天気の変化4(シリウス)

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作成者: delpippoさん

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

天気の変化があるところは

                          
「天気の変化」の単元で学ぶことは、次の事項です。

  1. 天気と気温には関係があること。
  2. 太陽の動きと気温には関係があること。
  3. 雲・風と気温には関係があること。
  4. 天気の予想について。

子どもたちが「天気の変化」に興味を持つことができるような単元の導入を行いました。
 
発問1 今日から「天気の変化」について学習をして行きます。まず最初はクイズです。南極が一番寒いのは、次の3つのうちいつでしょう。(1月・8月・11月)
< 1月 > 20人くらい  < 8月 > 10人  < 11月 > 5人
 
「正解は、< 8月 >です」と告げると、正解の子たちは「イエーイ!」と歓声を上げました。そこでなぜ8月が一番寒くなるのかを簡単に説明しました。

説明1 南極は、南半球といって赤道を越えた日本とは反対側にあるのです。南半球では、日本とは違って季節がちょうど逆になるのですね。オーストラリアも南半球にある国です。だから、クリスマスの時に、サンタクロースはサーフィンに乗ってやってくるというイラストもあるのですよ。
 
このように説明してから、サーフィンに乗ったサンタクロースの切手を見せると、「へーっ」という声が漏れました。

発問2 では、今度は北極です。北極が一番寒いのは(1月・8月・11月)のいつでしょう
< 1月 > 多数   < 8月 > 少数  < 11月 > 少数
 
先ほどの説明を聞いているためか、1月と予想する子どもがほとんどでした。「正解は、< 1月 >です」と告げると、またまた「イエーイ」の大歓声が起こります。次に、

発問3 では、北極と南極では、どちらが寒いのでしょうか?
< 北極 > 16人  < 南極 > 19人
 
発問3での予想は、半々に分かれました。理由は特に聞かずに、すぐに正解を言いました。「正解は、北極:−40℃(1月)、南極:−89℃(8月)で南極の方が寒いのです」
この温度差に子どもたちはずいぶん驚いたようです。「どうしてこんなに違うの??」という声が聞こえてきたので、補足説明をしました。
 
説明2 実は、北極の氷は海の上に張っているのです。南極の氷は、陸の上に張っています。海は冷えにくく、陸地は冷えやすいという性質があるので、陸地の南極の方が、より冷えやすいのです。

今度は視点を変えて、地球全体のスケールで考えることにしました。天気の変化(雨・雲・雷・風など)が起こるのは、どのくらいの範囲の中で起こっているのかを予想させました。

発問4 地球の大きさを直径1.3mの円にしたとき、天気の変化が起こるのは、どのくらいの範囲だと思いますか。天気の変化が起こる境界をチョークで印してみよう

図のように、コンパスを使って直径1.3mの円を描き、どのくらいの範囲で天気の変化が起こっているかを自由に印させました。中には黒板の範囲では足りなくて、廊下の方に印をつける子どももいました。ほとんどの子どもが、地表面から30cm以上離れた所に印をつけました。
 
そこで、「天気の変化が起こっているのは、このくらいの範囲です」と、地表面から1mmだけ離れた所に印をつけました。あまりに狭い範囲に子どもたちは驚きます。「先生、よく見えないよ」という子も・・・。気象の変化が見られるのは、高度10000mぐらいまでなので、地球のサイズを1000万分の1にすると、わずか1mmということになってしまうのです。

説明3 直径1.3mの円を地球の大きさとしたとき、天気の変化が起きている大気の層の厚さはこれくらいです。こんなにも薄い層の中で、雲・雨・雪・雷などの天気の変化が起こっているのですね。またそれと同時にこんなにも薄い層に私たち人間や生物は守られているのです。
 
最近では、オゾン層の破壊など、深刻な問題がよく取り上げられます。空気や空を汚すことの怖さ・地球の環境を大切にすることの意味を感じることができたようです。

学校の中で一番涼しい場所は?

                           
同じ日陰でも場所によって温度が違うことを確かめるために、学校温度マップを作る活動を行いました。

発問1 今日のようによく晴れた日に、学校の中で場所によって温度は違うと思いますか。
< 同じ > 1人

  • 太陽が当たっていないから、日なたと日陰の区別がないから同じ。

 
< 違う > 34人

  •  部屋は壁があって、寒さを通しにくいから。
  • わたしは実際に家でやったことがあって、雨のとき寒かったから、5階に行ったら暖かかった。
  • 今日みたいに雨が降ったりやんだりする日は全然じゃなく、ちょっとは違うと思う。
  • 教室と外の温度は違うから。
  • 太陽の当たっているところと、当たっていないところがあるから。

今日のように雨の日では、場所によって温度は違うと思いますか?ほとんどの子どもが、場所によって温度が違うと考えました。そこで、このことを確かめるために

指示1 学校の中のいろいろな場所に出かけて、三番町小温度マップを作ろう。一番涼しいところはどこか探そう。
 
学校マップと温度計を片手に子どもたちは校内に散っていきました。調べてみると、温度は場所によって違うことが理解することができました。

次に、地表からの高さによって温度は違うものかを考えました。

実験1 次のA~Fの中で、一番温度が高いのはどこか温度計で測ってみよう。
  
A・B・C・D・E・Fの6つの場所を示し、子どもが測りやすいように図で表すことにしました。
 
F:頭より上の位置    
E:頭の位置(約1.3mの地点)
D:肩の位置       
C:腰の位置       
B:膝の位置       
A:足の位置       
 
測定をしていくと、A:足の位置の温度が一番高いことに気づきます。温度が一定になるのは、D~Eの位置で百葉箱の高さもこれを元にして決めてあることを教えます。

発問2 同じ太陽の光なのに、地面の温度が高かったのはなぜだろう。

  • ずっと太陽が地面の砂に当たっているから、A:足の位置が暑くなる
  • 太陽の光の力で、やがて地面が暖められる。
  • 地面が光をもろに受けるから。
  • 地面が暑くなるから。
  • 熱の吸収によって、温度が高くなったと思う。
  • 前、夏に道路を歩いていると、ぼやけるというかモヤモヤして見えたことがあった。
  • 太陽の熱が地面にあたって反射して、地面が熱くなるんじゃないかな?

 
子どもたちは自分の経験をもとにしながらの発言が多かったです。次に、太陽の位置と気温の変化を調べるための実験を行いました。

実験2 太陽の位置と気温の変化を測定しよう。
図のようなプリントを配り、測定器を使いながら、温度・方位・太陽の動きについて調べました。天気のよい日を選んで、一日のうちに全てやってしまった方が効率的です。
 
太陽からの地表にエネルギーが注がれていることが直接目には見えないので、次の実験も合わせて行いました。

実験3 太陽のエネルギーを電流計で測ってみよう。
図のように、電流計と光電池をつないだものを太陽に当てます。光が当たると電流計の針が振れるのがわかります。光電池と地表との角度を変えると、それに合わせて流れる電流の量も変わります。直角に光が当たるほど、たくさんの電流は流れることが分かります。
この実験をすることで、地表に太陽エネルギーが伝えられていることをイメージできたようです。これまでの学習をもとにして、次のことを尋ねました。

発問2 天気と暖かさは関係があるだろうか?
< 関係がある > 35人

  • いい天気だったら、暖かく感じるから。
  • 太陽で水たまりなども蒸発するから。
  • 地面に太陽の光が当たると暖められて気温も暖かくなる。

これまでの経験や実験を元に、全員が < 関係ある > と考えました。

雨と風は気温に関係があるか?

             
前回の授業では、太陽の動きと気温の関係について学習しました。ここでは、雨や風も気温と関係があるのかについて学習をしました。

発問1 気温の変化と風の吹き方は関係があると思いますか?
< 関係がある > 35人

  • 風が吹くと涼しくなるから。
  • 冬は風が吹くと寒くなる。
  • 風で雲が動いて、太陽を隠すと涼しくなる。

全員の子どもが < 関係ある > と考えました。これまでの経験からもそう感じているのでしょう。

実験1 風の吹き方を調べてみよう。
棒に軽いビニルひもをつけた吹き流しを持たせ、天気・雲の様子・風の向き・風の強さについて継続的に観察しました。子ども任せでは十分に観察できないので、毎日観測の時間を確保することが大切であると感じました。

発問2 雨粒は、どんな形をしているか、絵を描いてみよう。
子どもの描く雨つぶの形は、ほとんどが上図のようなものでした。実際の雨粒はどんな形をしているのか確かめることにしました。

実験2 雨の粒をつかまえてみよう。
小麦粉を箱の中に入れておきます。雨が降ってきたら「それっ」とばかりその箱を外に出します。適当に雨が降り込んだ後、小麦の粉を取り除くと雨粒の形が残るのです。
実際の雨粒の形は、まん丸い球でした。この事実に子どもたちはびっくりしていました。

太陽が地球に一番近いのは朝と夕方?

子どもたちが誤解していることの一つに、朝と夕方の太陽は大きい(近くにある)があります。この誤解を利用しながら、気温が一番高いときの太陽の位置を考えました。まず最初に、次のように尋ねました。

発問1 気温が一番高いときに、太陽の位置はどの辺にあるでしょうか
子どもたちの中からは、以下の4つの考えが出されました。経験に基づく意見・朝夕の太陽は近くにあると考えたものといろいろ出てきました。
< 6:00 > < 11:00 > < 12:00 > < 14:00 >
それぞれの理由を聞いていくと、
 < 6:00 = 太陽が昇ってすぐ > 1人

  • 太陽が一番大きく見える。ということは、地球の近くにあるから、温度も一番高くなると思う。

< 11:00 = 真上よりも午前中側 > 1人

  • 時間的には、12:00頃だと思うけれど、太陽の近いのは午前中だから、12:00と朝の間をとって、11:00頃だと思う。

< 12:00 = 一番高いところ > 23人

  • 夏は日が長いから。
  • 太陽のすみは寒くて真ん中ら辺がいちばん暑い。
  • 一番太陽が出ているから。

 
< 14:00 = 真上よりも午後側 > 7人

  • 外で遊んでいると、12時頃よりも、2時頃の方が暑く感じる。
  • 理由はよくわかんないけれど、2時頃暑く感じる。
  • 地面が暖まったあと、気温が上がってくるから。
  • 太陽が下がってきて、地球にだんだん近くなってくるから、暖かくなる。

経験から素直に考えれば、12:00~14:00ころが一番暑いとなるのですが、朝夕は太陽が近くにあるという考えにとりつかれた子たちは、ジレンマに陥ってしまいました。頭で考えると、朝夕が暑いことになってしまうのです。しかし、体験上そんなことはありませんでした。そこの部分で悩むのです。
そこで、次のように教師から尋ねてみました。

発問2 昼の方が夕方よりも太陽が小さく見るのに、温度が上がるのはおかしくないか?
< おかしくない > 35人

  • 太陽が最も高くなる時刻と気温が最も高くなる時刻にズレがあるのは、地面が暖められてから、空気が暖められるまでに時間がかかるから。
  • 昼間は太陽は上の方にあるから、いろんな所に光が当たる。夕方は、太陽が斜めにの位置にあるから、あまり光が当たらない。
  • 昼間より夕方の方が光が弱いと思う。たぶん温度が半分になっている。
  • 朝は太陽も低く、光の量も低い。だから温度も低い。でも太陽が高くなると、温度も高くなっていく。太陽が小さく見えても、太陽が高くなれば、気温は上がると思う。

この発問に対しては、全員が < おかしくない > と考えました。教科書を見ながら、気温のあがるしくみを一生懸命に説明しました。

気温が一番高くなるのは、午後1時~2時ころです。朝は太陽は低く気温も低いです。このときの太陽の光は弱いものなのですね。太陽が高くなるにつれて気温も高くなり、光も強くなってくるのです。

説明1  では、なぜ朝夕の太陽は大きく見えるのでしょう?それは、朝夕は、ビルや家など太陽と比べるものがあるので大きく見えるのです。反対に、昼間は太陽とくらべるものが何もないから、小さく見えるのです。しかし、実際の大きさは変わらないのです。

このことをもっと分かり易くするために、次のような実験を行いました (「太陽の動き」<ポプラ社>より)

実験1 太陽の高さと光の当たり方のモデル実験をしよう。
準備するもの:フォームポリスチレン、電球、画用紙、はさみ、千枚通し、黒いフィルム、赤セロファン紙、セロテープ
 
実験方法

  1. 正午前後の太陽:穴をあけた黒いフィルムに、赤いセロハン紙を貼り付ける。真上から光をあてると、赤い光の点が多い。
  2. 朝夕の太陽:赤い光があたる面を斜めにすると、光の点は少なくなる。
  3. 1.2.それぞれの場合の赤い光の点数を数える。

                
この実験をすることによって、明らかに朝夕の太陽の方が赤い光の点が少なく、光のエネルギーの弱いことが分かります。
 
説明2 教科書を見てみよう。昼は真上から、光が当たるのに、夕方は斜めからあたっています。これでは光が、地面に直接当たりませんね。昼は太陽の光が、地面に対した直角に当たっているので温度も高くなっていくのです
   

お天気ことわざクイズをしよう

                      
空に浮かぶ雲を観察したり、天気のことわざを学ぶ授業を行いました。まず最初は、空の雲を観察しました。ただ、観察するのではつまらないので、雲の形を見ながら名前をつけることにしました。
 
指示1 空に浮かんでいる雲に名前をつけて、雲マップをつくろう

  • 先生、いろんな形の雲があるよ。
  • なんかおもしろい形をした雲がある。
  • 雲が動くのが、とっても速いよ。

 
雲の観察はとっても楽しいものです。ぼーっとしながら、空を眺めるのは何とも気持ちがいいです。空を眺めているうちに気持ちが良くなって、ウトウトと居眠りを始めた子もいました。何とも平和です。
クラス全員のスケッチを一つにつなげると、壁面一杯に大きな一枚の「雲マップ」ができあがりました。次に行ったのは、雲のモデル実験です。
 
実験1 雲をビーカーの中につくってみよう。
テキストに従いながら実験をすると、ビーカーの中で層雲と積乱雲のモデルを作ることができます。空に浮かんでいる雲と同じようにはいかないにしても、およその様子が分かるモデルを作ることができました。実験をしながら「あっ、雨だ。雨ができている」「雲が上と下に分かれているね」「青い紙をビーカーにあてると、もっとはっきり見えるよ」という、生き生きとした子どもの声が聞こえてきました。
 
次に、天気の予想についてVTRを見ながらわかったことをまとめていきました。
 
指示2 ビデオを見ながら、天気の予想についてわかったことをノートにまとめよう。

  • 70%で判断をする。
  • 雲、風で天気もわかる。
  • 富士山に雲がくっついてしまっているときには雨が降る。
  • 湿った空気が来ると、かさ雲がどんどん増えていく。
  • 天気は、福岡→大阪→東京という順番で一日おきに動く。
  • 天気は西から東に移っていく。

子どもたちは、上のようにノートにまとめていきました。次に行ったのは、天気のことわざについてです。身近な生活の中にも天気のことわざがたくさんあることをクイズ形式で行いました。
 
発問1 今から「天気のことわざクイズ」をします。どれも昔から、生活の中で使われてきた天気のことわざです。みなさんが、聞いたことのあるものがあると思いますよ。どのくらい当たるかな
 
子どもたちはクイズが大好きですから、一問一問答えを言うたびに「イエーイ」「エーッ」と大騒ぎでした。とても全部は覚えきれないでしょうが、意外と天気を占うことわざが多いことがわかったようです。
 

お天気ことわざクイズ

 
日本の各地に昔から、お天気のことわざがあります。さて、次のようなときのお天気はどうなるのでしょう?予想をして、〇をつけましょう。

単元展開案

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

説明だけでは理解することの難しい、天気の変化。雲や風、お天気などの移り変わりを様々な実験、観察を通して、児童たちが難しく感じることなく、興味・関心をもって学ぶことができ、知識が定着するような構成になっているのではないでしょうか。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 河村寛希 )

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