生物と環境1(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

これまでの「生物と環境」についての学習は、以下三つの記事にまとめられています。
生物と環境1(シリウス)
生物と環境2(シリウス)
生物と環境3(シリウス)

2 実践内容

生き物と養分のかかわりについて学習をしています。5年生の時に植えたジャガイモがずいぶん大きくなってきました。このジャガイモはどうやって大きくなってきたのでしょうか。

(1) ジャガイモの葉に太陽の光が当たったときと当たらない時のデンプンのでき方の違いについて調べてみよう。

ジャガイモの葉にアルミホイルをかぶせたものとかぶせないものに、ヨウ素液をつけて、デンプンがあるかないかを調べました。太陽の光の当たり方などの違いによって、結果に差がありましたが、光の当たったものにはデンプンができ、当たらないものにはデンプンができないことを確認しました。

※デンプンができたかどうかを調べる場合、早い時期がよいです。イモができ始めるとデンプンが子イモに移動してしまうため、はっきりとした結果が得られません。花が咲く前のサルビア等でもはっきりした結果が得られます。

実験を通して、太陽の光によってデンプンが葉で作られ、それが子イモに蓄えられることが分かりました。では、私たちが普段食べている食べ物のもとは何でしょうか。食べ物のもとをさぐっていくことにしました。

(2) 献立表を見て食べ物のもとをたどろう

献立表を見て主な材料(生物)とその生物は何を食べているのか、もとをたどっていきました。魚の食べ物がプランクトンまでは分かったのですが、その先がなかなか分かりませんでした。そこで、インターネットを使って調べてみると、もとは植物性プランクトン(海草類=植物)であることが分かりました。

(3)生き物のもとをたどって気づいたこと。

児童の意見は以下のようでした。

  • 「どの食べ物も元は植物ということが分かった。植物がなくなったら、食べ物がなくなるのかなと思った。」
  • 「 植物を食べているものが多い。私たちが食べている生き物も何かを食べている。」
  • 「ほとんどの生き物の元は植物。生き物は何かを食べて食べられてずっと続いている。」
  • 「 最初は、食べ物の元は動物だと思っていた。でもたどってみたら植物だったのでびっくりした。魚は全てが海草やプランクトンを食べていると思っていた。でも調べてみると、小魚を食べてしまう魚もいてびっくりした。いろいろな微生物がいてびっくりした。」

生き物の食べ物をたどっていくと植物にたどり着きます。小さな生き物は植物を食べ物にしていることが分かりました。このことをダンゴムシで確かめることにしました。

(4)ダンゴムシを捕まえてかれ草をあげよう

3日ほどたつと、桜の葉に穴があき、ダンゴムシがエサとして食べたのが分かりました。以下は、観察時の児童の発言です。

  • 「葉の穴がたくさんになっていた。葉の周りがギザギザになっていた。」
  • 「葉っぱに穴があいていた。」
  • 「葉が食べられていた。暗くすると活発に活動していた。葉っぱの芯みたいな固そうなところは食べていない。」

シリー
== プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

3 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

4 編集後記

理科の授業では実際に実験をすることによって、教えたい内容を生徒の気づきから引き出せるのだと改めて感じました。
また、献立表という身近なものを授業に使うと、生徒の興味関心を引き付けることができそうだと思いました。理科の先生方、ぜひ実践なさってみてください。
この記事のシリーズ『生物と環境2(シリウス)https://edupedia.jp/article/56ad85cd5aed04c4ed56a5d8』『生物と環境3(シリウス)』もぜひご覧ください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 犬塚真優子)

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