ワイヤレス書画カメラ(実物投影機)を用いた授業実践

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目次

1 はじめに

こちらは、観音寺市立豊田小学校の高谷浩輔先生が行った、ICT機器を用いた授業に関する記事です。ICT機器を用いたその他の授業実践は、下記URLから閲覧することが可能です。

http://jp.communication.aver.com/Case-Studies/

2 ワイヤレス書画カメラを使用

  • 今回の書写の時間は、「竹笛」という字の練習を行う。15分ほど練習をしたところで、教師が机間指導をし、朱書きを入れていく。同じ修正点のある児童も多いので、書画カメラを使って指導を行う。
  • 朱書きをする児童の半紙の上部に書画カメラを置く。一斉に練習をやめさせて、大型テレビに集中させる。朱書きの様子をテレビに映し、児童たちに意見を言わせる。
  • 朱書きを意識して、試し書きさせる。

3 授業でワイヤレスの書画カメラを使用することの利点

  1. 動画で見せることができるので、筆の運びや向きもみんなで確認できる。
  2. 教師が机間を自由に移動できることから、どの児童の作品も気軽に取り上げることが可能。

4 授業にワイヤレスの書画カメラを取り入れることで、改善される点

  • 児童が書いた作品を持って教卓へ来るパターン
  • 机の間に置いてある半紙や墨汁に体をひっかけやすい。
  • 持ってくる間に墨が半紙上を流れる。
  • 数人移動させると時間がかかる。
  • 教師の机間指導と児童の作品提示が別の作業となる。


5 ワイヤレスの書画カメラを導入してからの子どもたちの変化

ワイヤレスの書画カメラを書写の授業で使うことで、児童の意欲が高まりました。自分の作品が大型テレビに映し出され、朱書きや修正や二重丸をもらうことで、参加型の授業となり意欲を持って清書をむかえました。教師が動くだけで、児童が動く必要がない。児童は落ち着いて学習することが出来ます。教師は机間指導から全体指導への転換が簡単にできることから、学級全体に対して指導がしやすいです。
これまで、書写の授業といえば、最初に注意点(目標を持つ)を聞き、黙々と個別に清書に向かうパターンが多かったのではないかと思います。ワイヤレスの書画カメラを使用することで、授業の幅が広がり、学級で考え話し合う時間が充実しました。複数台使うなどの工夫で、協働学習への可能性も期待できます。

6 書画カメラの活用について(和歌山大学教育学部 付属教育実践総合センター 豊田充崇教授)

書画カメラの活用が定着してくると、児童生徒らのノート・ワークシートや作品を大きく提示し、学級全体で共有・評価する場面が多くなります。これが何人も続くと、特に低・中学年の児童の場合、教室の前に出てくる時間的ロスが生じたり、墨汁や絵具を使う授業では頻繁な往来で引っ掛けてこぼしたりしないかといった心配もあります。しかしながら本事例のように、全体に見せたい児童の作品はそのままにして、書画カメラが「出かけていく」という方法は、スピーディな提示ができるとともに、児童らの作業を止めず、集中力を維持できます。
他にも、ワイヤレスの有効な場面として、当番制で児童生徒の机上に設置し「今日は○○君のノートの書き方をみんなで見てみよう」としたり、「○○博士(作図が得意、裁縫が得意、地図や虫のイラストを描くのが得意な等々)」としたりして認定された児童生徒の手元を録画するといった使い方も考えられます。グループ学習で、他の班の比較対照となる班を1つ決めておき、そのグループノートを提示しておくのも効果的でしょう。

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