の中から、筋肉や手首、肘、肩の曲がり方に気づきました。こうして骨と筋肉について学んでいきます。

 ヒトの体のつくりと運動2「手足が曲がらないとどうなるか」

腕ずもうをするといろいろなところが曲がることがわかりました。力を出すためには肘、腕、手首等を曲げなくてはなりません。今度は手足を曲げないで動かせるかどうかを試しました。

 ①肘と膝をダンボールで曲げられないようにしてから動いてみましょう。うまく体を動かすことができるでしょうか。

両手・両足をダンボールで包んでしまうと、まるで昔のロボットのような動きなってしまいました。床にある材料もとれないほどです。

 ②肘や膝を止めてわかったこと、思ったこと。

  • 肘や膝を曲がらないようにすると動きにくくて歩くのが難しい。曲がらないところがあると不便。
  • 肘や膝を曲げないと階段を歩いたりすることができない。歩くときはジャンプやロボットみたく歩いたりした。曲げないで歩くと大変だということがわかった。
  • ロボットみたいに腕がどうしても伸びてしまう。障害のある人みたいだった。気をつけの状態になって、手を前に持ってくるのは不可能だった。
  • 起き上がることはできたけれど立つことができなかった。歩くことはできたけれど、走ることはできなかった。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年12月時点のものです)

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集

ヒトの体のつくり、しくみについて学ぶ実践です。実際に腕ずもうをする中で、力が入る方法を考えます。また、ダンボールで肘や膝を固定して動かしてみることで、筋肉や関節の可動域についても勉強します。ちょっとした遊びを通じて、体のしくみを学ぶことができます。ぜひご活用ください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤光紘)

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