光村ライブラリー ~昔の国語の教科書に載っていた教材

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名作の宝庫

昭和 46 年度から平成 12 年度までの定評のあった、国語教科書のお話を、あざやかな挿絵そのまま に、復刻したのが本書です。50 代前半より若い方には懐かしいのではないだろうか。小学校版が全 18 巻あるのに加え、中学校版が全 5 巻で発売されています。

バラ売りもしています。「つり橋わたれ」、なつかしいですね。

 
小学生版の全18巻セットで18900円と少々値が 張るが、ぜひ、図書室には置いておいてほしいシリーズです。低学年編・中学年編・高学年編と分けて 1 冊にしているので、各教室に置いておくのにもよいでしょう。
光村の国語教科書で根強く残っているのは、「やまなし」「おおきなかぶ」「ごんぎつね」「大造じいさんとガン」くらいになってしまいました。 「もちもちの木」でも古株であるように思えます。このシリーズを読むと、昔の教科書には名作が載っていたものだということを改めて感じさせられます。一読するだけでも印象に残るし、読むだけで値打ちのある作品が多いです。音読させているだけで子供たちに力がつくのではないかとさえ思ってしまいます。最近の教科書は教条主義を避けてか、あまりお説教めいた作品が掲載されない傾向があるような気がします。オープンエンドの作品や多様な解釈が可能な作品も大事であるとは思いますが、もう少しバランスよく古典的な名作を乗せてもいいのではないでしょうか。「てぶくろを 買いに」などは、是非もう一度現在の教科書に掲載してほしいと思います。

 ざっと検索したところでは、「小学国語読本 尋常科用」 といった歴史的資料はあったが、戦後の他社の国語教科書の復刻版はほとんど見当たりませんでした。光村以外にも現在の教科書から姿を消した名作がたくさんあるので、ぜひ復 刻版を発売してほしいものです。 ちなみに、国語に限らず、教育大学や大きい自治体の教育委員会(教育センター)には昔の教科書が所蔵されている場合があるようですが、公立図書館ではあまり保存されて いないようです。ぜひ、このシリーズを公立図書館にも置いてほしいと思います。

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