1 はじめに
国語・物語文「モチモチの木」を読んだ感想やつぶやきです。
いろいろな感じ方や考え方があります。
それを授業で膨らませ、読解力・想像力に繋げられると良いなと思います。
2 感想・つぶやき
①おくびょう豆太
「全く、豆太ほどおくびょうなやつはいない。」
→夜中に1人でせっちんは厳しい。5才ってまだ小学校に入る前。
「それに、とうげのりょうし小屋に、自分とたった二人でくらしている豆太が、かわいそうで、かわいかったからだろう。」
→祖父母と子。海の命、わらぐつ、スーホ・・
いろいろな家族関係に触れるねらいが教科書にあるのか?
「豆太のおとうだって、くまと組みうちして、頭をぶっさかれて死んだほどのきもすけだったし、」
→父が動物に殺される。父の勇敢さを表す。父と子の対比。
「じさまだって、六十四の今、まだ青じしを追っかけて、きもをひやすような岩から岩へのとびうつりだって、見事にやってのける。」
→じさま、やるなぁ。
「それなのに、どうして豆太だけが、こんなにおくびょうなんだろうか。ーーー」
→勇敢さは遺伝するか分からないし、豆太がおとうの勇姿を見たことあるか不明。
まだ子どもだし、これから勇敢になるかもしれない。
②やい、木ぃ
「モチモチの木」
豆太がつけた名前。秋になると、茶色いぴかぴか光った実を、いっぱいふり落としてくれる。
→仲良し。綺麗な木。
「やぃ、木ぃ、モチモチの木ぃ、実ぃ落とせぇ。」
→昼間はいばる。やっぱり勇敢の素質はあるのか?
夜は怖がる。「お化けぇ」って言い方がかわいい
③霜月二十日のばん
「山の神様のお祭りなんだ。それは、一人の子どもしか、見ることはできねえ。それも、勇気のある子どもだけだ。」
「ーーそれじゃあ、おらは、とってもだめだーー。」
「豆太は、ちっちゃい声で、なきそうに言った。」
→ここでは、語り手じゃなくて、豆太自身が自分に勇気がないことを認めている。
親にはできたけど、自分には出来ないパターン。
展開の予想→何か事件が起きて、神様の祭りを見られる。それで、おくびょうだけど、勇気もある。っていう結末になる?
「まるでそれは、夢みてえにきれいなんだそうだが」「昼間だったら見てえなぁーー。」
「豆太は、はじめっからあきらめて…」
→勇気の証明をしたいわけではなく、単に綺麗なモチモチの木を見たいという気持ち?
俺にもできる!見てやるぞ!とは思わない。ぶるぶる。
④豆太は見た
豆太は見た
→やっぱり見たんだ。何が起きたんだ?
じさまがうなっている。腹が痛いらしいが、とてもつらそう。
「くまみたいに体を丸めて」
「小犬みたいに体を丸めて」
→二人は仲良し
「ねまきのまんま。はだしで。半道もあるふもとの村までーー。」
「霜が足にかみついた。」
「豆太は、なきなき走った。いたくて、寒くて、こわかったからなぁ。」
「でも、大好きなじさまの死んじまうほうが、もっとこわかったから…」
→短文で臨場感がある。霜がかみつくなんて、相当痛そう、血も出てるし。
こわい・・・お化け、夜が→臆病、弱虫
もっとこわい・・・じさまの死→勇気、優しさ
「とちゅうで、月が出てるのに、雪がふり始めた。この冬はじめての雪だ。豆太は、そいつをねんねこの中から見た。」
→綺麗な情景。でも、豆太はじさまが死んじまいそうだから、それどころじゃない。雪は死のイメージ?
「モチモチの木に、灯がついている。」
→綺麗だったろうな。じさまが言ってた神様の祭りと思ったのかな?医者さまに否定されたから、あんまり深く考えなかったかのかな。
医者さまは、神様の祭りの話は知らないのか?豆太家の言い伝え?
⑤弱虫でも、やさしけりゃ
「おまえは、山の神様の祭りを見たんだ。一人で、夜道を医者さまをよびに行けるほど、勇気のある子どもだったんだからな。自分で自分を弱虫だなんて思うな。人間、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ。それを見て、他人がびっくらするわけよ。は、は、は。」
→豆太の行動をじさまが価値付ける。
「おくびょう」から「弱虫」になっている。違いは?
はじめに出たお父やじさまの勇気は、狩りとか戦い=命知らずの勇気、強さのイメージ。
今回の豆太の勇気は、暗くて痛くて泣くほど怖かったけど、がんばった勇気。
豆太は命がけっぽいけど、動物や敵と戦ってるわけではない。
豆太=「きもすけ」…似合わない
じさまを助けるための勇気。人のため。じさまは、これを「やさしさ」と言ったのか?
「臆病、弱虫、勇気、やさしさ」どれも二人の関係から出てくるもの
『——それでも、じさまが元気になると、そのばんから、「じさまぁ」と、しょんべんにじさまを起こしたとさ。』
→人の多面性。
この部分のあるなしは、物語にどう影響するか。…羅生門、走れメロス、ちいちゃん、
「モチモチの木」という題名
モチモチの木は、昼間は豆太の強がりな性格を出し、夜になると、「お化けぇ」になって豆太を臆病にさせる。4場面では、灯りがつくモチモチの木を見ることが、豆太の勇気・優しさとつながる。
モチモチの木には、豆太のいろいろな面を引き出す役割があるように思う。
豆太とじさまは、モチモチの木と一緒に生活をしている。
モチモチの木は、二人の心をつなぐ、重要な登場人物なのかもしれない。
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