1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性…森林にはさまざまなタイプがあり、生えている樹木や生息する動物がそれぞれに異なっていることを理解する。
- 有限性…森林資源利用の実例を知り、資源が有限であると同時に、持続可能な利用のあり方について考える。
- 責任性…作業を通して学校林に愛着を持ち、地域の自然のために自分たちができることを考える。
ESDで育みたい能力・態度
- 【未来】未来像を予測して計画を立てる力
人工林が利用されず、管理も行き届かなくなったことの原因と生ずる現象を総合的に把握し、より良い将来像を描くことができるようにします。
- 【協力】他者と協力する態度
学校林の施業体験や森林のマップづくりを通じて、仲間や地域の大人たちと協力しあいながら一つのことをやりとげる力を身につけることができます。
- 【関連】つながりを尊重する態度
地域の人工林が、世界全体の産業構造の変化や私たち一人ひとりの生活様式の変化によって生ずること、人工林にかかわる問題を解決するために、自分たちにできることを考えます。
プログラムの目標
- 学校林での自然観察や人工林を管理する体験を通じて、身近な地域の自然への興味・関心を高め、地域の自然への愛着を生み出す。
- 森林の機能や役割を知り、地域資源としての森林の利用の可能性についての理解を深め、積極的に保全する意欲を引き出す。
- 地域において人工林が利用・管理されなくなったことによって生まれる問題を理解し、より良い森林をつくるためにできることを考え、他者と話し合いながら提案にまとめ、行動の変容を促す。
プログラムの概要
北杜市立高根清里小6年の総合的な学習の時間では、「清里の自然(学校林)を知ろう!」と題して、学区内にある学校林を用いた校外学習を行っていることから、これをベースとして、森林での自然観察や下草刈りなどといった森林管理作業を体験した後、森林の機能や役割の理解、地域の森林が抱える問題点を理解し、自らが課題解決の担い手という自覚を持つことを目標とした体験型の学習、調べ学習、グループワークなどを組み込んだプログラムとなっています。
学習指導要領との関連
- 小学校5・6年 道徳
- 小学校5年 総合的な学習の時間
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全12時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
引用元
4 編集後記
地元の自然の中で作業をするという経験は、子どもたちにとって非常に思い出深く、学びの多いものになるのではないかと感じました。今回ご紹介したプログラムでは、体験学習から得た学びを机上で文字や絵にして落とし込み、さらに最終的に校長先生や地域の方へアウトプットして提言を行います。自然を題材に多角的な学習を実現できる、正に総合的な学習にふさわしいプログラムとなっています。ぜひ参考になさってみてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)
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