「図形の性質をさぐる算数」~直角三角形の秘密をさぐろう~(山田珠美先生)

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作成者:Hayashi Miyajima (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

2015年8月29日に開催された「関西算数授業研究会 第11回公開研究会」に参加し、山田珠美先生による公開授業「図形の性質をさぐる算数~直角三角形の秘密を探ろう~」を見学しました。小学校の算数を中学校の数学に繋げる授業を紹介します。

2 指導計画

第1時 工夫して簡単に求める算数(ガウスの計算)
第2時 簡単な図に表し、きまりを発見する算数(オイラーの一筆書き)
第3時 たくさんの決まりを発見する算数(パスカルの三角形)
第4時 不思議でおもしろい世界を作る算数(メビウスの輪)
第5時 自然の中にひそむ決まりを発見する算数(フィボナッチ数列)
第6時 図形の性質をさぐる算数(ピタゴラスの定理)

3 本授業の主張

小学校の出口を意識し、中学校へつなげる算数の授業を目指す。中学校数学の基礎を学んでいることを理解させることによって、意欲の向上を図りたい。
教科書はすべて教えなければならない。そこで、終末教材をうまく活用し、次の学習へつなげる視点と活用の力をつける視点で授業を行っていくことを提起したい。

4 授業の目標

  • 自分の考えを持ち、相手に分かるように工夫して伝える。(算数に対する関心・意欲・態度)
  • 求めた答えから新しいきまり(法則)を考える(数学的な考え方)

5 本時の展開

1.復習

正方形・長方形・三角形・平行四辺形・台形・ひし形の面積の公式を思い出させる。

2.図形の面積を考える

a.[う]の正方形の面積の求め方を考える。

  • 1人1枚、[う]の図形の紙を渡しておく。
  • はさみを使っての作業もしていいので、図の面積を求める式と答えを考えてもらう。(5分間)
  • 算数的活動を取り入れることで、作業を通して考えを深め、活用に繋げる
  • 面積の求め方は複数のパターンかあることを伝える。

(1メモリ1㎝)

b.答え合わせをする

  • 式と答えとどう考えたかを発表してもらう。
  • [う]の面積は25㎠になる。

c.[あ]・[い]の面積を求めよう

(1メモリ1cmの方眼紙)

([あ]の面積)
3×3=9cm

([い]の面積)
4×4=16

3.新しい決まりを考えよう

(問いかけ)
[あ]・[い]・[う]の間に秘密があります。考えてみましょう

  • 個人で3分間考えてもらう
  • ヒントとして、「25㎠、9㎠、16㎠の数字の関係を考えよう」と伝える。
  • 最後に、グループで2分間話し合ってもらう。

4.発表しよう

(児童の考え)
 9㎠+16㎠=25㎠になる。
 [あ]と[い]の面積の合計は[う]の面積の合計になる。

5.ピタゴラスの定理について教える

児童に伝えること

  • 直角三角形の底辺・高さ・斜辺を1個ずつ正方形を取ると、最も長い辺の正方形、中くらいの正方形、小さい正方形の面積には、(一番大きい正方形の面積)=(中くらいの正方形の面積)+(一番小さい正方形の面積)の関係が成り立つ。

  • このことは中学3年生で習うことです。小学校6年生で学んだ知識が繋がっています。

最後にピタゴラスの定理に関する動画を見てもらい、理解を確かにしてもらう。

6 編集後記

小学6年生にとって、もう小学校生活が終わりに近付いてきた頃かと思います。
新しく始まる中学校生活に思いを馳せている児童もいるかと思います。そんな時期、小学校でしている勉強が、中学の勉強につながっていることが分かれば、きっと勉強へのモチベーションも上がるのではないでしょうか。山田先生は、小学校算数の視点から、きまりを見つけることの活用を中心に授業をしたそうです。一方、、授業の後の討議会では、四角形の面積ではなく、三角形の辺に着目することが中学数学へのつながりではないか、というご意見もありました。様々な方法で、きまりを見つける授業を、3学期に是非、実践してみてください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宮嶋隼司)

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