エビデンスに基づく教育とは何か ~1日5分でエビデンス~

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エビデンスに基づく教育、現場ではどうすること?

エビデンスに基づく教育が広まってきました。エビデンス(証拠)に基づいて教育を行っていきましょうという主張が受け入れられるようになってきたと感じます。
では、具体的に学校現場でいったいどうすることがエビデンスに基づく教育といえるのでしょうか。
今日は、エビデンスに基づく教育の一部「1日5分でエビデンス」を紹介します。
そもそもエビデンスに基づく教育というのは、「最良の研究調査・実践結果をもとにして実践を行う」ことです。この「最良の~~」という部分がキーポイントです。この「最良」というのは、多くの場合、確かな科学的根拠をもって明らかになったエビデンスを意味します。個人的な思いや経験だけで語られたものではない、信頼できる情報です。
 この信頼できる情報を5分で知ってしまおうというのが、「1日5分でエビデンス」です。

目次

1 1日5分でエビデンス

 世界のエビデンス仲介機関では、無償でエビデンスを提供しています。今日は、その中の一つEEFを紹介します。
EEF : Education Endowment Foundation
EEF==https://educationendowmentfoundation.org.uk/
 
EEFでは、各トピックに合わせて、エビデンスの強さ、コスト、効果の大きさを分かりやすくマークで示しています。以下です。

コスト(Cost)は、その実践にかかる予算を表しています。このマークが多いと、お金がたくさんかかるという意味です。エビデンスの強さ(Evidence Strength)とは、科学的な確からしさを表しています。このマークが多いと、これまで多くの研究でその効果が認められていることを意味します。効果の大きさ(Months Impact)は、どれぐらいの効果があるのかということです。この数字が高いほど、実践の効果が高いということになります。
 実際に例を挙げて「1日5分でエビデンス」をやってみましょう。
例えば、「宿題」についてどうしようか迷った時、もしくは、宿題の効果ってどうなの?と思った時、あなただったら、どうしますか?
ここで、EEFのサイトにアクセスします。(時間計測スタート)
次に「Teaching &Learning Toolkit」というページを開きます。いくつかのトピックが出てきます。(所要時間2分)
今、「宿題」について知りたいので、検索欄(Filter results by keywords)に、「Homework」と入力します。(所要時間2分)
すると、宿題に関するいくかのトピックが表示されます。(以下)

さらに知りたい方は、クリックしていただき、詳細を確認ということになりますが、この画面を見るだけで、宿題に関するいくつかのことが分かります。
画面には、コスト1つ、エビデンス2つ(小学校の場合)、効果は2ということですので、宿題というものは、コストはかからない、確かなエビデンスはそうない、効果としても大きいわけではないということが分かります。(所要時間1分)

2 結論

このような情報をもとに実際にどうするのかは実践者である自分自身で決めないといけません。
 ただ、実践を考えるうえで、宿題について、明確なエビデンスがないと分かった以上、宿題に関する様々な意見やこれまでの取組は、絶対的なものではないということが分かります。つまり、分からないということが分かったということになります。そのため、やはり目の前の子どもの実態に応じた実践が必要になるでしょう。
さて、EEFを用いた「1日5分でエビデンス」は、どうだったでしょうか。多忙を極める学校現場では、いかに効率的にエビデンスを知るのかが重要になります。エビデンスに基づく教育では、このような「1日5分で”ええでんす”」を大切に取り組んでいきます。ご参考になれば幸いです。

3 協力者募集

ただし、本稿について、最大の難点があります。この情報は英語であるという点です。英語の堪能な方ならば、問題ないと思いますが、英語の苦手な方はここで頓挫していまいます。その場合、興味のある実践のキーワードだけ辞書で調べて入力するのみということも可能ですし、翻訳サイトを利用していただくことも手です。

なお、この現状を解決すべく、英語の情報を日本語で翻訳したのち、無償で情報提供しようと現在、翻訳レビュー作業に取り組んでいます。協力いただける方はぜひご連絡ください。

エビデンスに基づく教育研究会
エビデンスに基づく教育研究会==http://ebe-riron-jissen.jimdo.com/

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