目次
1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
2 実践内容
新出漢字の練習ですが、次のような指導をおこなっています。繰り返し、繰り返しの練習が大切だと考えています。
漢字テスト編
- 10問×3回が書ける用紙を用意する。
- 自学メニューで、10問のミニテストの範囲を予告する。
- 週2回、朝自習(8:00~8:20)で、ミニテストをする。
- テスト前には、空書きの練習時間をとる。
- 漢字ドリルがそのまま問題になっているので、ひらがなページを見て答えを書いていく(その都度、問題をつくるという教師の手間がない)。
- どうしてもわからない字は、漢字のページ(正解)を見て3回書く。
- できたら提出。教師が採点する。ほとんどが満点。
- 10問できたら100点、1こ違いなら99点、2こ違いで98点。モリタケ先生のクラスの子なんだから、もうそれだけで90点なんだ、とでたらめを言う。
新出漢字練習編
- 国語の時間10分間を使う。個人学習。
- 漢字ドリルの新出漢字部分を進度に関係なく進める。
- 漢字練習中は、しゃべらせない。教師は一人ひとりに○をつけていく。
- 漢字ノート、2行分で一文字を練習する。
- 2行×2マスに、新出漢字を大きく書く。
- 右側の行に、その文字を使った単文・単語を書く。ドリルに書いてあるものをうつす。
- 左側の行に、書き順を書く。完全にわかる部分は、省略させても可。
- 一番最後まで行ったら、2周目に取り組む。
- 2周目は、まだ覚えていない字だけ書いていく。
- 3周目は、2周目に書かなかった字を書いていく。
- 「うまい」「ていねい」など、声(おせじ?)をかけていく。
- ○をつけるときには、「姿勢のいい人に○をつけます」とか「鉛筆の持ち方のいい人に○をつけます」とか「集中している人に○をつけます」などと、一声かける。
- だんだんノートに書き溜まっていくと、6年生でも○の数を数えて喜びます。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。(2015年1月時点のものです。)
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
漢字テストと新出漢字練習を行ううえでの基本や工夫が書かれています。漢字は、やればやるだけできるようになるのが目に見えるので、子どもたちが達成感を得るためにはとても良いツールだと思います。新出漢字練習編で書かれている『○をつけるときには、「姿勢のいい人に○をつけます」とか「鉛筆の持ち方のいい人に○をつけます」とか「集中している人に○をつけます」などと、一声かける。』は、他の教科でも行えるものだと思いました。ぜひ漢字の実践を行う際の参考にしてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)
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