1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
私たちの生活は自然と密接な関係がある。特に太陽や水なしでは、ヒトはおろか動植物すべての生き物が生きていくことができない。このような自然環境を広い視野でとらえる授業をおこなった。
発問1 お弁当の中には、どんなおかずが入っていますか
それぞれ、自分の持ってきたお弁当を見ながら、ワイワイと騒いでいる。様子を見ていると、実に楽しそうである。どんなものが入っているかをまとめてみると、
- 肉 類 ・・・・ 牛肉、豚肉、鶏肉、卵など
- 野菜類 ・・・・ にんじん、ジャガイモ、キャベツなど
- 穀 類 ・・・・ ご飯(米)、パンなど
発問2 お弁当の材料を作る一番のもとになっているものはなんだろう
材料のもとをどんどんたどっていこう。
それぞれの材料を作るもとになっているものを、だんだんとたどっていくことにした。
- 牛乳 ウシ 牧草 太陽・水
- 牛肉 ウシ 牧草 太陽・水
- 卵 ニワトリ トウモロコシなど 太陽・水
- にんじん 太陽・水
- キャベツ 太陽・水
- ご飯 米 太陽・水
- パン小麦粉 コムギ 太陽・水
すべての食べ物が、太陽と水に行き着くことになった。
発問3 次にあげた生き物の中で、水が含まれているのは全体の何%く
らいだと思いますか。
すいか、ジャガイモ、ヒト
子どもたちは、すいかにはたくさんの水が含まれていると予想するが、ジャガイモやヒトにはそれほどたくさんの水分が含まれているとは考えていない。
特に、ヒトでは10~20%ほどだと考えていた。
実際には、ジャガイモには90%・ヒトには60~70%位の水があることを知り驚く。
次に、
発問4 生き物が生きていく上で、水のほかに欠かすことのできないも
のはなんだろう?
生き物が生きていく上で、欠かすことのできないものの一つが水である。そのほかに欠かすことのできないものとして考えられたのは、
< 空気 >
空気がないと呼吸ができなくて死んでしまう。
< 食べ物 >
食べ物がなければ、お腹がすいて死んでしまう。
< 太陽 >
太陽があたらないと、寒くて凍えてしまう。体によくない。
< 友達 >
友達がいないと、助け合っていけない。寂しい。
などの考えが、出された。この中で特に支持されたのは < 友達 > であった。普段からそのように友達のことを思っているのだろう。
ここでは空気を取り上げて、植物が作り出す酸素を動物が吸い、動物が吐く二酸化炭素を植物が吸っていることを説明した。
指示1 エコサイクルを作ってみよう
エコサイクルとは、一つの閉じられた空間(ペットボトルなど)の中に、メダカなどの小さな魚と水草を入れたものである。閉じられた空間であっても、太陽の光を浴びて植物と動物がうまく共存していけるのである。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。
それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウト&アイデア事典」(2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
子どもたちにとって身近な食べ物から楽しく導入することで、水や太陽など自然について、自分たちの生活に関わらせながら考えていけるのだろうと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 森七恵)
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