1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
ちがう国でも同じこと~モンゴルと日本の暮らしを比べてみよう~98-1.pdf
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性… モンゴルには日本と異なる家、食べ物、音楽などがあることを、体験を通して知り、世界にはさまざまな文化や生活があることを理解するとともに、自分たちが住む国や地域に関心を持つ。
- 有限性…モンゴルの遊牧民は、限られた水、燃料、電気を使って暮らしていることを知り、地球上にある資源を有効に使って生きる方法を考える。
ESDで育みたい能力・態度
- 【批判】批判的に考える力
日本とモンゴルの燃料、電気、水の使い方を比較し、自分自身の資源の使い方をどうすべきかを考
える。
- 【多面】多面的、総合的に考える力
資源が少ない地域では、資源の使い方を工夫して、暮らしていることを体験的に学ぶ。
- 【協力】他者と協力する態度
小学生と中学生が共同生活を営み、最後には協力し合って学びの成果を発表する。
プログラムの目標
- モンゴルの食べ物、音楽、衣服、家、模様、言語などの生活や文化を体験し、日本とモンゴルの違うところと同じところを知るとともに、その違いがどのような自然環境の違いを背景として生まれたかを理解する。
- 世界には自然環境の多様さに応じて、さまざまな産業、生活、文化があることに気づくとともに、自分の住む国や地域にも興味を持つ。
- モンゴルの遊牧民の暮らしが自然環境と調和したものであることを理解し、自分たちの生活が自然を破壊していないかふりかえるとともに、資源を大量に消費する生活に向けて何をすべきかを考える。
プログラムの概要
モンゴル民族の伝統的な生活や文化を体験し、日本とモンゴルの違うところ、同じところを学ぶ。世界には、自然環境の多様性に応じて、さまざまな産業、生活、文化があることに気づき、自分の住む国や地域(那須地域)の産業、生活、文化がどのような自然環境を背景として成り立っているかについて興味を持ち、体験を通して掘り下げて考える機会を設ける。また、水や電気など利用できる資源が限られるモンゴルではどのような工夫をして生活するかを知り、資源を濫用せず、自然と調和した生活様式を構想する。最終日には各々の表現方法で調査結果を発表し、知識を共有し、互いに深めあうとともに、コミュニケーションや表現の力を高める。
学習指導要領との関連
- 小学校3,4年 音楽
- 小学校5,6年 家庭
- 小学校3,4年 道徳
- 小学校5,6年 道徳
- 小学校5,6年 外国語
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
ちがう国でも同じこと~モンゴルと日本の暮らしを比べてみよう~98-1.pdf
引用元
4 編集後記
グローバル化しつつある世界に生きる今の子どもにとって、ESDの目的である自然環境や資源の有限性、地域の将来性など、世界的課題の解決に向けた人材づくり/教育は、他の教科教育と同じくらい重要であることを、今回の記事作成を通して感じました。
こういった教育プログラムは、比較的新しいものであり、指導において確立した形式があるとはまだ言いがたいですが、EDUPEDIAの記事がその手助けになればと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 水上 颯葵)
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