育てて遊ぼうヘチマ1~こんなところにヘチマ~(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

ヘチマは、ヘチマ棚に育てるのが一般的です。しかし、教室から離れていると毎日のように観察するのが難しく、日々の変化に気づきにくくなります。そこで、ヘチマを身近に感じ「ヘチマってすごいな」となるような場所で育てました。

1.教室をジャングルにしちゃおう

教室の窓ぎわで育てます。するとつるがどんどん伸びていくのがわかります。葉の大きさも日ごとに変化します。花が咲くと「先生、花が咲いたよ」と子どもたちがのぞき込みます。つるが伸びれば、教室はジャングル状態となり、夏の間はこれが日よけにもなります。見たことをすぐに観察カードに書けるので、おすすめです。

<育て方>

  1. 適当な入れ物(ワックスの缶・一斗缶・衣装ケースなど)を用意する。
  2. 底に水抜き用の穴を開け、土を入れる。
  3. 教室の窓ぎわに、園芸用ネットをつるす。
  4. ヘチマは、入れ物に一苗植える。
  5. ペットボトルで水をかける。
  6. 夏休み中は、数日おきに教師が水をかけに行く。

2.めざせ屋上、ヘチマタワー

ヘチマの魅力は、つるを絡ませながらぐんぐん成長していくところにあります。つるが絡みつける場所があれば、どんどん上に伸びていきます。上から縄を垂らせば、屋上めざしてヘチマは伸びていきます。

その成長ぶりを見ていると思わず「ガンバレ、ガンバレ」と応援したくなります。当初、地面からほんのわずか伸びたヘチマを見て、子どもたちは「先生、屋上まで行くの?すごい高いよ」と何度も聞かれました。私自身、初めての挑戦だったので「さぁ、ねぇ」と曖昧な返事をしました。

しかし、夏休みの後半には4階まで到達しました。間には立派な実もなっていました。学校の屋上まで伸びたヘチマはまさしくタワーでした。

<育て方>

1. 適当な入れ物(ワックスの缶・一斗缶・衣装ケースなど)を用意する。
  2. 底に水抜き用の穴を開け、土を入れる。
  (1) 下3分の1まで,畑の土を入れる。
  (2) 中間3分の1には、給食で残った野菜を入れる。
  (3) 上3分の1に,肥料を混ぜたこえた土を入れる。
  (4) 1週間ほどおいて、土をなじませる。
  3. 入れ物に、ヘチマを一苗植える。
  4. 支えを立てる。
  5. 縄を屋上から垂らし、支えにむすぶ。
    縄は、つるが絡みつきやすい丈夫な物がよい。
  6. 夏休み中は、数日おきに教師が水をかけに行く。

縄はシュロ縄がよいようです。今回、ビニル製のタフロープでやったのですが、つるがなかなか巻きつけなかったようです。そこで時々、タフロープにヘチマのつるを巻きつける作業をしました。

2階・3階の窓から手を伸ばし、ヘチマの弦とロープを手繰り寄せて、作業を行いました。2学期になりその成長した姿を見た子どもたちは「わー、すごーい」と感嘆の声をあげていました。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

ヘチマをつかった授業全4回のうちの一番はじめの段階についての記事でした。いかがでしたか?

植物や動物を扱った実践では子どもたちと育てる植物・動物との距離感が大切で、植物・動物の秘めた力に気付いてもらうためにも子どもたちに身近に感じてもらわなければならないのだなと感じました。

ヘチマ以外の植物を扱う場合も活かすことができそうな視点ではないでしょうか?ぜひご活用ください。

<関連記事のご案内>
  「育てて遊ぼうヘチマ2」~ヘチマのつるは、どっち向き?~(シリウス)(次の授業)
  「育てて遊ぼうヘチマ3」~ヘチマ水を作ってみよう~(シリウス)
  「育てて遊ぼうヘチマ4」~ヘチマのお店やさん繁盛記~(シリウス)
  

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 横山尚人)

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